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-Iberis-義足のバレエダンサー

 イベリス

真っ赤なトウシューズ
ひるがえる 純白のベール

立ち上がれないほど
オドリタイ
声が枯れるほど
ウタイタイ

この足かせを ほどいて
逃げないから ここにいるから

手を取って 差し出して
教えて 自由を

恐いの 触れられるのが 

道を照らして 
迷わないように 

そうすれば
歩けるから 一人で

踊りたい 激しく 美しく
どこまでも 真っ直ぐな瞳で 

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いべ

どんなに辛いだろう

言葉で支えることしかできない
自分がもどかしい

痛みを半分でも分かち合えたらいいのに

あの娘の願いを叶えてあげたい
もう一度夢を見させてあげたい

何が出来るだろう
僕に・・・


時間を惜しむことなく
何度も病室を訪ねた
あの娘の笑顔を見ることが叶わなくとも

初めて地を踏みしめた瞬間
涙が止まらなかった

足を軋ませながら
一歩ずつ歩いていく

苦痛の表情で笑う
その細い体を抱きしめた

木漏れ日がさす病室で
プラチナの指輪を差し出す

私にはあなたを幸せに出来ないと
栗色の巻き毛を振り乱し
激しく泣きじゃくる

それでもいい・・・
君を側で見ていたい 

震える白い手はシーツを握り締め
彼女は深くうなずいた


晴れ渡った青い空

純白の衣装と祝福の花びらをまとい
二人は歓喜の中を歩く

大粒の涙を流す彼女は
ゆっくり慎重に踊り始めた

軋む足はステップを踏み
ドレスは弧を描きふわりと広がる

きらきらと眩いその姿を
皆が愛おしげに見つめていた

よろめき倒れかけた彼女を支え
声を掛ける

"綺麗だったよ”と

頬をピンク色に染め嬉しそうに
ありがとうと微笑む

きつく抱きよせると
苦しいと言いながら笑っていた

空から振る花びらの嵐は
美しく舞い
とても暖かだった


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-亜珠チアキ-

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