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ぼっちの東海道歩き旅 その24〜関宿→水口宿〜

明けました。ということは、東海道歩きの季節がやってきました。

年末年始の休暇、東海道歩きに費やすか、常磐線の運賃表を全部観測する旅に費やすか、悩んだ末にギリギリで東海道歩きに決めました。

東海道とか関係なく、プライベートで箱根に行ったら、箱根峠が懐かしくなっちゃったからです。そして、今回のメインも「峠」。東海道最後の(?)難所、鈴鹿峠に挑みます。といっても、たった1日のみですが。


本編に入る前に、私の段取りの悪さを嘆きたい。歩き旅だけ見たい方は目次までスクロールしましょう。

まず、いつもスタート地点への移動に愛用していた18きっぷのルールが改定されました。連続する3日or5日で使わなければなりません。なので、「電車移動の日〜歩く日〜歩く日〜電車移動の日」みたいな使い方ができなくなってしまった。これは非常に痛いです。

2日分は無駄にする前提で、3日券を買うとすると1日で1万円。「これならもしかして新幹線のほうが安いか?」と思って調べてみたら、1万円強でした。

じゃあ新幹線で行くかぁとチケット予約サイトを見ると、全席指定&当然の如く満席。そうだよなぁ、繁忙期ど真ん中すぎる。

あーあ、そもそもどうやって行こうか。すでに旅力(たびりょく)を問われる旅になっている。

そこでふと思い出したのが、夜行バスの存在でした。名古屋までの夜行バスなら、早朝について、そこから電車で移動できるはず。帰りもまた然り。

ということで今回は、「夜行バスで移動→歩く日(宿泊)→夜行バスで移動」というハードスケジュールとなりました。しびれるなあ、辛いなあ、峠越えだってのに。悔しいですが、ギリギリに年末年始の予定を決めた私が悪い……。

ということで、東海道歩き旅シーズン8、始めます。

前回はこちら↓


関宿→坂下宿

関駅周辺で見えた朝日

おはようございます。夜行バスで名古屋まで行き、夜明け前の関西本線に乗っていたら、7時ごろに関駅で日の出を迎えました。初日の出じゃないけれど、新年の日の出はめでたさがありますね。

でも、さすがに日の出から歩き始める旅は初めてだ……。

やっぱり

前回は夏休み中で賑わっていた観光地の関宿。新年の夜明け直後はシンと静まり返っていました。この人っ子ひとりいない一本道を歩きます。

本陣はお正月仕様
本陣の正面にある豪商の家はクリスマス仕様

ほとんど人とすれ違わないものの、半年前に見た関宿とは明らかに変化していて、ほぼ全ての家にお正月飾りが出ていました。

時が止まったような景観保護地区だけど、明らかに人が生きているのを感じ取れる瞬間、好きです。

関宿を抜けると、景色はぐっと山に近づいていきます。

動物注意の看板
シカが出るのかな
隣を流れるさやさやと流れる
透明度の高い鈴鹿川
この辺、スクールゾーンの看板があった
ここから学校に通う生徒もいるのか…
この辺は筆捨山というらしい

筆捨山の由来は、天気がころころ変わって、画家が絵を描いていた翌日に続きを描こうとしても、雲や霧が立て込め、同じように書くことができなかったから。

まさに、この日の天気も晴れ→雨(雪)→曇り→晴れと、この山にいる数時間のうちにころころと変わっていきました。時代が変われど、気候は一緒……室町時代の画家と同じ気持ちを味わっている気分です。

どうか大雨にだけはならないでくれと願っていたら、坂下宿に到着しました。昔は栄えていたらしいけど、今は石碑だけの侘しい雰囲気。「難所の前の宿場町は観光地として今も栄えがち」というセオリーが崩れました……。

シンプルな本陣跡
本陣跡の裏の公園

裏の公園、侘び寂びがあってよいので東海道ウォーカーはぜひ立ち寄ってみてください。


坂下宿→土山宿

いざ、ここからが峠越えです。「箱根みたいなハイキングができるのかな?」とわくわくしていたら……

通行止め……

歩道が塞がれていました。山道あるある、急な通行止め(調べていないだけ)。

仕方ない。現・東海道こと、国道1号線を行きましょう。

車が容赦なく爆走してくる
ビュンビュン追い越されて怖すぎだけど、
絶景!!!

命削られるかと思った……。しかし、現東海道には旧東海道にはないよさがあると思うんですよね。道がひらけていて、山や海が遠くまで見渡せるのは現東海道かなって。私は旧東海道歩きにこだわらないタイプなので(最初は無知すぎてそんなの気にしてなかったので)、気分で横道に逸れます。

途中、旧東海道に入れそうな、通行止めではない道を見つけ、山道へ!

