【‘‘知力の体系化’’】
-『知力を磨く』における読書術の概要-
Ⅰ.『知力を磨く』から体系的な読みの全貌
前作『知力を磨く』では、私なりの読書術や文章術、時間管理の方法までを幅広くまとめた連作の長編記事があり、今回の記事では前作に通じる姉妹編の記事として読書術に焦点を当てた新しい記事を書くことにしました。
読書術というものは、常に日頃から私の中では変化し続け、更新されていくものであり、読み方という一つのテーマから膨大な数の読み方が出来るものだという認識があり、自分にとってのベストの読み方を構築させるというのは非常に難しいことのように感じます。
そして、一方的に読書術というノウハウを実践し、駆使しても一瞬の内に優れた読書家になれるものでもないというのが私なりの考え方でもあったりします。
読書というものは、心身のエネルギーをかなり消費する行為でもあるし、スポーツと同様に読み込むことや理解の為の習熟度というものを鍛えるためにはひたすら読むことを積み重ねていくトレーニングをする方法しかないと思います。
そうした認識と理解のために書かれたのが前作の『知力を磨く』であるといっても過言ではありません。
読書するにあたって、趣味や娯楽として本を読む場合とは違い、専門分野の知識を習得するためにはそれなりの方法というのがあります。
それは、専門分野に関する書籍をいかに大量に読み漁ることが出来るのかということ、かつ理解力の密度が濃ければ濃いほど、その分野における専門家になれることも難しくはありません。
私の場合ですと、専門分野に関する書籍を読むとき、少なくても10冊、多くても30冊ほどの書籍を読むことを心掛けて7~8割の書籍にあたっては入門書、基礎レベルをまずしっかりと読み込み、残りの3~2割で応用から発展的なレベルまでを読み込んで理解へと繋げていきます。
そして、前回の記事での本の読み方の方でも記しましたが、全ての書籍を順番に沿って読了していく必要はないということを理解してもらいたいと思っています。
読み進めるにあたり、4~5冊あたりから関連項目、共通項目に関する内容を触れることになるのではないかと思っています。
そうした場合では、基礎で学んだ知識を基盤として捉えて基盤にはない不足した知識を別の知識を学び補いながら読み進めることが重要なのではないかと考えられます。
なので、重なる関連・共通項目のところは思いきって読まないことにして理解度に時間を割くことが最も有効な手段であると思われます。
こうした知識の習得方法を行う上では読書は最適なものであり、特定の分野をマスターさせることで自ずと周辺分野の知識についても目に触れるきっかけになることは大きなメリットであると思っています。
自分にとってのベストな集中力が発揮されるまでの時間帯の確保と、知識の取捨選択をしながら行うための速読と多読を掛け合わせた読み方など、具体的な実践方法については次の章立てから詳しく説明していきたいと思っています。
Ⅱ.文字と映像媒体の区分と読むための実践方法について
読むことは、文章や映像においても読むという認識で私の中では捉えているものであり、文字媒体や映像媒体ではそれぞれ区分することが出来るので以下にまとめたいと思います。
こうした文字媒体と映像媒体を読み込むときには、私は二つの媒体を組み合わせて読むことを心掛けており、いわゆるながら作業を行うことが多いです。
ながら作業において、マルチタスクは集中力や理解力の低下が考えられると思われがちではありますが、作業工程では単純タスクと頭脳タスクの二種類に分類化させることができ、このタスクから一つずつを選択して二つを一セットして行うことで無理なくマルチタスクを実践することが可能となり、デメリットとして考えられてきたマルチタスクの効力を最大限まで活かすことが出来ます。
そして、単純タスクと頭脳タスクを分けて考えると以下のように分類化させて考えられます。
私の場合ですと、タスクごとに全部で十項目まで分類化させて単純と頭脳から一つずつ選択して作業を行っています。
作業における、取り組み方として単純タスクに1~2割、頭脳タスクに8~9割という割合で取り込むことでインプットとアウトプットの比重を考える場合でもバランス良く行っています。
そして、読書や映画鑑賞でも速読と精読を上手く使い分けることがポイントであり、動画を見る上で動画から必要な情報だけを収集する方法としても三つのステップを踏めば、実現可能であります。
こうしたノウハウを駆使することで、効率的に知識を収集でき、より体系的な理解へと結び付かせることが可能となります。
あとは、自分の集中力の理解とともに、限られたリソースをいかに大切なことに使って、そうでないことに対しては時間を使わないようにするかということが大切になってきます。
時間を最も浪費しやすいと思われる時間帯、場所、条件とは何か。
そして、そうしたことも踏まえて上手に使えているのかということ。
自分自身の行動パターンを知ること。
集中力や時間管理についてのノウハウは、読書術と違い、自分にとって合うか合わないかという問題もあったりします。
体系的な読みへと発展させることでしか得られない知力の価値を読書から感じて、考えることのきっかけとなれば幸いです。
[あとがき]-創造と読むことについて-
読むことというのは、とても創造的な行為であることだと考え始めたのは書くことからであると思いました。
本の読み方を変えるだけで、それまで気付けなかったものに気付かされるということが実際にあります。
読む人にとって、面白いと感じるものもあれば、つまらないと感じるものも確かにあります。
ドラマでも映画でも、音楽でも芸術鑑賞にさえそれは当てはまるものだと私は思います。
読み手や鑑賞者がその作品から何を読み取り、思い考えるのか、それは創造することが求められるものだという認識があります。
創造というものは、自分の中から何かを生み出すという意味として捉えがちですが決してそうではないと思っています。
創造から、この作品から窺えることで作者はどのような意図で思いがあって創作したのかということについて思いを巡らすことで無意識的に創造している状態へと考え方を見直すことが出来ます。
読むことは受容する行為ではなく読み手の私たちは作者の方とともに創造的な立場で何かをつくり出すことが創造の意味だということを考えさせられました。