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【感想】映画『トラップ』

シャマラン監督の最新作『トラップ』を見た。
サスペンススリラーはこれまで色々と見てきましたが本作はかなり新しい試みの映画であり、シリアルキラーが視点の面白い実験的な作品だと思いました。
クーパーという優しそうな父親は娘のライリーと共に世界的な歌手のコンサートライブを見に行くのだが、コンサートの雰囲気にクーパーは異様な不自然さを抱き始める。

会場にはたくさんの監視カメラが設置されており、会場内や外にも多くの警察が監視している。
クーパーは、とあるスタッフから事情を聞き出して警察がコンサート全体にトラップを仕組み、殺人鬼である男がこのコンサートに潜伏しているという情報を嗅ぎ付けたようであった。
まさに、巨大なコンサートに潜伏している男、それこそがクーパーであることが明らかとなります。

ライブ会場で熱狂する娘に連れ添いながら、一部の観客としてまぎれたり、スタッフなどに装ったりしながら、どのようにしてこのコンサートから脱出するのか脱出劇として警察側からバレないようにクーパーがあらゆる策で脱出を試みる姿はかなり面白いし、途中から犯罪者のクーパー側に脱出を応援したくなる気持ちになっていったのは視点を殺人鬼側に意図的に向けているからだと思いました。

限られた範囲内での決死の攻防戦、娘が一緒にいるハンデも背負いながら、クーパーの頭のキレる作戦は見ていて面白いし、シャマラン監督が仕掛けたトラップをかいくぐりながらどのように脱出するのか、最初から最後まで緊張感が途切れることがないのも本作の魅力であると思いました。
警察側が仕掛けたトラップに対して、クーパーはどのように対処していくのかはそれほど奇抜さはないし、見ながら行動自体は予測出来るがそれもまた良いところだと感じました。

『トラップ』はサスペンススリラーとしての体系を保ちながら、これまでのエンターテイメント作品としては新しい映像表現と演出を取り入れたシャマラン監督の新たな新境地とも言える作品なのではないかと感じました。
前半から後半にかけての父と娘の物語は一変し、物語のラストこそが『トラップ』の一番の見所であると思いました。
『トラップ』はクーパーにかけられたトラップに対する対処法を楽しむのではなく、クーパーの逃亡劇こそが注目すべきところだと考えられます。

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