【第17回中医学研修講座 基礎の部】に参加して #1/1
こんにちは。鍼灸専門 一齊堂の東豪です。
本日、東方医療振興財団が主催する【中医学研修講座 基礎の部】のオンライン講座に参加しました。
内容は、弁証論治の大綱である【八綱弁証】と【気血津液弁証】について今森先生の講義を拝聴致しました。
基礎の概念をキチンと整理・分類しておくことは重要ですし、何よりすばらしく分かりやすかったです(*‘ω‘ *)
1.八綱弁証
●表裏(疾病の部位)
半表半裏については、東洋医学独特な概念で所説ありますが、一般的に説明するにはわかりやすい表現化と思いました。
●寒熱(疾病の性質)
「〇〇を示唆させる症状」という表現がニクイ(。-`ω-)
東洋医学のニュアンスをうまく伝えるための良い表現と思いました。
●虚実(正気と邪気の力関係など)
東洋医学らしさが来ましたね〜
東洋医学では、同じ用語に異なる意味が含まれているケースが少なくありません。「虚実(きょじつ)」はその中でも、最たるものの一つに数えられます。
本来的な虚実の意味は、邪気と正気の戦いの優勢劣勢を表現したものなんだろうと思います。
古くは、「太過(たいか)・不及(ふきゅう)」といった「季節の早回りと遅回り」や「陽気陰気の多寡(たか)」をあらわす用語の概念がありました。
そして、後に「虚実」の概念と重なったようで、「虚=少ない・弱い」「実=多い・強い」の様な解釈へと繋がり、意味の混交が生じたのではないかと感じています(スゴく個人的に)。
◎虚実のおまけ篇
一歩、踏み込もうかな〜(´・ω・`)
「太過(たいか)・不及(ふきゅう)」の持つ「季節の早回りと遅回り」の意味合いを鑑みてみると、今森先生の仰っしゃる臓腑の虚実の意味合いには、まさに機能低下や機能亢進という表現が似合っていて、とても良いと思いました。
しかしながら、臓腑の虚実についてはもう一つ考えなければならない要素があります。
それが、桜英『医学綱目』(1380)に記された「虚盛」という表現にあります。
臓腑の機能を下支えする循環物。すなわち「気血営衛」の循環量の多少(虚盛)によって、臓腑の本質的な偏り(偏頗)を判断するというものです。
この臓腑における機能面の虚実と循環物による虚実の意味合いの違いについては、、、また今度(長くなる)。
大事なことは【何を、どのような視点から見て、何を判断したいのか】ということだと思います。すなわち、自分の視座を適宜選択し、カラダの状態を的確に判断できるということが、重要なことなんだということです。
東洋医学の言いたいことは。
●陰陽(上記を概括した疾病の類型)
意味含有量という言葉があるとするならば、「陰陽」という言葉は、「気」という言葉に次いで、最多候補に入るであろう包摂用語と思います。
八綱弁証における「陰陽」の立ち位置について、今森先生の見解の中で印象的だった一文です。
すべてを包摂できてしまう意味含有量の多い用語なので、謂うなればすべての状態に関与する。だから、平時の病態では「どこからどこが陰なのか陽なのか」、マーブルになっていて非常に分けがたいことがある。
一方で、「ここからが陰で、ここからが陽と分けられる」状態というのは、謂うなれば極端にアンバランスの場合において、はじめてハッキリ「陰陽」を認識することができる。そのため、臨床的に意味を持つといいます。
一歩、陰陽の理解が進みました。
〇続く