鈴鹿峠への入り口
入口前で栄養補給
山で食べるカロリーメイトは別格

そうそう、峠越えといえばこれだよなあ、待ってましたと言わんばかりの山道です。

石畳じゃないだけマシ
奇岩がたくさんあることで有名らしい
木の根がメキメキに絡まってる
山賊も多発したんだとか
岩陰から攻撃してくるんだろうな

途中、道を外れたちょっと先に、山賊が岩面の反射を使って旅人を見つけ、襲っていたという鏡岩があるみたいなので寄り道。

「遭難多発!標高の低さで油断するな」的な看板があったけど、大丈夫かな……。

ヒッ
三叉路?の真ん中に置かれた鏡岩の案内板
これは確かに迷う…遭難しそうだ
ここか
うーん?

これ以上登ると、ただのロッククライミングなので辞めときましたが、たしかに陽が指してちょっとキラキラしているような、でも鏡ほど反射していないような……私には真相をつかめずでした。

鏡岩を過ぎれば、鈴鹿峠の山道はほぼゴールです!

暗い森から明るい町へ出るときの
まぶしい光が大好き
さようなら伊勢の国
こんにちは近江の国
たぶん東海道ウォーカーがみんな
写真撮るところ

鈴鹿峠が終わっても、土山宿まではまだまだ終わりません。地味に長かった……。

猪鼻村
蟹ヶ坂

猪鼻村、蟹ヶ坂という東海道沿いのふたつの街を抜けると、いよいよ土山宿。

案内板によると、橋がある限り永久に
一般の旅人からは三文の渡り賃を取るらしい
今回は取られなかった
土山宿に入ってすぐの田村神社
初詣で賑わう

お茶で有名な土山宿。田村神社の前の道の駅でご飯とお茶でも……と思っていたのに、絶賛工事中でした。今年はいろいろと幸先が悪いな。

その後の道中にもいくつかの茶寮がありましたが、時間がないのと、新年早々ジャージでクタクタの人間が入ってくるのはちょっとめでたい空気を壊すかも……と思って入れず。

気になってた土山茶は次の日に彦根駅前にて、たっぷり堪能しています。


土山宿→水口宿

峠越えもしたし、距離的には今日ここでやめておきたいところ。しかし土山宿周辺は宿に乏しく、一個先の水口宿でホテルを予約していました。今日のところは終わりにして、バスやタクシーでホテルに行くことはできますが……、まだ歩けそうなので一気に水口宿に行くことにしました。無理してるかしてないかで言えば、無理しております笑。

土山宿も「〇〇屋」の屋号があちこちに見られる宿場町でした。

たば古屋
ぬし屋

土山宿で気になったのが、「東海道検定」。

東海道検定事務局がここにあるらしい

街道ウォーカーのみなさんは受けたことあるんでしょうかね?

https://www.tokaido.or.jp/東海道検定
※リンクカードにならなかったので見たい方はコピぺでどうぞ

合格すると「東海道マイスター」の称号をもらえるんだとか! うーん、資格マニアだった頃の血が疼くかもしれない。全部歩いたら受けてみようかな。

本陣跡
今回最初で最後の天皇休憩スポット

陽が傾いてきましたが日没までに到着したい……ということで、水口宿までは現東海道(国道1号線)メインでぐんぐん道なりに歩きます。

リサイクル工場に居抜きしたガソリンスタンド
荒廃して自然に還る途中のガソリンスタンド
ちょっと不思議なお墓群
さすがお茶の名産地
ずらっと茶畑

とにかく睡魔との闘いでした! だって夜行バスの次の日なのだから!! そりゃそう!!!

時折視界がぐにゃぁ……として、なんとか取り戻して、の繰り返しです。よかった、どこかで寝落ちしないで。

水口宿の入口
寝ながら撮った。ここからも長い。
まだあるのか、坂
忍者たちが独自に納めていた甲賀を
秀吉が統治したときの城らしい
久々に聞く踏切の音
関宿から鉄道とは離れてしまっていたから
急に文明が帰ってきた感じする
晩御飯はショッピングモール
これもまた文明

眠すぎる、noteは明日書きますといって今日に至ります。


歩いた結果まとめ

距離は30キロ
※ちょっと測れていなかったので本当はもう少し多い
宿場は3つ分

今回はたった1日でしたが宿場町3つ分進みました! そして残るはあと4つ……。次回が最終回になってしまうのでは? 寂しい。

ここに来るまでいくつか峠越えをしてきたけど、峠越えかつ、ここまでの長距離を歩いたのって初めてかも。過去の記録を辿ると……

・箱根峠の日…1日目10キロ、2日目21キロ
・薩埵峠の日…12キロ
・宇津ノ谷峠の日…23キロ
・鈴鹿峠(今日)…30キロ

ほら〜やっぱり! しかも今回は夜行バス明けというデバフが掛かってますからね!!

歳とるにつれて、筋力が落ちているはずなのに歩けるようになっているの、本当に謎すぎます。慣れか?

この調子で31歳になる2025年のうちには東海道踏破できるかな? 終わりたくない気持ちが強いので、大阪まで(五十七次)行くかもしれません。

東海道ラストイヤー(?)、今年もどうぞよろしくお願いします。

東海道歩き旅 シーズン8  おわり

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ぼっちのazumiさん | ライター
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