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人の言うことも聞いて

 人間というものは、いつも、人と人との関係に立って、自分というものをみる一面が、必要ではないでしょうか。人間という言葉にも、その意味が含まれています。それで、自分の気持ちに少しもやましいものはない、と信じることは大切でしょうが、それだけではいけないことがありましょう。

 自分は少しもやましいことなく行なっていることが、それを受ける側がそうは受けとってくれない場合は、一方的に自分の立場だけを固執しないで、やはり広く考え直してみるだけの度量をもつことが大切でしょう。気持ちが純粋であるということは大切ですが、それだけでは他人のめいわくなることも、この世にはあることに気づいて、広く人の批判を受け容れていく心の豊かさが必要だとおもいます。

 そうばかりも言っておられないことも、もちろんありましょうが、たいていは、こころの狭さから、きおい立っていることが多いとみてさしつかえないでしょう。世には、心の狭さを人間の純粋性と思い違いしていることもあるようです。

 わたくしたちの人間関係では、第一印象ほど大切なものはありません。後の印象ももちろん大切ですが、第一印象で、心が結ばれるか結ばれないかは、ほとんどきまっていくことが多いからです。

『寸葉集』 出口直日著

これまでのお示し

日常行為と実行の心得
https://note.com/azumanohikari/n/nc723a1892b67

生活環境の心得
https://note.com/azumanohikari/n/nb2179fb82dda

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