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小松姫し
ゆるベジタリアンである。
魚介類、卵、チーズ等は食べるが、基本的には採食。獣肉はほぼ食べない。但し、肉類しかない場合や頂いた場合はありがたく頂きます。
ということで、今回はすべて植物由来の料理を作ることに。
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小松菜 2株
油揚げ 2枚
味醂 大匙1
醤油 大匙1
酒 大匙1
蜂蜜 大匙半分
七味唐辛子
あと昆布から取った出し汁
ご飯。二合
小松菜は3センチ巾程に切って水に漬ける。
何のためにするかというと、色を鮮やかにするため、根本等に土が付いていることがあるので、それを除くため、そして小松菜には蓚酸という成分が含まれていて、摂取し過ぎると結石の原因になる可能性があるので、水溶性の蓚酸を抜くため。
30分位漬ける人もいるようですが、私は15分から20分位。
その間に、油揚げの準備。
熱湯をかけて油抜きということをする人もいますが、私はクッキングペーパーで表面を拭きます。
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最近の油揚げは油切りがしっかりしている物が多いので、これで十分かと。そして短冊に切る。
そんなことをしている間、小松姫のことを妄想。
徳川四天王の一人、本多平八郎忠勝の娘であり、徳川家康の養女として真田信幸に嫁いだ女性。
徳川家と真田家は北信濃でぶつかり合い、第一次上田合戦勃発。その後、共に秀吉に臣従した後には、真田家は徳川家の与力大名という位置づけとされ、両家の結び付きを強める政略結婚として小松姫と信幸は婚姻。
信幸、後に信之は表裏比興の者と呼ばれた真田昌幸の長男で、弟は真田幸村(信繁)。
弟の幸村が大坂の陣での奮戦で大いに武名を挙げたのに対し、信之は近世大名として真田家の名を遺した人物。
秀吉の死後、次の天下人然として振る舞いだした徳川家康を打倒するために石田三成が挙兵。この時、真田家は難しい立場。
信幸の妻は家康の養女という形の小松姫、しかし信繁の妻は三成の盟友、大谷吉継の娘。結局、昌幸と信繁は三成方に、信幸は家康方に付くことに。
当時、真田父子は家康が起こした会津征伐に従軍中。その途中に袂を分かち、昌幸と信繁は居城の上田に戻ることに。その途次、信幸の居城である沼田城に立ち寄ろうとします。
しかし、留守を守っていた小松姫、鎧を着込んで、薙刀を手に敢然と入城を拒否。
「たとえ舅であろうとも、今は敵となったからには城に入れる訳にはいきませぬ」
これを聞いた昌幸、
「さすがは本多忠勝の娘」と感じ入り、引き下がる。
しかし、この後、小松姫は城下の寺にそっと自分の子と共に出向いて、そこで昌幸と孫を対面させてあげたという。
剛柔兼ね備えた、正に大和撫子だったんですね。
小松姫と沼田城の動画。↓
てなことを考えている内に15分経過。
鍋に出汁汁、味醂、酒、醤油、蜂蜜投入。
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甘味を出すために蜂蜜を使っているものの、ここでふと思う。蜂蜜は植物由来と言っていいのか?しかし、集めたのは蜂というだけで、元々は花の蜜だからセーフとしよう。蜂自体を食べる訳ではなし。
それに精製した白砂糖などよりも自然に近い蜂蜜の方がまだよし。
鍋から湯気が出始めたら、まずは小松菜の茎投入。
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ふつふつしてきたら、油揚げと葉を投入して沸騰するまで煮る。
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完成したのは小松菜と油揚げの煮浸し。緑色が鮮やか。
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このまま食べてもいいけど、粗熱が取れたら、冷蔵庫に入れます。何故なら煮物は冷めていく間に味が沁みていくから。
冷めた後、ご飯のおかずによし。しかし、もう一ひねり。
小松姫の別名は稲つまり米、ご飯ということから連想。
おかずというより、そのままご飯に混ぜてもよくね?
世の中には菜飯という混ぜご飯があるのだから、小松菜飯ということで。
しかし、このままご飯に混ぜるよりも、もう一つパンチを利かせたい。そこで登場したのは、
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適量を混ぜる。辛い方が好きなので割とたっぷり。そしてご飯に混ぜる。
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小松菜飯では面白みないので、小松姫しと命名。
汁っぽい感じはあるものの、たっぷりと味が沁み込んだ油揚げ、小松菜の葉と茎の食感のコントラスト、隠れて味を引き締める七味唐辛子、汁を含めて、それらすべてを包み込むご飯が進む。
油揚げからタンパク質。抗発癌作用があるβカロテン、ビタミンCやE、カルシウムも豊富な小松菜。素晴らしい栄養食。
他におかずなくてもいいかも。汁気があるから汁もなくていいかも?
小松姫のその後ですが、沼田そして上田も領有することになった信幸改め真田信之の正室として主に江戸で生活していましたが、療養のために草津温泉に向かう途中、武蔵国鴻巣にて死去。そうした経緯から、小松姫の墓所は沼田、上田、鴻巣に。
鴻巣の動画。↓
先述の沼田城での逸話の他に、小松姫に関して私が知っているもう一つ
の逸話。
小松姫が婿を選ぶ際、候補者達をずらりと座らせて、一人一人、髻を掴んだり、顎を持ち上げりと品定め。
その中にいた信幸、
「無礼者」と一喝。
その勢いに惹かれて、小松姫は信幸と結婚を決めたとか。
沼田城での逸話も創作ではないかと言われることがありますが、小松姫と信幸の結婚は政略として決まっていたことであり、秀吉の肝煎りだったという話もあるので、この逸話こそフィクションでしょう。