【感想】映画『マーダー★ミステリー』
『マーダーミステリー』という映画を見たのですが、ミステリー映画、スリラー映画としても面白く見れた作品でありましたが、同時に映像表現の中では見ないかなり新鮮な映画だったなという印象を受けました。
タイトルにもある通り、マーダーミステリーとは何か。
マーダーミステリーとはパーティーゲームの一種であり、殺人事件が起きた場合にシナリオが用意され、参加者は物語の登場人物となり、犯人を探し出したり、犯人役の人は逃げ切る事を目的として会話をしながらゲームを進めるものであります。
だが、本作はキャラ設定と行動指示のみでセリフは全てアドリブという形で描いた即興劇であり、映画を見ながら本当はセリフがあった上での演技で成り立っているんじゃないかという不信感もありましたが、そうではなくエンタメとして十分過ぎるほどに楽しめる作品でありました。
物語の概要としましては、鬼灯村という村を舞台に村の長である一乗寺家当主が殺害されるところから始まります。
屋敷にいた八名の中に当主を殺害した犯人がいることが分かり、事件の真相に迫っていく謎解きミステリーなのですが、登場人物たちの会話のやり取りで事件の真相が見えてくる構造はとても面白い試みでもありました。
なんと言っても、探偵の斑目瑞男役の劇団ひとりさんの役が面白くて、微妙な表情とその場の空気感でクスッと笑えるところがいくつもあり、コントではなく映画だよなと疑ってしまいそうになるところもある意味良いところでもあったと思います。
斑目瑞男だけではなく、他のキャスト人の方々のアドリブによる芸達者ぶりにはスゴいなと感心させられるものがありました。
メタ映画として、かなり興味深いもので新しい映像表現だと感じましたし、会話劇というもので思い出すと、『違う惑星の変な恋人』と『悪は存在はしない』は対象的な特質を持つ会話劇の魅力があるし、脚本やキャストの配役の相性の良さなども関係しているし、今回の『マーダー★ミステリー』という映画もその部類に属する映画であり、見方を変えればかなり変わった実験映画とも考えられるのではないかと思いました。
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