【出生18 日本人母と事実主義を採る国の国民である外国人父との間に出生した嫡出でない子について外国人父の認知のないまま父母が婚姻した場合、子は準正するか】
後輩 「日本人母と事実主義を採る国の国民である外国人父との間に出生した嫡出でない子について外国人父の認知のないまま父母が婚姻した場合、 子は準正するのですか。」
前問とは異なり、 通則法第29条第1項の規定に基づき、 父と非嫡出親子関係が成立しており、法律上の親子関係が生じているといえます。 事実主義の法制を採る国の多くは、 父母の婚姻により子が準正するのが通例であり、外国人父からの認知がなくても、父母の婚姻により、 嫡出子の身分を取得します。 そして、本間の場合、重要なのは、婚姻による準正が生じた場合の子に係る届書の記載です。
婚姻届その他欄には、子が準正嫡出子となる旨、 父母との続柄の訂正の旨記載するとされています。 また、 子について出生届が未了のときは、 必要な書類を添付の上、父からも嫡出子としての出生届をすることができるとされています (3900号通達第3の3)。
【参考文献】
設題解説渉外戸籍実務の処理ⅣV出生 認知 87頁及び88頁 110頁
注解戸籍届書 「その他」欄の記載250頁及び254頁