ポケモンアニメから「ふるさと」とふるさと納税について考える
こんにちは、OgAzです。パルデア地方の冒険、真っ盛りですよ!(※主に道に迷って目的地に着けない)
年末も近づいてきたこの時期、我が家は毎年「ふるさと納税、今年は何にする?」という話題で持ちきりになります。大みそかに食べるためです。カニは必須で、あとは豚肉が鉄板。昨年からは私も夫とは別で注文するようになり、今年はホタテと干物を頼みました。食べ物ばっかりとか言わない。
でも考えてみれば不思議ですよね、「ふるさと納税」と言っても寄付している地方自治体は全然ふるさとじゃないっていう矛盾。じゃあ私のふるさとってどこだろう?とふと考えましたが、子どもの頃は引越しばかりだったので「ふるさと」と呼べるところがないことを思い出しました。これ、「幼馴染がいない」とともに、若いときは結構コンプレックスだったんですよね。ふるさとって、個人のアイデンティティを決定する大きな要素なのです。当たり前のものすぎてみんな気づかないんんだけど。
ということで今日は「ふるさと」をテーマに考えてみたいと思いました。皆さんも、自らのふるさとを思い浮かべながら読んでみてくださいね。
サトシのふるさと「マサラタウン」
先日のポケモンアニメで、サトシが25年を経てようやくチャンピオンになったことがニュースでも盛り上がりました。
いやあ感慨深い。初代無印の頃からピカチュウ好きの身としては感動もひとしおであります。しかも最後を決めたのがピカチュウっていうのがもう神がかっているとしか言えないですね。ピカチュウは神。
世界でもっとも有名なネズミといえばネズミーランドの人ですが、いやピカチュウのが全然愛らしいじゃんと強く強く主張したい私です。歴史がちょっと浅いだけだ!
ピカチュウの素晴らしさはさておき、サトシくんはアニメ開始からずっと自己紹介の時必ず「マサラタウンのサトシ!」と名乗っているのです。生まれ育った出身地、まさにふるさとが「マサラタウン」なんですよね。マサラタウンには初期に冒険に出かけたポケモンや仲間たち、そしてママ「ハナコ」(!)とオーキド博士がいつも見守ってくれています(サトシのパパは一体どこに行ったんだろうかというのがいつも疑問)。そんなふるさとへの愛着が、自己紹介の「マサラタウンのサトシだ!」に溢れているのです。
ちなみにマサラタウンについて調べていたら、pixiv百科事典が実に面白かったのでご紹介しておきます。
「ポケモンの世界にもいろいろあるのね・・・」と思いました。
「ふるさと」ってなに?
サトシくんの自己紹介でも分かるように、ふるさとというのは個人の性格や特性を決定するアイデンティティの一部だと思うのです。大阪出身の人はユニークな性格の人が多かったり、北海道出身の人は広い心を持っていたり。もちろん個性は地域に限定されるものではありませんから「そんなことないよ」という意見もあるかと思います、あくまで私個人の意見ですよ。でもなんかそれってとても性質に直結する気がしているのです。
そして「ふるさと」を明確に持たない自分には、そういうアイデンティティがないことが長くコンプレックスでした。数年住んで自分の中では親しんだつもりの地であっても「どこ出身?」「こっちの人じゃないと思った」と言われ続け、どうして私はそちらの仲間に入れてもらえないのだろうと思ったものです。相手にそんな悪意がないことは理解しつつも。
嵐の曲に「ふるさと」というのがあります。合唱曲にもなっていて、とてもいい曲です。東日本大震災のあと、復興支援としてよく流れていたときに知りました。
「ふるさと」とは、詰まるところやはり「人」なのかなと思います。長く親しんでさまざまな思い出を分かち合った人同士が巡り合う場所。かつて笑いあったときと同じ熱量で、手と手を取り合って素直になれる場所。これを読んでいる皆さんにも「ふるさと」があるでしょうか。いいなあ、うらやましいなあと心から思っている私です。
私にとって「ふるさと」とは・・・
ここで少し私の話などもしてみようかと思います。
