インド映画『ディア・ライフ』覚書
ネフリで視聴したインド映画。
家と恋人を失った主人公カイラが、精神科のセラピーを通して、再生していく話。
イケメンと知り合い、つき合ってはみるも、踏み込めず、曖昧な態度を取ったり、自分から終わらせてしまうことを繰り返すカイラ。
問題の根っこにあったのは、幼い頃、父の事業の失敗により、両親と離れて暮らしていた時期の出来事。
祖父母の家に預けられ、海外にいる両親にあてて毎週手紙を書いていたが、返事は来ない。「郵便局が遠い」など、電話で言い訳を並べられるだけ。
ある時、弟を連れて母が帰ってくる。
彼女は、母に直接新しい手紙を渡そうと張り切るが、祖父と母の会話から、返事が来ない本当の理由を知ってしまう・・・
その後、両親に引き取られることが決まるも、そのゴタゴタで落第してしまうなど、混乱は続く。
娘からすれば、大人のエゴに振り回されたんだよな、と。
引き取られたのも、百枚の手紙のおかげではなく、落第したから。
そして、「その後は落第していない」→「父母は正しい選択をした」と親戚たちにも認識され、その噛み合わなさの上に、時間が降り積もっていった。
カイラの傷、捨てられるという恐怖は、不発弾のように底に埋まったまま。恋人ができても、捨てられるのが怖いから、「さよなら」を言われたくないから、自分から、終わらせる。
・・・悪くはないが、これらが明らかになるまでが、少々長すぎませんか?
インド映画は、二時間以上の尺の長さは普通なのだが、入り込めないとなかなかキツイものがある・・・。
『ガリーボーイ』あたりは、ドン底から這い上がっていくサクセスストーリーというせいもあるが、音楽や歌詞がまるで竜巻となって人を巻き込みながら高みへと上っていくエネルギーが感じられて良かったのだけど。
まあ、女優さんは綺麗で可愛い人だったし、インテリアなど、細部も興味深く見ることはできたか。