『からあげ』
う駄がわきちみ
ここにたぶんすげえやばい茶色のがあります。皿ね。皿の上ね。
いわゆる、からあげ的なやつで、これもうほんと激ヤバなくらいあれで、
口のなかにいれたら完全にもうやばいと思う。
数えてみるまでもなく数えてみれば、4個よりひとつも多い5個だから、
なんつーか天国ってひょっとして今なんじゃね? とか、ほくそえみ。夏の五月。
それだけじゃ、ぜんぜんやばくないっていうあなたでも、
ひとめみれば、緑がみえるはず。そう。レタス。皿ね。皿の上ね。
なもんだから、色のならび感、その風味感、やっぱほんともう最高にやばい気しかしない。
ふたつにわった木の棒でつかんで、おむおむする前に、
たそがれ色の数倍の濃いやつをしぼりだす夏の五月。
いろとりどりな黄色。そう、それがレモンだ。皿ね。皿の上ね。
これをもう、上からよろしくやると、超激ヤバなプライスレス。
とりあえずどうするかっていったら、たぶん俺たちには
もうほおばるしか道は残されてない。
もちろん、レモンがなくても、茶色いかりかりした部分なんか、
ありがたみが完璧に無敵で神にしかみえない。
ぶっちゃけ、神ってるこの茶色の中身はにわとりの、あそことか、たぶん、足とか肩とかの
健康なところだと思うけど。
調味料とか、ありえない割合でいれてあるからもうほんと、
そのいろんな味がこんがらがってまとまってくる口の中が、夏の五月。
ジューシー&ビューティ。
それがぼくらの、せいいっぱいの、やばいからあげです。
【終】
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水もしたたる真っ白い豆腐がひどく焦った様子で煙草屋の角を曲がっていくのが見えた。醤油か猫にでも追いかけられているのだろう。今日はいい日になりそうだ。 ありがとうございます。貴方のサポートでなけなしの脳が新たな世界を紡いでくれることでしょう。恩に着ます。より刺激的な日々を貴方に。