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なぜスポーツで社会課題?「スポーツに居場所がないのは誰?」
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味玉さん:前回はスポーツは人々の居場所になれるという話で、「居場所」っていわゆるどういうものなのか聞いたけど、実際スポーツでそれをどうやって作るの?
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アヤ:まずは、スポーツや運動の空間が誰にとっても開かれていて、安心、安全な場所である必要がありますよね。残念ながら日本の運動・スポーツの現場は誰にでも開かれている空間にはなっていないんです。
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味玉さん:ん?どういうこと?あんまりそんな風に感じないけどな。。。
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アヤ:例えば、先日の話ですが、「障がいのある人もウチのクラブは歓迎です。でも障がいのある方が来ないんです。」と言ってたんですね。
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味玉さん:ふむふむ。
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アヤ:でも、それは障がいのある人が運動やスポーツに関心がないわけじゃないですよね。まず、障がいのある人たちに情報が届いていない。届いていたとして、障がいのない人が多数を占めるクラブだと、これは自分の場所ではないなと感じさせてしまう可能性もありますよね。
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味玉さん:なるほど。
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アヤ:行きたいなと思っても、合理的な配慮はちゃんと整っているのかな?とか、なにか不都合があれば要求していいのかな?とか、要求して相手を嫌な気持ちにさせちゃうと自分にも心理的なストレスがかかっちゃうなとか、いろいろと考えてしまいます。
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味玉さん:そうだね。
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アヤ:もそもロールモデルがいないと自分自身が障がいのない人と混ざって運動できるのかな?とも思ってしまいます。
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味玉さん:言われてみると、確かに問い合わせをしてみるまでに様々なことを考えちゃうね。そのことで、運動したいっていうモチベーションが下っちゃいそう、、、
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アヤ:そうなんです。そしてこれらのいろいろなハードルは、障がいのある人が作っている問題ではないですよね。社会であり、組織であり、周囲の人々の認識から作られちゃっているハードルです。
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味玉さん:こういったハードルも踏まえて、誰もが気軽に立ち寄れる運動やスポーツの現場を整えないといけないですね。
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アヤ:そうなんです。障がいのある方だけではありません。女の子や女性、LGBTQ+当事者、外国にルーツのある方々、経済的に困窮している家庭の方々など課題は違いますが同じようにスポーツや運動に気軽にアクセスすることが難しい人たちがいます。
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味玉さん:一見、みんな平等に見えて、よく見るとそうではないんですね。
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アヤ:そうなんですよ。ダイバーシティ(多様性)とインクルージョン(包摂)の推進がスポーツの現場で必要になってきますね。
株式会社Azitama代表 野口亜弥のプロフィール
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【略歴】
米国の大学院にて 経営学修士(MBA) を取得。スウェーデンでのプロ女子サッカー選手の経験を経て現役を引退。その後、ザンビアの NGO にて半年間、スポーツを通じたジェンダー平等を現場で実践。帰国後、2015年-2018年までスポーツ庁国際課に勤務し、国際協力及び女性スポーツを担当。世界経済フォーラムが協力した国際会議「スポーツ・文化・ワールドフォーラム」の開催にも従事。2018年から順天堂大学スポーツ健康科学部に勤務。2023年から成城大学文芸学部専任講師。成城大学スポーツとジェンダー平等国際研究センター副センター長に就任。大学教員を務めながら行政や非営利団体の活動にも積極的に関わっている。2020年から現在まで、スポーツ庁委託事「ASEAN-Japan Actions on Sport: Gender Equality 事業」のプロジェクトリーダーを務め、東南アジア10カ国政府とスポーツを通じたジェンダー平等事業を推進。2020年からプライドハウス東京の理事としてスポーツを通じたLGBTQ+インクルーシブな社会づくりを目指す。2022年から2024年の3年間スポーツ関連事業を牽引。2023年4月から2024年8月までプライドハウス東京共同代表に就任。2020年2月から2024年2月まで、スポーツを通じた共生社会づくりを目指す非営利団体の創設者兼代表理事を務めた。2024年4月よりスポーツを通じた社会課題の解決をソーシャルビジネスの視点で取り組む、株式会社Azitamaを本格始動させた。
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