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週刊ヴェルデ

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短めのエッセイを、週一回を目標に更新。
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#歌川広重

徒然日記~梶よう子『東都の藍』を追いかけて

最近のマイブーム、と言って良いのかどうかはわからないが、エンタメ系文芸誌のバックナンバーを図書館で探しては捲っている。

きっかけは、絵師(画家)を主人公にした小説が読みたいと思ったから。
そういえば、梶よう子さんが『東都の藍』で広重を書いていた、ということをふと思い出して調べてみれば、すでに連載自体は終わっている。
が、単行本になるのはいつか・・・が、まだわからない。
その時点で、待てない、と感

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徒然日記~広重のこと

私にとって、歌川広重という人物のイメージは、長く作品の向こうに埋もれていた。
どんな人物なのか。
何を思って生きたのか。

執筆のために今回調べるまで、全く見えなかったし、見ようともしなかった。
が、蓋を開けてみて感じたのは、他人事とは思えない。
武家の長男に生まれた時点で、彼の将来進むレールは敷かれており、13歳、現代なら中学生の年齢で、大人の仲間入りをせざるを得なかった。
絵への思いを諦めきれ

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立ちはだかる壁に対して、何をする?~広重の場合

立ちはだかる壁に対して、何をする?~広重の場合

緊急事態宣言に伴い、美術館や博物館の多くが休館になった。

今日から開催されるはずの、「北斎と広重」展も、明日からは見られない。

何でこんなことに……。

(ちなみに私のいる図書館は、期間中のイベントは全て中止だが、他は通常通り……正直イラッと来るが、その苛立ちを書く方に向けていきたい)

北斎の「富嶽三十六景」を中心に据えながらも、同時代に生きた後輩絵師・広重の視点から展覧会の流れを組み立てて

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