「捨てる」ということ~相続手続きと遺品整理から終活の在り方について考える
こんにちは、水無瀬あずさです。
最近noteからやや遠のいています。私の記事を待ってくださっている方がいるのかどうなのかは定かではありませんが(いたら嬉しい)、まあ大きな理由としては
・月末につき単純に仕事が忙しい
・noteで書くネタが尽きて「書きたい」欲が低下している
・「真・女神転生Ⅴ Vengeance」をやるのに忙しい
というところ。そしてもう一つ、父の相続手続きや遺産整理などについて考えたり手配したりしていたらもう頭がいっぱいになってしまったというのもあります。
父の急逝があり、悲しみの中しめやかに営まれた葬儀、少し心も落ち着いてきた四十九日を過ぎて、私たちには父の遺してくれた財産と家、そして手つかずのまま放置されている父の遺品が残りました。大量の本と録画したDVD、散らかったままの薬や衣類などを前に、ただただ茫然と立ち尽くすしかなかった私。一体これをどうしろと。
本来このへんの手続きや作業って、今も父の家に普通に住んでいる兄がやるべきことだと思います(基本的に兄がほぼ全部相続する予定だし)。ただ、両親が過保護に育て過ぎたがゆえにアダルトチルドレンよろしく生活能力が皆無な兄なので、まあ無理だよね、仕事をしているだけマシかなとも思っていまして。仕方なく私がいろいろと動いている次第です。
しかも兄、「仕事が忙しくてなかなかヒマがない」と口癖のように言ってきやがるのですが、私だって仕事2つ抱えて育児も家事もPTAもしていて暇はないんですけどね?と論破してやりたいところです。時間は作るものであって、ヒマがないなんてただの言い訳なんだわ。
とまあ兄に対する愚痴が止まらないわけですが。今回は、ここ1ヶ月ほどの私の動きを記録として残すためのnoteです。葬儀もそうだけど、どれほど鮮明な思い出も、時間が経ってしまえばほとんどのことは忘れてしまうのが人間。こうやってnoteに残すことで、今後に向けた備忘録になるとともに、私と同じように困っている人の一助になると嬉しいです。また今は両親が元気だという方も、私の経験から「遺された人間にはこんな大変なことが待っている」という事実を知り、元気なうちにいろいろなことを話し合っておくことの大切さを知っていただきたいと思います。最後までよろしくお付き合いください。
大切なコレクションも、遺された人にとってはただのゴミ
3月に急逝した父は、非常に多趣味な人でした。報道記者として職務を全うし、定年を前に早期退職してから、大好きなラグビーの試合を観戦に行ったり、日本史を勉強して「大学に行きたい」と言い出したり、毎日二時間以上かけて新聞を読みふけって気になる記事をスクラップしたり、毎日それはそれは忙しそうでした。
そんな父の四十九日もあっさり過ぎ、残ったのは大量の遺品でした。昔に比べると減ったとはいえ本棚にぎっしりしまわれた本、趣味で集めた絵馬、スカパーで録画したラグビーの試合のDVD、映画のDVD、ファッションにもこだわっていたのでそこそこの量の衣類などなど。3LDKのうち1部屋は兄の部屋ですが、ほかの部屋には父と母のモノが大量に残っていて、葬儀の前後でメンタルはボロボロでしたが、私は途方にくれていました。少しずつ処分したとして、一体何年かかるんだろう。数年後にはおそらく母のものも処分することになって、私はそれまで頑張れるだろうかと。
あんなに綺麗に整理された本棚の本も、キレイにケースに収納されたDVDたちも、どれも私には不要のモノ。いつまでも残しておくわけにはいかず、最終的には捨てるしかないのです。生前どれほど大切にしていたモノだって、遺された人にとっては単なるゴミにしかならないんだ。そんなことをぼんやりと考えたのを覚えています。
父の死後、残された課題と解決法
父の死後、行政的な手続きは済ませたものの、マンションの登記や遺産相続、遺品整理など、やるべきことはまだまだ山積している現状。残されている課題と、当面私が見出した解決法(※まだ解決は全然していない)について振り返ります。
課題1|遺産相続手続き
実家は父の名義で購入したマンションで、すでにローンは返済済みです。そのマンションや父母が貯めた貯金、保険金などを相続するためには、しかるべき手続きが必要になります。ここで重要になるのが、遺言書です。