両親は三重県出身で、産まれた地は三重県です。父は某公共放送の報道記者をやっておりましたので、小さい頃から転勤ばかり。生まれたときは福井県、すぐに三重県四日市市へ引越したそうです(まったく覚えていませんが)。記憶に残っている幼稚園の頃は岐阜県岐阜市、小学2年生で富山県へ引越し、4年生の夏から三重県津市に戻ってきました。中学・高校は受験して私立の女子高に通ったため、父だけ単身赴任で引越しを繰り返していました。大学は一人暮らしで兵庫県西宮市、卒業してからもそのままそちらで就職して神戸市に居を移しました。実家はこの間に名古屋で家を買い、父は管理職として名古屋で固定勤務となりました。私は神戸で4年勤務した後、「転職しよっかな」とぷらっと横浜へ来ました。夫と出会って結婚して今に至ります。
「転校生はいじめられる」というのはよくある話で、確かに小学校で転校したての時期はよくちょっかいを掛けられた記憶があります。が、当時の私は割と怖いもの知らずで、いじめてきた人を逆に泣かすなどして撃退していたため、特に大きな問題もなく楽しく過ごせました。2年かそこらで引っ越すことが多かったため固定の友達こそできなかったけれど、いろいろな土地のことを知り、いろいろな文化や方言を知ることができ、とても貴重な体験ができたと思っています。なので、引越し自体をネガティブに捉えているわけではありません。ただ残念だったと感じるところを挙げるなら、「ふるさと」がなかったっていうね。
これまで長いところで三重県津市の8年、兵庫県(西宮→神戸に移動しているけど)に8年が最高記録でした。でも今住んでいる横浜は、最高記録更新中の17年。長さでいえば、私のふるさとはヨコハマということになります。でも全然ふるさと感はないのはなぜなんだろう。
思い出が多いという意味で、「ふるさと」と呼ぶとしたら中高時代を過ごした津なのかなと思うんですが、それでも今実家があるわけではないので、「帰りたい場所」かと言われるとそうでもなくて。かといって、実家がある名古屋には住んだことがあるわけでもないので、ふるさとではないし。こうなってくると、完全に「ふるさと難民」な私。一体私のふるさとはどこにあるのでしょう。
ただ、我が子たちにとっては横浜がふるさとなのは確かです。生まれも育ちも横浜、地方民には憧れの「ハマッ子」です。大都会がすぐ近くにあって、緑もたくさんあってほどほどに田舎で、「ふるさと」としては百点満点じゃないかなと個人的には思っています。そして我が子たち、「横浜が大好き!」らしいので(まあなんの不自由もないもんな)、あちこち彷徨った結果として今私が横浜に落ち着いていることも、そんなに悪くないのかなと思えるようになりました。子どもたちにとってのふるさとだから、私のふるさとも横浜。それでいいかなって。
ふるさと納税ってなんぞや?
さてそんな「ふるさと」とは全く別モノで、この時期になると話題に上がるのがふるさと納税ですね。ここで突然ですが、最近個人的に税金の勉強中ってこともあって、ふるさと納税の仕組みについてまとめておこうと思います。そもそもふるさと納税とは。
私たちは毎年、日本国民の三大義務の1つとして、地方自治体に地方税というものを納税しています。
住民税の税率は居住地域に関係なく一律で、前年所得の10%。所得が確定してから住民税の額が決定するため、請求が来るのは毎年6月です。確定申告とは時期が違うので注意。詳細についてはこちらの記事を参照してください。
さて、WebライターのOgAzさんは、ふるさと納税でカニ県カニ市に10000円を寄付して、返礼品としてカニをゲットしました。カニカニ!!
ふるさと納税では、寄付金が2000円を超えた額が「所得税の還付」(還付=返ってくるってこと!)あるいは「住民税の控除」(金額を引かれて安くなるってこと!)となります。つまり10000円をカニ県カニ市に寄付したWebライターOgAzさんは、10000円-2000円=8000円分の税金が何らかの形で返ってくるということになります。イヤッホウウゥゥゥ!ちなみに返礼品は寄付額の30%以内と決まっているので、10000円寄付すると3000円程度の返礼品を貰えるということになりますね。カニカニ!
