【リラックスできない山頂(山エッセイ)】
神奈川県山北町にある大野山は標高700メートル程度の気軽に登れる山。林道歩きの部分が多く子供連れやハイキング初心者も多く訪れる。私も山登りを始めたばかりの時に登った。
初めて登った時、ずいぶんキレイに富士山が見えた。まだ山登りに慣れていないせいで一時間足らずの登山道でヘトヘトに疲れた。
大野山の山頂は広い芝生なのでシートを敷いて寝転がっている人もいた。ずいぶんとリラックスして気持ちよさそうに見えた。「次に来る時はシートを持って山頂で寝よう」と思った。
それから二年越しに訪れた時に、mont-bellのテントシートを持っていった。天気も上々。これは寝たら気持ち良いだろうな。
と、思って芝生をよく眺めると黒くてコロコロしたものが無数に転がっている。
山登り初心者に毛が生えた程度の経験値に過ぎないとはいえ何度も山に登っているので見慣れている。鹿のフンだ。至るところに転がっている。
寝転がっている人たちは気にしていないのか気付いていないのか。見てしまったらもうリラックスはできなかった。立ち尽くしたまま景色を眺めるしかできなかった。
まあ、でも、景色はキレイだった。
また新しい山に登ります。