【山梨ジュエリーミュージアム】共催展「山梨の水晶と装身具」を見に行く
2023.5.18、画像を追加しました。
はじめに
甲府市の中心部にある山梨ジュエリーミュージアムでは山梨県立考古博物館の春季企画展「クリスタル・ロード」(2023.4.15~6.11)と共催して「御嶽昇仙峡国名勝指定100周年記念山梨の水晶と装身具」を開催しています。
山梨県立宝石美術専門学校
山梨ジュエリーミュージアムは山梨県立宝石美術専門学校の付属施設です。山梨県立宝石美術専門学校は国内唯一のジュエリーについて学べる公立の専門学校です。ジュエリー産業が山梨の地場産業のひとつであることから宝石装飾の人材育成のために山梨県により設置されました。
1981年(昭和56年)4月に開校しています。当初2年間の修行年限でしたが、より高度な技術に対応するため2015年(平成27年)4月より3年間の修行年限にカリキュラム変更が行われています。また、現在の校舎は甲府市中心部の複合ビル「ココリ」の7階8階のフロアを利用しています。
山梨ジュエリーミュージアム
山梨ジュエリーミュージアムは2013年(平成25年)山梨県庁防災新館1階のやまなしプラザ内に開館しました。甲府駅前から南へ向かう平和通りを進むとやまなしプラザのある山梨県庁防災新館の建物がすぐに見えてきます。
山梨県庁防災新館に入るとジュエリーミュージアムのシンボルマークが目に入ります。
見学そのものは無料です。入るとジュエリーショップを思わせるカウンターに見学の受付がありますが、気軽に立ち寄れるスポットです。スタッフも親切に応対してくれます。
また、フロアの半分ではジュエリーの販売も行っています。素敵なジュエリーのお値段は市場流通価格の半値ほどと伺いました、それでも万単位です。
ケースの中のペンダント、リングいずれも10万円前後のものです。
体験コーナーがあり、職人さんの指導のもと「磨き」(宝石研磨)と「留め」(貴金属加工体験)のいずれかでアクセサリーを作ることができます。こちらは材料代など料金が発生します。(1,000円~4,500円、内容により異なる)
展示室
展示室の撮影はできません。防犯上の関係もあるのでしょう。スタッフの方に申し出て展示への入口のみ撮影させていただきました。この先はリーフレットから画像を引用しております。
まず導入部として山梨とジュエリーの歴史の紹介に触れながら進みます。水晶の原石などが展示され山梨県立考古博物館の企画展「クリスタルロード」に近い内容です。
ジュエリーかたちづくるもの
次の展示室では「ジュエリーかたちづくるもの」として、ジュエリーを作る工程の説明や加工に関わる道具などを紹介しています。また、水晶の原石や世界の鉱物の原石も展示しています。
山梨ジュエリーのきらめき (企画展示室A)
企画展示用の展示室がふたつあります。
企画展示室Aでは「山梨ジュエリーのきらめき」(2023.3.18~6.19)として県内の作家たちによる、現代の山梨ジュエリーを紹介しています。展示数は100点超になるそうです。
宝石美術専門学校のを紹介するコーナーがあり、2021年度の卒業制作から3名の優秀作が展示されています。
展示作品の一部が公式サイトよりご覧になれます。
山梨の水晶と装身具 (企画展示室B)
企画展示室Bでは「御嶽昇仙峡国名勝指定100周年記念山梨の水晶と装身具」(2023.4.22~6.19)を開催しています。
山梨大学所蔵の石原宗美水晶工芸コレクションと石川文一水晶工芸コレクションから装身具の逸品を紹介しています。
まず、石原宗美ですが、甲府で一、二を争う老舗として知られる甲斐物産商会の2代目として県内の宝飾業界の発展に寄与した人物といいます。石原は、歴史的に貴重な明治期から昭和初期に製造された水晶工芸品を昭和40年頃、山梨大学に寄贈しています。
次に、石川文一ですが、昭和6年に宝飾業界に入り、戦後自社を設立しました。時代に負けないデザインを追求することで山梨の宝飾デザインに大きな影響を与えた人物といいます。石川が昭和37年に山梨大学に水晶工芸品を寄贈しています。展示されるものは二人のコレクションから昭和30年代までの水晶製の装身具となります。
おまけ
山梨県庁の敷地内には、ドラマや映画のロケに登場する山梨県庁別館があります。昔は本館として機能し現在も県議会議事堂が中にあります。2009年(平成21年)、県の有形文化財に指定されています。
別館の中に入るフィルムコミッションの部局があり、「ゆるキャン△」や、最新作「ロストケア」「シン・仮面ライダー」などのポスターがあります。サイン色紙は庵野秀明監督、池松壮亮さん、浜辺美波さん、柄本佑さんのもの。
おわりに
ジュエリーコレクションなどから山梨の地場産業の伝統と現代のもたらす魅力にふれられる内容でした。甲府駅南口から徒歩5分程度ということもあり観光の合間にも訪れやすい場所です。また、観光地に多々あるジュエリー館のような商売っぽさはないので、安心して見学できるジュエリースポットといえます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?