もしもドクターハラスメントにあったときどうする? ②2583字
第二話目となりました『もしもドクターハラスメントにあったときどうする?』ですが、既にご理解いただけておりますように、私の書くものにおいては、徹底的にプライバシーであり個人や団体が特定されることの無いよう爪先から頭のてっぺんまで配慮させて頂いております。
チョイと硬めの書き方をさせていただきますと、倫理観が機能した世界であることを前提に書かせて頂いております。私の場合はですがね。
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■さて、昨日の原稿で深く切り込まず、あえてこの第二話用に残しておいた箇所がありますのでそこからやっつけて参りたいと存じます。
※自分が受けた酷いドクハラの一部始終。可能な限り具体的にドクハラの根拠となり得るエヴィデンスをクリーニング、ブラッシュアップしましょう~と書きましたが、具体的に何についてクリーニングやブラッシュアップをすれば良いのでしょうか。以下に紹介してまいりましょう。
A.ドクターハラスメントにあったとき、最初の時点で確認すべきこと
・病院サイドのホームページのチェック
∟①法人格と経営母体と組織と委員会
公式にコンプレイン(苦情)を申し立てる際に、適切な部門、部署を知
っておくことが最も肝要です。まして、法廷闘争まで考えず、一時的
な注意喚起を促す際には、経営母体の組織の長と委員会の長にあげた
方が効果的です。苦情はお医者に対して直接言わない。これが最も大
切です。威力業務妨害及び不測の事態は排除しましょう。
※ただ、病院に電話をし、「〇〇委員会の担当者をお願いします」と
云っても概ね事務方に繋がれてしまうでしょう。
コンプレインの強度にもよりますが、書留をはじめとする郵便を使う
ことが理想的です。今は「デジタル内容証明(e-内容証明)」が出せる
ようになっていますから、昔のように郵便局に行き、局員から内容証
明郵便のチェックを受けなくても済むようになっています。
あとは、内容証明まではいかなくても、仕上げた手紙に公証人役場で
確定日付を取ったのちに郵送するということも選択肢にすることがで
きますね。配達証明付きにすると裁判で添付資料に出来たはずです。
∟②各種認証団体・加盟認証団体
①でも書いた、コンプレインの強度が強い場合は各種認証団体や加盟
団体、そして国の所管団体への内容証明郵便も選択肢となるでしょ
う。特に裁判などを見越している場合、内容証明郵便は証拠書類とし
て添付できますから、可能な限り調べておきたいところです。ここは
意外に盲点なのですがね。
∟③病院の理念と基本方針
さて、とても大切なところです。大病院の場合、顧問弁護士などに依
頼して仕上げるテキストがこの「病院の理念と基本方針」と④の「患
者の権利と責務」になります。従いまして、それだけセンシティブな
個所であり言い替えるなら、ドクターハラスメントや診療ミスのなど
が起きた場合のウィークポイントともなる場所なのです。
※重要・ご自身が受けたドクターハラスメントがどれに抵触するか、
どの条項と非合理性をみせているか、ここは客観的な視点が大切にな
ります。当然、内容証明を作成したり、法廷闘争の場では「争う・争
わない」を分ける場ともなってくるのです。
∟④患者の権利と責務
ここで大切になるのは責務です。
病院から注意を受けた事実があったり、病院のルールを逸脱し、注意
を受けたりしたことはないか、暴言をや暴力、そしてつい頭に来て、
椅子を蹴飛ばしたり、机の上の書類を手で散らかしたり、壁に向かっ
てものを投げたりしてはいないか。
SNSなどに個人情報や個人が特定できる情報を挙げていないか。罵詈
雑言・誹謗中傷を挙げていないか______これらの事実関係はとても大
切になります。日頃から、そういう直情傾向がある方は絶対に抑え込
んでおきましょう。
それでなお、患者さんの権利が阻害された時は正々堂々とコンプレイ
ンの声を挙げるべきなのです。
B.内容証明郵便に関する留意点
・生兵法は怪我の元
∟①内容証明郵便の作成が可能な士業
一般的に、弁護士、行政書士、司法書士の三士業が内容証明郵便を作成受
託することが出来ると定められています。弁護士であれば、弁護士法、行
政書士であれば行政書士法、司法書士であれば司法書士法でそれぞれ、内
容証明郵便に職名と事務所名を書くことが義務付けられています。
勿論ご自分で書き、ご自分名で出すことにはなんら問題ありません。要は
無資格者がそれを生業とすることが問題なわけですね。
∟②素人が内容証明を書く際にやりがちなミス。
これは実際簡単なミスなのですが、素人の場合、刑事訴訟法上の責任追及
事案であるのか、民事訴訟法上の賠償責任追及事案であるのかの判断がつ
きにくくごっちゃになるケースが多いのです。ですから、生兵法は怪我の
元とならぬよう、はじめから「士業」の皆さんにお願いすることが賢明と
云えるかもしれないのですが…… 。
ひとつだけ参考にしていただけることは「事実のみ」にフォーカスするの
であれば、ご自分で書けますよね。起きた事実。起きたハラスメント。そ
れによって被った自分の実害。これなら、いつ、どこで、誰が、何を、ど
うしたか~でまとめることが出来るでしょう。
※最後に一言書き加えれば良いのです。
「よって本件については、これ以降当方の弁護士を通じ然るべき法的手段
に移ります」と。
ちなみにの話しですが、私は弁護士さんに一任することにしています
が、内容証明三通(自治体・病院・医師)は、全文自分で作成することとし
ており、その旨弁護士さんに伝えてあります。
弁護士さんからは"解かりました"という言葉だけで終わっています(笑)
素人がやってはいけないことは「賠償に触れること」「刑事訴訟法」に
触れること。これだけは絶対に避けなければなりません。あとは恐喝文に
ならないようにすることは当然ですね。こういうものを書いているとつい
つい強い言葉を選びがちになるので注意したいところです。
どの道、受け取る側も内容証明郵便は「始まりの合図」程度にしか読ま
ず、事実に対する「争う」方向の確認資料として読むのが一般的。そうい
う意味では、私は弁護士さんに無駄な時間を使わせたくないという思いが
強いので自分で書くことにしているのですが。
③につづく
お・ま・け 超短編小説~
今から22年前の〇〇地方裁判所のとある調停室の一コマ。
とある民事訴訟が調停案兼となり、調停委員、弁護士と私が一つの部屋に入ったのだが…… そこで私が折衷案を提案した際、原告側弁護士が激昂し、その場に似付かわしくない言葉を吐いた。あり得ない雑言だった。
「調停委員さん、申し訳ありませんが、これでは調停にならないでしょう。どうでしょうか、"不調"ということでまた後日にしませんか」と云いながら私は椅子から腰を浮かせた。
すると調停委員が一言。
「○○先生、こちら弁がたつのでどうか冷静に」とやった。
わたしは、道を間違えたかと苦笑しながら調停委員の顔を見た。
弁護士は裁判記録を畳んだり並べたり揃えたり……
調停委員は弁護士を冷めた目で眺めていた。
小説です。。。
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