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東京路地紀行 12 豊島区東池袋

夜の東池袋歩きの続きです。
尾根道の春日通りと谷底の水窪川をつなぐ階段、その周りにひろがる路地の空間。横幅の広い階段を下りていくと一見行き止まりかと思わせる路地。
アパートにそって右手に路地が広がっています。迷い込んだ民を導くためか、または土地の所有を示しているのか、夜目にもはっきりわかるオレンジ色に舗装されています。
アパートが数棟並んでいるこの路地空間はその真ん中に立ってみると四方に抜けられる道があることがわかります。閉鎖的な空間に入り込んだと思ったら、実は四方向から集まり出ていくことができるコミュニティ空間でした。行き止まりになっているとその空間の空気が澱んでいるような印象をうけることがありますが、通り抜けができる道があると人々が往来する開放的な空間のイメージができるようになります。

春日通りから脇に入る階段

車通りの多い春日通りから脇へはいっただけで表の喧騒が聞こえなくなり、静かな空間に入り込みます。

路地へと下りていきます

前の写真からもう一段下りて路地がひろがる一角へと下りていきます。

路地の入口から振り返る。
ぎゅっと細くなっていることがわかります

下りていくと目の前にブロック塀が立ちふさがるように広がり、その隙間を縫うようにさらに細い路へ入っていきます。振り返ると写真のような感じ。

アパートが続く路地
夜目にも鮮やかなオレンジ色の路面と階段
近づいてみても綺麗
坂道を上ると再び春日通りへ
振り返る

オレンジ色の謎。迷い込んだ人が脱出できるように導く色?
ひとつ前の写真もみるとオレンジ色の帯が左手の家を取り囲むように続いています。住宅密集地帯の一角で我が家の敷地であることを明示しているのかもしれません。もちろん立ち入り禁止なんて無粋なことは言わずにみんなで共用。

階段と向き合う階段

この場所にこの地形は謎です。階段をおりてまた階段を上がると向かいの家に到達。このあいだの窪みはなんでしょう?昔、池でもあったのか?そんなことを想像させてくれる地形です。

路地空間からさらに下へ抜ける階段
真ん中の段が古く、両側は補強強化したのでしょうか?
段の材質が異なっています
短いけれどもこの曲がり方がすてき

いい感じの経年劣化を感じさせてくれている階段。前の写真のところの続き(下から見たところ)ですが、下におりてみるとどん詰まりにある階段というのがわかります。おそらく遠目からだと手前のアパートまでしか見えず、行き止まりと思って引き返してしまうかもしれないところです。
こういう場所にある階段をみつけると得をした気分になりますね(^^♪

階段下のアパート

冒頭にも記した通り、高低差のある空間にひろがる路地は階段との組み合わせで独自の空間をつくりだし、そこに迷い込む者の目を楽しませ、この先に何があるのだろうと想像をたくましくさせてくれます。


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