遺言書があればそれに沿って遺産分割されるので問題ないのですが、あまりにも突然の死だったため、当然ながら遺言書などは見当たりませんでした。ということで、必然的に遺産分割協議というものが必要になります。
ちなみに父に対する法定相続人は、配偶者である母、そして子である兄と私の三人です。
基本的に両親の資産はマンションも含めてすべて兄に相続するという話で、生前父とは話がついていました。兄はおそらくこのまま結婚しないだろうというのと、肥満なので病気になるリスクも高いだろうということで(むしろ今まだ病気じゃないのが不思議)、両親の残したお金の範囲で生きていって欲しいという私の希望です。我が家には、兄に支出できるお金は一切ないのでね。
ということで私は遺産を放棄する意志がある。そして母は認知症で、もはや私のことさえ分からない状況なので、判断できない。必然的に父の遺産は、すべて兄に相続するという方向にもっていきたいと思いました。
ただ具体的に何をやればいいのか・・・と、とりあえず調べてみたのですが、戸籍謄本等を収集して相続書類を作り、相続税を納付するということで、超絶面倒くさそう。相続税の計算方法も調べたけどよく分からないし、何よりマンションの評価額は自分では分からないから、専門家に査定してもらう必要があるのでは?などと堂々巡りです。ただでさえガッツリ仕事をしていて忙しいのに、わざわざ戸籍を取り寄せたりするのは非常に手間だし時間とお金がかかるし。もう一体何が正解なのか分からない。
って悩んでいるんだよねという話を兄にしたら、「そうだよな、考えなきゃいけないよなあ。大変だよな~」で会話が終了しましたよ。お前の相続の話なんだが!!?
課題2|田舎の土地の処分
父は三重県の多気郡という山奥(!)の出身で、以前は祖母が家に住んでいました。祖父は私が生まれる前に亡くなっています。コロナの少し前ぐらいに祖母が亡くなり、父の実家に住む人はいなくなりました。
父は実家の中を整理したうえで、売却を検討していたとのことですが、何せ田舎で過疎状態の場所なので、役所からは「売れない」と言われたそうです。仕方なく取り壊す方向で進めていたところ、コロナ禍になり父も実家に行けなくなり、そうこうしている間に病気になり亡くなってしまったというわけで。田舎の土地は、今なお宙ぶらりんの状態になっています。
これに関しては、最初に父が入院して退院したタイミングで、私が父を「家の資産状況を詳細に報告して!預金も保険も全部、どこから光熱費が引き落とされているかも全部。お父さんに万が一のことがあったら、お兄ちゃんが生きていけないよ!」と急き立て、しっかり資料としてまとめてもらっておいたのが役立ちました。当時、お金の管理は父しか把握しておらず、あのままだったら本当にヤバかった。無理にでもやってもらって本当に良かったです。
というわけで田舎の土地は、おそらく更地にして寄付するしかないのかなあと思いました。ただそれをするにしても、まず土地を相続しないといけなくて、やっぱり相続の手続きがネックになります。
解決法:行政書士さんにお任せ!
いろいろと調べて、「なんかもう難しそう」「時間も手間もお金もかかりそう」と途方に暮れたとき、ふと「お金払うから誰か代わりにやってくれないかなー・・・」と思いました。
そうだわ!誰かに頼めばいいのでは!?退職だって誰かが代行してくれる時代、こんな煩雑な手続きなんか絶対代行するところあるじゃん!!と思いました。で調べたところ、どうやら司法書士や行政書士と呼ばれる人たちが専門家だということが判明。よく聞く名前ではあるものの「何の仕事をする人たちなんだろう?」って疑問だったのですが、なるほど相続とかの手続きをしてくれる士業さんだったんですね。
ということで、名古屋の司法書士や行政書士などをGoogle検索してみたのですが、うーーーん。どこが良さそうなのか全然分からんのですよ。「スポンサー」で出てくるところは単に広告にお金を出しているだけだし、SEOで検索上位に来ているところが士業として優秀なわけではないことは、SEO記事を書いている身としてはよく分かっていることで。口コミで判断するしかないけど、うーん。と悩んでいたら、夫からナイスアドバイスが!
