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タナコフスキー
2016年1月19日 12:48
賑やかな人混みのなかで、一瞬静寂が走ることがある。妖怪「依り耳」がそっと近寄り、耳を支配した瞬間に他ならない。依り耳は、取り憑いた人間の客観的な判断力を奪う。依り耳に憑かれた人間は、言葉の内容ではなく、その言葉を発した人間が誰なのかによって、物事を判断するようになる。その歴史は古い。古代ギリシアの時代に、アリストテレスが『弁論術』の中で、聴衆を説得する方法として挙げたのが以下の三要