不器用さと審美眼 その1


 毎回記すように、レペゼン福島なのだけど、
それは好きなお店が多いというのが大きな理由の一つだ。
 
店は人であると考えている。
 
お店の人に育てて貰っているという意識は少なからずもある
{お店の方は僕に教えてやっているなんて毛頭もおもっていないのは承知しています}
 
ただ、そこでのセンスやものの考え方には大いに影響を受けてきたのは間違いない。
 
昔、飲食業に携わってきたときの話をしよう。
 
厨房は飲食に携わる者にとって聖域というのは、当たり前の話なのだが、
よく侵入してくる人がいた。
 
僕の考えでは、
例えば医者の知り合いがいたとして、その病院のオペ室に僕が入っていたらどうおもうだろうか?
 
「ほ、ほら!ブラックジャック全巻読んでるしOK」とはならないだろう。
 
君の働いている工場に僕がいたら?
受付嬢が僕だったら?
買い物してカード決済の時に、同じように目をそらしていたら?
 
だのになぜか、こと飲食店となると聖域にズカズカ入ってくる常連さんがいた。
いやこれが一定数いるんだ。マジで。
 
閉店中という看板を目の前にだし鍵を閉めても、ガチャガチャと入ってこようとする。
昔、すべてを終え、看板をクローズにして電気も消して
椅子にうなだれていたら
アメリカのSWATのようにスマホのフラッシュ機能を駆使して暗がりの中を照らされて
見つかった犯人のようになったことがあった。
 
または、よくルパンのOPで暗闇からパンッとライトを当てられてそのライトに照らされながら走るシーンのような感じで照らされて。
「まだいける?」と聴かれたときは言葉が出なかった。
 
常連=わがままを訊いてくれるあなたの親愛なるママではないのだ。
 
いや仮に友人でもなんでも、礼節は必要なんだなと強く思った。
 
そこにリスペクトが存在していないから出来るし、裏を返せば、これは僕らお店側の責任でもあると当時頭をかかえていたものだった。
 
それを伝えたとしても、注意を受けたショックで来なくなるか、自分よりも上の人に注意されたことをチクってしまう人ばかりだった。
 
そしてこれは社会人になってもよくある現象というのは大人になってから知った。

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