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【感想】映画『劇場版 モノノ怪 唐傘』
『劇場版 モノノ怪 唐傘』というアニメーション映画を劇場で見ました。
本作は、テレビアニメシリーズで放送されていたアニメであり、最初に言っておきますと、テレビアニメの存在はもちろん、作品全体のストーリーも全く無知の状態で劇場に望みました。
ですが、初見の私が見てもとても楽しめた作品であり絵巻物のような極彩色とキャラクターデザインはとてもオシャレな作品だなと感じました。
なんといっても、主人公の薬売りという存在がとてもインパクトがあって、モノノ怪という情念と妖が結びついた得体のしれないものを斬り祓うことを目的にしている。
本作は大奥が舞台であり、新人女中のアサとカメという女性が大奥に入るところから物語が展開されます。
才色兼備なアサはしっかりとした人物だが、カメは失敗ばかりしてしまう大奥に居場所を求める女性で性格は真逆であると言えます。
大奥という世界の中で、繁栄と永続を守る女中たちの情念は次第に蓄積されていき増幅する。
‘‘唐傘’’と薬売りとの対峙、情念渦巻く大奥で描かれる人間ドラマはかなり面白いものがありました。
大奥という世界は、周りの人たちによって圧迫させられる雰囲気により、自分らしさというものを押し殺さなくてはいけなくなってしまうものがあります。
このような『モノノ怪』で描かれる闇は、現代社会にも通じるものがあり、劇場で事前情報も知らなく行った私にとって何故『モノノ怪』が当日満席なぐらい人気だったのか、そしてほぼ同年代の私と同じくいの若い人たちが見ているのかは『モノノ怪』が共感させられる特別な力を帯びているからだと納得させられました。
劇中に登場する‘‘退魔の剣’’と呼ばれるものがあるのですが、その剣によって怪異を斬ることができ、形、真、理の三様を示すことが出来て初めて剣を抜くことが出来ます。
私が特に印象に残ってるシーンは、剣を抜き薬売りが神儀という姿になって、唐傘と戦う戦闘シーンは見応えがあって、劇中で流れる曲とド派手なアニメーションの演出はこれまで見たことのないものであり、アニメーションを越えた、もはや芸術作品だと考えるさせられました。
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