「Mちゃん(近くに住んでいる水無瀬の大学の後輩で現役の社労士)に聞いてみたらいいじゃん。士業つながりでいい人紹介してくれると思うよ」
夫はたまにとてもいいことを言う。たまに!アドバイスに従い、MちゃんにLINEで事情を話し、「紹介料はもちろん払うので、いいところがあったら紹介してほしい」とお願いしてみました。ちなみにMちゃんとは昨年末に近所の居酒屋で飲んで以来です。
Mちゃんからは「紹介料は要らないです、私もそういう感じで仕事を回してもらうことがあるので」とのことで、その日のうちに名古屋で信頼できる行政書士さんの事務所を紹介してもらいました。「電話の際に私の名前を出してもらえばいいです」と言ってもらえて、なんて頼もしい・・・!と感動したものです。持つべきものは、権威ある友達ですな!(大間違い)
ということで、紹介していただいた行政書士事務所へ電話し、事情を説明し、あれよあれよという間にZOOMでオンライン面談。母が認知症で遺産分割協議に参加できないところがネックだそうで、いろいろと代替案を出していただきました。紹介していただいたとおり、とても誠実で安心して任せられるので、もう全部お任せすることに決定。兄も含めての打ち合わせを行い、現在手続きに向けて動き出したところです。
ずっと「やらなきゃ・・・」ってもやもや残っていたものがようやく消化し始めた感じで、お金を払ってもこっちのほうが絶対いい気がしています。田舎の土地についても並行して進めていますが、行政書士さんから登記を調べてもらったところ「おばあさまの名義になっています」と教えてもらえたり、さすが専門家、仕事が速い!と感動しました。やっぱ餅は餅屋、ですね。
来月に一泊二日で帰省して遺品整理をする予定なので、その際に事務所へご挨拶に行ってこようと思っています。
課題3|遺品整理
遺産や相続の手続きについては見通しが立ったところで、問題はこっちですよ。実家に大量に遺されたモノを整理、もとい処分しなければいけません。冒頭で言った通り、父が大切にしていたコレクションたちはどれも、私と兄にとっては不要なゴミでしかないのです。
母はグループホームで健在なので、基本的に父のもの全般を処分します。といっても母が今後家に戻ってくることはないだろうから、母のものも使わなさそうなものは処分。
本
父の衣類全般
母の着ないであろう衣類
タンス2台
テレビ2台
ブルーレイ録画機2台
ノートパソコン2台
使わないフトン
パソコンラック
使わない食器
使わない台所用品
物干し台1セット
割と山積みです。我が家のモノが多いことは知っていたけど、こう見ると本当にモノにあふれていたんだなあと実感します。
そういえば、葬儀が終わってから遺品の整理をしていたときに思ったのが、父はどうやら「捨てられない人」だったんだなあということ。「これ絶対もういらないやろ!」と思われるようなアイテムが全部まるまる残されていて意外でした。昔は決断力の早い人だと思っていたけど、ずいぶんと優柔不断な性格だったんだなあ。まあそういうものも含めて、私は躊躇なくガツガツ捨てられるタイプなんですけどね。直感のみで生きているタイプです。
解決法:業者に回収してもらう!
