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夜明けを待つ

「人生なんて、ただの暇つぶし。」

そう言ったのは、どこの誰だったろう。

人生がただの暇つぶしだと言うのなら。何故その暇つぶしの為に、こんなにも傷つかねばならないのか。

人生とは不条理だ。必死にならねば生きていけない。

なのに。

必死になればなるほど、どんどん苦しくなってくる。うまく息が、できなくなる。

そんな現実から逃げ出したくて、深夜の首都高を駆け抜けた。目的地なんて分からない。ただただ遠くへ行きたかった。

後ろへと流れゆく東京の街並み。上京した頃は輝いて見えたその景色も、今ではどこか霞んで見える。

私が抱いていた夢や希望、熱い思いは大都市の中に沈んでしまった。深く暗い、深淵の闇。失うものなど、もう何もない。

それでも。

このままじゃ終われない。落ちるところまで落ちたのだから、後は上昇するだけだ。

孤軍奮闘、獅子奮迅。

長夜の終わりを、今か今かと待ち侘びる。

いつしか空は白み、気散じな朝日が顔を覗かせていた。


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あずき
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