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悟りなければ永久に闇

人の心の魯鈍にして傲慢なる、あきれはてたる次第なり。同一の愚をくり返してあかず、しくじれど悔むのみで悟らず、三つ子の癖を百まで持ち越している者のみ。これ、真に省みるということを知らない世の中ゆえなり。省みざれば悟りなし、悟りなければ永久に闇なり。

真にすなおに、わが非を非とし、わが過を過とすべし。この度量と内省力のなき人は、いかほど賢(さかし)げな顔をしていてもダメなり。

同一の肉体を有志し、同一の平面上に住するかぎり、われわれはあく迄も人間にして神にあらず。とくに、他に誇るだけのどれだけの知恵が有り、力がろう。わずかなる吾を誇示して、もって、われの優強を知らしめんとすることの子供げていることよ。

永久を知らざれば現在を知るあたわず、世を解せずして吾を解するを得んや。現在をもって永久を律し、吾をもって他人を視るの愚をやめよ。

あくまで謙遜に、あくまで従順に、事ごとに試み、事ごとに省みるべし。悪いと悟ったならば、勇敢にこれを改むべし。

道をさがすは省なり、道を得るは悟なり、道を往くは改なり。本能の命ずるままに道を往くは獣なり。克己また克己、努力また努力、日を新たにして、また日々に新たなる道を往くは人なり。

『信仰覚書』 出口日出麿著

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