大量の遺品の中には、おそらくお宝らしきものもあるに違いない。私がもし実家の近くに住んでいて時間があるならば、遺品を一つ一つ確認して売れそうならメルカリで売って、みたいなこともできるのでしょうが。あいにく時間がない、絶対的に。これはもうまとめてなんとかするしかないと思いました。
こうなってくるともはや完全に他力本願思考です。お金を払って誰かに何とかしてもらおう!ということで、目星をつけたのは「古書買取」と「不用品回収」。本は写真集とかはそれなりに高く売れそうだと思ったのと、あとに残ったものはもう全部まとめて引き取ってもらおうってスンポーです。
母の着物とブランドバッグがいくつかあったみたいだから、それは私が引き取って売ろうかなあ。まだ未定だけど。
ということで来月、帰省計画を立てました。帰省に合わせて業者に来てもらい、立会いのもとで引き取ってもらう計画です。
愚痴:兄、お前がやらんかい
冒頭でもさんざん愚痴りましたが、父の遺品だらけの家、兄が今も普通に住んでいるんですよね。なのになぜ、私が帰省したタイミングでしか作業ができないのか。土日は仕事が休みなんだから、その時に少しずつ進めればいいんじゃないのか。だいたい私は何一つ相続もしないので、この作業に何も得がないのだが。なぜなのか嗚呼なぜなのか。
と少し前に頭に来たので、兄にLINEで「ていうか私がいろいろ手配とかしてるけど、そこはお兄ちゃんの家なんだから自分でやればいいと思うんだ。今の私の作業全部止めるから、お兄ちゃんがあとは自分でやってみたら?」と聞いてみました。するとですね、「仕事が忙しくて任せっきりですまんね。手伝えることあれば言って」という驚きの返事が来ました。
あれですね。子どもが生まれたばかりの時に、パパが「手伝おうか」ってママに言ってママがブチギレるやつを思い出しました。お前も当事者なのに「手伝う」ってなんじゃボケエエエエ!っていうやつ。我が家の夫は育児にも協力的だったので、あまりそういうの感じませんでしたが、今になってその怒りが理解できました。
まあ基本的にうちの兄は言われたことしかできません。葬儀が終わって横浜に戻る前に、「埃がすごいから毎週換気をしてね(掃除もセットという認識)」と言ったら、本当に換気だけしていたようで、四十九日に言ったら部屋が埃まみれでした。そこらへんに埃が舞っているのになぜ気が付かないのか不思議です。いくら夜しかいないとはいえ、ないわーありえないわーと思いました。申し訳ないけど私、ここには泊まりたくない。次回の帰省はホテルを予約しました。
なのでね、実は手続きを私がすることになるのは半分諦めていました。ただ腹が立つだけ!!父が残した最後の後始末として、これだけはきっちり済ませたいと思います。終わったらもう知らん。
「終活」と「遺言」の重要性を痛感
今回相続に関しては全部行政書士さんにお任せする形になりましたが、ネックになっているのが認知症の母。判断能力がないので協議が出来ず、すべての手続きがここでストップしており、現在「後見人」というのを付けるべく動いている状態です。
私も人生の折り返し地点を過ぎた時期で、遠い未来の話でもありません。来たるべき「死」に備え、子どもたちに面倒な負債を遺さない形で、ちゃんと終活を考えなければいけないと強く感じました。私のように、子どもたちが遺品整理で大量の「ゴミ」を処分することがないように。
葬儀を終えて横浜へ帰ってきて、私がまずやったのは自分のアルバムの処分でした。結婚した時に実家から10冊以上のぶ厚いアルバムを持ってきていて、置き場所に困って子どもたちのベッド下に放置していたのです。「この先おそらく見ることはないだろう」と思い、最初の1冊だけを残して全部捨てました。こういうのは勢いが大事!
また今回もし父が遺言を残していて「すべての資産を兄に相続する」って書かれていたら、手続きがもっといろいろスムーズだったんだはずなんですよね。まああまりにも急だったので、父も自分が死ぬなんて思いもよらなかったとは思いますが。なので、それなりに資産を持っていて法定相続人が多い人なんかは、元気なうちに遺言書を準備しておくことも大切だなあと実感した次第です。
結び|親が元気なうちに相続や遺言について話し合おう
ここ一ヶ月で考えたりやったことなどを全部書き出してみましたが、なかなか私、一人で結構頑張ったんじゃなかろうか。誰も褒めてくれないから自画自賛してみましたが、ようやくいろいろなことが動き始めたので、可能であれば年内に決着をつけてしまいたいところです。頑張れ行政書士さん!
親の死後についてとか、遺品の扱いとか、親が元気なうちはなかなか話しにくいものだと思います。実際私もそうで、話さなきゃなと思いつつかなり遠巻きにしか言えず、父の病気があって慌てて問いただした経緯があります。ただ自分の経験として、聞きにくい、言いにくいからと後回しにしていると、いざそうなったときに非常に大変で、やるべきことも多ければ考えることも多くなり、ひどく後悔すると思います。遺された人に全部がのしかかってくるのですよ。
そう考えると、これはもう親が元気なうちにしっかりと話し合っておくべきだと強く感じました。相続の話、遺産の話、お墓の話、遺品の話、遺言を残すかどうかなど。明るくない話題ばかりではありますが、決して後ろ向きな気持ちではなく、未来に向けて必要な話し合いとして、ぜひ皆さん今から取り組んでいただければ幸いです。
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