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【人生ノート326】やってはしくじり、しくじりてはまた考え直すというふうに、自分で苦しみぬいた揚句に、世の中を悟った人はほんとうだ。
苦しみぬいて悟る
自分の目から、あんなことをさしておいては悪いと思う時でも、先方がひたすらその方に心が向いていて、少々意見したくらいのことでは、馬の耳に風ほどにも思っていないというような時には、しばらく黙ってその人の思う通りにさしておくより仕方がない。
やがて二進も三進もゆかなくなると、はじめて目がさめてなるほどと悟ってくるものである。
誰もしたいしたいと思っていることを、せずに止めるということは、なんとなしに残念に思うものであるから、思う通りに一応やらしてみて、心から悟る時を待つより仕方がない。
何やかやをやってはしくじり、しくじりてはまた考え直すというふうに、自分で苦しみぬいた揚句に、世の中を悟った人はほんとうだ。
ただ、その人の性来によって、小さいことから直ぐ悟りに入る人と、目にもの見て始めてギャフンとまいる人との差異があるだけだ。
『信仰覚書』第八巻 出口日出麿著