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共働き夫婦の綱渡り - 海外出張とコロナ感染で見直すバランス -
数年ぶりの海外出張に挑むことになった私。
自分から手を挙げた仕事とはいえ、まだ手のかかる長男小1と次男3歳を置いて一週間も留守にするのは忍びない。夫の家事育児力は信頼しているけれど、そもそも仕事しながらワンオペはキツイ。おまけに毎日の散歩が欠かせない、可愛いけど悪戯っ子なワンコもいる。
一番最悪なのは、誰かしら(特に夫)がインフルエンザや新型コロナウイルスなどに感染し、日常オペレーションが崩壊すること。病児保育は契約してるし、ギリギリ頼れる圏内に住む実母にも万が一のサポートをお願いしてはいるものの、何も起きないことを祈るしかない。
そんな心配事てんこ盛り中、出発の一週間前にまさかの事態発生。
なんと、私が新型コロナウイルスに感染するという大失態。
お前がかよ!今かよ!総ツッコミ。ザ・最悪な事態を自分が招いてしまった。
コロナ感染 - 発症から検査まで -
発症日は朝から体調が悪く、夕方には微熱が高熱となり、何かにやられたことを確信。身体の痛みは前日のキャンプのせいではなかった。
寝込んでいる私を見て、心配したこどもたちが絵本を読んでくれた。長男が選んだのは『おばけのてんぷら』、次男が選んだのは『Where’s Spot?』という仕掛け絵本。二人の優しさが心に染みる。
翌日。頭痛がひどく起き上がれず、食欲もない。体温は平熱よりやや高め。子どもたちの朝の支度と送迎は夫にお願いして、どうにかしてPCを開いて会社に休暇連絡を入れる。そして寝る。頭が痛すぎて眠りにつくのも一苦労。
行きつけのクリニックからは、発熱から24時間経ったほうが検査結果が正確に出ると以前から聞いていたので、午後の発熱外来を予約して向かった。クリニックまでの徒歩5分の道のりで息が上がり、頭がぐらんぐらんする。診察での受け答えも最低限喋るだけで疲れる。
コロナかインフルかが分かる検査(鼻に細い棒を入れるやつ、今回は奇跡的に痛くなかった)をしてもらった。ボーッとしてると突然宣告される結果。
「…コロナだねぇ(苦笑)」
まじかあああ(あたま真っ白)。
その後は安静にすべき期間の話や薬の話。3割負担で1.5万円するが、薬を飲めば感染力が高い期間を短縮する効果が期待できるとのことだったので、お金で解決することにした。自分が持ち込んだ菌、なんとしても家族への感染は防がねばならぬ。
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盛大に禿げているマニキュアが余裕のなさを物語る。
2週間のワンオペが確定した夫と、至らなさを自覚した私
「お母さんが罹っちゃうとねぇ…これを機に旦那さんに家事とか育児してもらってね」と先生が悪気なくニコニコ話かけてくる。
いや先生、私が1週間の海外出張に行こうとしてるくらいなのでうちの夫の家事育児レベルは心配御無用なのです。もうだいぶ時代が変わってますから、すべての男性が家事育児しないと決めつけて話すの辞めた方がいいですよ。と言い返したい気持ち満々なのだけど、いかんせん頭痛が酷くて喋れない。夫よすまぬ、次回何らかの診察に行った時に汚名挽回しておく。
その夫に検査結果の連絡と謝罪のLINEを入れると「俺の2週間の在宅勤務が決まった。笑」と返事がきた。笑えるんかい。本来であれば在宅勤務の上限が決まっているのだけど、育児中につき特別に制限を解除してもらっている夫。職場では毎日出社している人が多い中で、普段からマイノリティを突っ走ってくれているのですが、それに拍車をかける事態。
私もやってるんだから相手もやってくれて当然。
そんな意識が芽生えていたことに気づき恥ずかしくなった。
共働き生活ももう7年。お互い少しずつ仕事が変わったり、子どもの環境が変化したりで、オペレーションは常に試行錯誤しているけれど、私が夕方早めに切り上げてお迎えから夕飯まで一人でカバーすることがほとんど。異動も昇格もした今年度は特に仕事を頑張りたい気持ちが強く、自分のほうが家事育児の負担が大きいのではとふつふつ不満を抱えつつ、じゃあどうしたいのかを提案できずにいた。
でも、どっちのほうがやってるかとか、そういう問題じゃないんだよな。
仕事内容や職場環境の違い、個人の得意不得意や好き嫌いを鑑みて、お互いがある程度納得のいく、家族にとって負担の少ないオペレーションを常に探っていけばよいわけで、分担を変える以外に、何かを辞めるという選択肢もあるのかもしれない。家庭のことを一人で抱えてモヤモヤしてた自分が情けないし、世間と比較してどうこうではなく、我が家のオペレーションを二人三脚で担ってくれている夫にもっと素直に感謝できるようになりたいと思った。
共働き夫婦 - 持ちつ持たれつ、柔軟にバランスを取る -
家に戻るなり隔離生活を送る私。すなわち夫はほぼ完全ワンオペになる。出張で予定していた1週間に、さらに1週間プラスされる形で(しかも予告なく突然に)。本当に頭が上がらない。そんな中でも文句や悪口ひとつ言わずポカリやゼリーの買い出しに行き、こどもたちが描いた絵の報告をしてくれる夫。
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無事に回復して出張に行けたとしたら、2月前半は夫はワンオペでヘトヘトになっているはず。「2月後半は思う存分、仕事してくれ」と夫にLINEで伝えたら、「それは嫌だ」と返ってきた。あらそうですか。でも仕事に全フリしたいときは言ってね、今度は私が援護するから。とりあえずLINEギフトでファミチキを贈ってみた。
ちょっとしたスリル(綱渡り感)と、持ちつ持たれつな出来事があったほうが、共働き夫婦はうまくいくのかもしれない。
おまけ
まだ絶賛療養中のタイミングで執筆した記事です。狭い3LDKのマンション生活で家族内感染を免れることができるのか、予定通り海外出張に行けるのか。久しぶりに再開したnoteでまた続編記事を書いていけたらと思います!