歴史が繰り返すわけ
最初の型を繰り返す傾向は一切のものにある。たとえば、鳥獣は一度通った道を、以後はからなず通過する傾向があり、人間一生の霊肉発達の経路もまた、その先祖(あるいは守護神)の型にならうものである。草木虫魚みな然りで、この意味からいって、この世の一切は繰り返しているのである。実に歴史は繰り返すのである。
しかし、かならずしも前の型どおりそのままに踏襲するのではない。分かり簡略な図形でいえば、
螺旋状により、大きくも、また、より小さくもなるのである。すなわち、急激には決して変形してしまうものではなくして、きわめて徐々として形を変えてゆくものである。この螺旋状の、より増大してゆくのを進歩といい、より減少してゆく時を退歩というのである。
まえの型を繰り返しつつあるから、徐々と変わってゆくようであるが、これは努力ひとつ、状況次第で、短時間(現界的の)にも非常に多くの変転をして、したがって、非常にすばらしい変形をなし得るものである。また、これと反対に、長時間(現界的)同一状態にある場合もある。
出口日出麿著、『信仰覚書』第六巻、歴史が繰り返すわけ
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