ふるさと納税で寄付した分の控除は、確定申告によって申請が必要になります。確定申告の際に、必要書類とともに寄附金受領証明書を税務署に提出することにより、所得税の還付と住民税の控除を受けることができます。確定申告に関する詳しい説明は、以下の記事を参照してください。
でもそれだと、通常の会社員のように確定申告が不要な人には非常にメンドクサイことになりますよね。そこで設けられているのが「ワンストップ特例申請」というものです。ただし特例を受けるためには条件があります。
ふるさと納税以外の確定申告が不要
1年間(1月~12月)でふるさと納税の寄付先が5自治体以内
の両方に当てはまる場合に、特例を受けることができるのです。
会社員などは、よほどの高額所得でなければ確定申告不要ですし、寄付先が5個を超えなければ、だいたいの人はワンストップ特例申請が利用できるというわけです。ラクチン。ちなみに確定申告であれば、寄付先の条件は5個を超えてもOKという違いがあります。
ワンストップ特例申請には、寄付した自治体から送られてくる申請書に必要な情報を記載し、本人証明書類を提出することで、2000円を差し引いた全額が住民税から控除されます。確定申告では所得税の還付+住民税控除なんだけど、ワンストップ特例では住民税控除という形で返ってくるってことですね。
ふるさと納税で寄付する際には、寄付金をどのように使ってほしいかを指定できます。子どもたちの教育のため、緑の保全のため、地域経済振興のためなど、用途は地方自治体により異なりますが、指定することで寄付者の意向を伝えられるのはいいことですね。
今年すでに申請を済ませた夫によると、ワンストップ特例申請はマイナンバーで電子申請ができるようになっているらしいので、マイナンバーカードを持っている人は書類を返送しなくてもWebで簡単に申請できるみたいです。便利になったねえ。
ふるさと納税の課題
ただ、寄付金をもらって助かる地方自治体があれば、住民税の控除によって税収が減るという自治体があるのも事実。私の住む横浜市では、ふるさと納税による地方税の流出件数が全国第一位、144億円もの額が散逸している現状があります。
地方税の税収が減れば、市民に現在提供されている公共サービスなどにもいずれ支障が出てくることが予想され、住民税が安いからといって手放しに喜んでいいかは別の話です。横浜市のように居住者が特に多い市区町村にとって、ふるさと納税はただただ損にしかならない施策ですからね。
一方で現状、普段の生活さえ苦しいという家庭はそれなりに多いわけで。我が家はWワークなので生活がとても苦しいというわけではないけど、今後の子どもの教育費のことなどを考えると、いろいろ節約していかなければいけないわけですよ。納税額が控除されることが魅力に映るのは、ある意味で仕方ない話だと思うんですよね。ふるさと納税で流出した地方税分をどう扱うべきか、これまた国全体で検討していかなければいけない大切な課題だと思います。
結び
とまあここまで書いて下書き保存をしてから、いつものごとくnoteをパトロール(?)していたら、勝手にライターの大先輩と思っている西尾克洋さんもふるさと納税のことを書かれていて、意味もなく「ナカーマ!!」と歓喜しました。
やっぱ食べ物なんですよ、ふるさと納税はね。たくさん注文、いや寄付されていて羨ましい限りです。我が家はカニ必須なのですが、皆さんそうでもないのでしょうか。カニは11月に注文するとだいたいすぐ発送してくれるので、年末まで冷凍庫のかなりの割合を占めることになり、激しく邪魔です。本当は12月半ばごろに注文したいところですが、その時期になると品切れになっちゃうこともあって調整が難しいですね。くそーカニめー!
ということで、ポケモンから「ふるさと」について、さらにはふるさと納税について幅広く展開してみました。とにもかくにも「ふるさと」という存在は個人のアイデンティティであるとともに心の拠り所であり、いくつになっても色あせない懐かしさを含んでいるものだと思います。私には明確な「ふるさと」というものがありませんが、今住んでいるこの地・横浜が私にとっての「ふるさと」であると、おばあちゃんになったときに胸を張って言えるようになりたいです。
皆さんには「ふるさと」、ありますか。どんな風景が、どんな顔が思い浮かびますか。懐かしいあの景色、あの笑顔。それこそが、これまで生きてきた数十年を顕す灯火であり、これからの未来を照らす道しるべになるものです。ふるさと。ああ、ふるさと。いいもんだよね。