【草日記】鬱期間を共に耐えきったタフな奴ら
鬱期間というのは、植物達にとってもキツイ時期です。
何しろ世話をしてくれるｶｲﾇｼが潰れているわけです、ベッドから起き上がれないほど酷い時期はろくに水も貰えないし、LEDの電気も付けてもらえない。
植物にとっては水も光も大事な栄養源、更に体調を崩しても手厚いアフターフォローが受けられない。
全ての成長過程を支えてくれる唯一の柱を失う訳ですから、当然、弱っていた子などは容赦なく枯れていきます。
今部屋にある植物は一部の大人の洋ランと実生の赤ちゃん。
大きくなった洋ランは1ヵ月程度のネグレクトぐらい余裕で乗り切りますが、まだ種から産まれたばかりの実生の赤ちゃんにとってｶｲﾇｼが鬱になる事は必然的に「死」を意味します。
元々デリケートな塊根類、特にパキポディウムはほぼ全滅。
何もない鉢の中が何とも虚しい、痛ましい気持ちになります。
ですが、そんな過酷なネグレクトに耐えた実生の赤ちゃん株たちが鬱のどん底から這い上がったｶｲﾇｼを静かにメタルラックの奥で待っていてくれました。
こちらはチタノタブルーの実生苗、まだ産まれて3か月なのに1ヵ月近くのネグレクトを乗り越えて青々と育っています。
徒長らしいものもあまり見受けられず、鉢の中に残ったわずかな水分を分け合って真っ暗なラックの中で皆耐え忍んでいたようです。
久々にLEDを当てて、当てる時間を4時間、6時間、8時間と伸ばしていった結果少しストレスで赤くなっちゃいましたが無事復活しています。
基本、アガベ類は赤ちゃん時期はお水たっぷりで育てるのがセオリー。
腰水で半年という説もありますから、光も貰えずｶﾗｶﾗの鉢の中は辛かったはずです。本当にごめんなさい。
でもそんな中でも、LEDを点灯して緑が見えた時は思わず涙が出ました。
大げさかもしれないけど、そんだけ私は植物達を愛しています。
ごめん、ずっとそこで待っててくれたんだね。
型崩れもそこまで酷くなく、これなら育っていく過程でリカバーできる。
鬱明けの水やりはペットボトルの水をドボドボかけるという酷いもんでしたが、根もしっかり張ったようで横倒しになる事はありませんでした。
小さな鋸歯を覗かせて、ようやくチタノタらしく成長中。
鬱はまだ完全に明けたわけじゃないけど、出来る範囲でここからサポートしてあげたいものです。
こちらは派手に徒長＋葉先が痛んでしまったポタトルムドワーフ。
それでも軸はしっかりと地面に食い込んで、葉先を除けば他の草体は比較的マシな状態です。
全部で8株居た子供たちは2株だけに、それでも生き残ってくれた数株の猛者達には驚かされました。
水をやった次の日見てみると、草体がむっくりと大きくなっていたのを鮮明に覚えています。
この子もまだ生きている、それなら残りの期間責任を持って育てるのがｶｲﾇｼの務めです。行けるところまで頑張ろう！
凄いシワシワだ･･･。
それでも必死に地面にしがみついて、ホリダも3株ほど生き残りました。
水がｶﾗｶﾗだったので撮影後水やり、シュワシュワと乾いた音を立てて水を吸う用土がまるで彼らの悲鳴を代弁しているようです。
シワシワの葉っぱは元に戻るか分かりませんが、新芽を展開してる辺り息絶えてる様子ではないですね。これからむちむちに戻ってくれればいいのですが･･･。
小さいながらも強烈な鋸歯を見せつけるチタノタドワーフ。
元々発芽して健全に育ってた子は5株程度だったんですけど、何と全株生き残っています。久々の高照度ライトはストレスなのか若干赤いですが1週間たっても枯れないところを見るに大丈夫そうです。
見ての通りアガベ類はネグレクトを生き残る個体が非常に多かった印象。
残念ながらパキポ類は悉く枯れましたが、アガベは我が家には比較的適応しやすい品種なのかもしれません。
もう絶対鉢の中はすっからかんだろうな、と半ば絶望を抱きながら覗き込んだリトープスの幼苗たちも10株ほど残りました。
元はもっとツブツブいっぱい居たんですけどね、流石に水切れ時期が長かったので小さい子は溶けて消えてしまったようです。
その中でも先に大きくなれた子だけが逞しく地面にひっついていました。
鉢の中は寂しくなってしまったけど、責任もってこの子たちを育てていく事に心血を注ごうと思います。
大きくなった、とはいえまだ2mmぐらいの子供です。
まだ体は重怠いけど生き残った貴重な株を失う事は避けたい、ライトを付けたり水をやったりする程度の元気はあるので最低限そこだけは絶対に守ると誓いました。
本当に皆、生き残ってくれてありがとう。
これからまた一緒に頑張っていこう、いつか大人になった姿を見れる日を夢見て今日もメタルラックをパトロールしています。
2024/10/03 Az
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