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家光あんみつ

アンコ消費料理です。
甘味屋等で食べるあんみつ、やたらに甘い気がする。シロップに漬けた果物等を使い、砂糖もたっぷりだからでしょうね。
そんなに甘くなくてもいいあんみつを料理しながら、将軍を妄想した記録。


材料

寒天     1本
米粉     100グラム
水      90グラム
塩      一つまみ
アンコ    好きなだけ
ブルーベリー 好きなだけ
キウイ    黄色と緑を一つづつ
フルーツ酢  50ml

生まれながらの将軍と自らも名乗っていたのが徳川家光。江戸幕府の三代将軍。秀忠の次男で幼名は竹千代。この名前は家康の幼名であり、徳川宗家を継ぐ男子が代々、名乗る幼名。
生まれたのは慶長九年(1604)なので、この前年には徳川家康が征夷大将軍の宣下を受けて、徳川家の天下が成立。馬上で天下を取った家康、それを支えていた秀忠とは違い、生まれた時から将軍になることを運命づけられていた存在。


寒天を暫く水(分量外)に漬けておく。

とはいえ、すんなりという訳にはいかず。
幼少の頃は病弱で食が細い。それを何とかしようと取り組んだのが乳母のお福。いわゆる春日局。
家光に米を食べさせるべく、小豆飯やら茶飯、麦飯等々、視覚にも訴える飯を炊かせる。
その甲斐あって、丈夫に育っていく。
体が丈夫になったら、今度は動かす。それも武家の棟梁らしくある程度の武芸を身に付けねばならない。その役割を担ったのが柳生宗矩。将軍家指南役として柳生新陰流を、息子の十兵衛と共に家光に指南。


柔らかくなった寒天を茹でて溶かす。ほんの少しフルーツ酢を加えて薄味にする。

更に家光には強力なライバルが存在。弟の国松。後の忠長。
弟の方が容姿端麗で利発だったそうで、秀忠夫妻はそちらを可愛がっていたという話。
このままでは家光の家督相続が危ないと危惧した春日局、家康に直訴。
家康は徳川家を継ぐのは竹千代であるということを示す。
孫達の元を訪れた家康、菓子をやろうと手招き。先に立って近づこうとした国松を一喝。
「国松はそこに控えておれ」
竹千代にのみ菓子を与える。つまり家督を与えるのは竹千代であると目に見える形で示したということ。


型に入れて冷まして固める。

立派な将軍になるにはまだ障害がありました。実は家光は男色家。
跡継ぎが出来ないというより、女に興味がなくて作れないとなると、これも徳川家が危うくなる。
そこで春日局が作り出したのが大奥。
将軍に仕える女の園を作り出したというものの、そんなハーレムがあっても家光は男三昧。まったく興味を示さない筋金入りの男好き。
春日局はお振りという女性に男装させて家光に近付ける。これが功を奏して目出度くご懐妊。この時、家光は34歳。江戸時代の男性で第一子が生まれたのが三十代とはかなり遅い。
これで女に目覚めたかと言うと、尼さんを側室にしたいと言い出す等、やはりどこか屈折した性癖。


米粉、水、塩を混ぜて捏ねる。白玉団子を作ってます。この分量で10~12個程作れます。

春日局、家光の食から性まで随分と面倒見がいい。本人が成人すれば、乳母の仕事は終わりそうなものですが、家光が三十過ぎても世話を焼いている。
これについて、実は春日局は家光の母親?という話があります。
父親は家康。
この都市伝説めいた話が本当ならば、家康が家光を三代将軍たるべしと裁定した菓子を与えた場面の意味合いも違った風に見えてくる。
秀忠は自分の子である国松ではなく、年の離れた弟に跡を譲らねばならなくなった?

適当に丸めて湯に放り込む。浮かんできたら団子完成。

徳川家康の霊廟といえば日光東照宮ですが、家康は生前、日光に簡素な墓を建てよと遺言。
それなのに現在、見られるような豪華絢爛な神社にしたのは家光。
家康を尊敬していたからというのが表向きの理由ですが、自分を将軍になれるように計らってくれた父親だから?
しかも家光の墓も、同じく日光東照宮に存在。親子で同じ場所に葬られることを望んだ?
また、家光は自身のことを二代将軍と称することがあったとか。つまり秀忠が抜けている。家康直系の将軍という自負?


茹で上がったら水に浸して冷ましておく。

家光は柳生新陰流を稽古したことからか、結構な武芸好きとなり、武芸者を招いての上覧試合とか、寛永御前試合という催しを行ったという話もあります。
武芸好きというのは、突き詰めれば、それを演武している男が好きということになるのか?
ただ、武家の統領たる将軍が武芸を好むのは外聞もいいことなので、春日局も賛成していた?とこんなことを書いていると、母親の顔色うかがっているマザコンみたいに思えてきた。


家光あんみつ

ドラゴンフルーツ酢を適度な甘さまで薄めて、切った寒天、団子、果物、アンコを乗せて完成。
キウイフルーツとブルーベリーを使用しましたが、お好みや手元にある果物でも楽しめる。
シロップに漬けた果物ではないので、適度な甘さ。砂糖はまったく使用せずとも十分なスイーツに仕上がった。
ブルーベリーは目によい。米粉から作った団子は当然、グルテンフリー。
寒天はカロリーもほぼないのでヘルシー。

柳生宗矩や春日局の名前を出しましたが、他にも家光の周囲には南光坊天海とか松平信綱等の有能な人物がいました。そうした人物達に盛り上げられて、将軍としての地位を保てていた?
そんなことを妄想しながら、家光あんみつをご馳走様でした。

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