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【旅エッセイ90】コトノハなごや
「コトノハなごや」というイベントの存在を今日、知った。
名古屋の5枚の写真からひとつ選び、連想する掌編小説を投稿する、という企画らしい。
言葉や文章には力があると私は思っている。
SNSが発達して誰かの撮った素晴らしい写真がたくさん見られるようになり、インターネットが発達して何億円も掛けた超大作映画が、どこにいても手軽に観られるようになった。
写真は最高の一瞬を切り取って永遠に残すことができるし、
映画はCGと撮影技術の発達で、誰も観たことのない世界を造れる。
ではこんな時代にわざわざ手間をかけて文章を書き、時間を掛けて読む意味がどこにあるのか。
それは情景を「想像」させてくれることだと思う。
視覚や聴覚、外部からの影響を通じて見知らぬ世界を知るのではなく、自分の頭の中にある想像力が呼び起こされて、知らない世界が内側から生まれて来る。
想像力から沸き上がる「知らない世界」を通じて人は泣いたり笑ったり、怒ったり、怯えたり、感動をする。
私が文章を書いたり、読んだりするのが好きなのは、想像させて欲しいから。知らない誰かがどんな人生を生きて、何に怒って、何を悲しんで、何を楽しいと感じているのか。
自分ひとりの人生は、当たり前だけど自分ひとり分しか体験できない。
でも、誰かの人生にある喜怒哀楽を想像できれば私も体験した気になれる。
だから体験を通じて書かれたエッセイや、
飾らない言葉で書かれた私小説のような作品が好きだ。
色々な土地を巡って旅をしていた時も、どんな人が暮らしているのだろうとか、ここで生活していたら何を考えるようになるのだろうとか、そんなことを考えていた。
今回の写真は名古屋駅ちかくで撮った、奇妙なかたちのタワー。モード学園スパイラルタワーズという名らしい。面白い形だ、と思って写真を撮った。もし、毎日このタワーを観ていたら何を想うのだろう。奇妙だとか面白い形だとか、思わなくなるのだろうか。それとも毎日興味深く眺めていられるだろうか。
名古屋で生活している人が、名古屋の一瞬を切り取った写真を基にどんな作品を書きあげるのかはとても興味があるので、結果を楽しみに待つ。
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