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運命の人はどこですか?

今日のおすすめは『運命の人はどこですか?』

6人の女性作家さんの作品が納められたオムニバス小説です。
この小説は購入したのは2020年の秋頃。
ある人がおすすめをきっかけに購入しました。
しかし、買ったはいいもののなかなか恋愛小説を読む気にならず、1年半も経過してしまいました(笑)
それと、西加奈子さん以外の作家さんのことを知らなかったので、今すぐにでも読まなきゃとはならなかったのです。
だけど、本の存在のことは覚えていました。
いつか読もう、いつか読もうと思い、やっと読み始めてみたところ…
どの作品も面白い!
そんなわけで、今日はこの作品について書こうと思った次第です。

あらすじ

十年前の元彼との約束どおり、ギリシャへ向かった里奈

同棲をはじめた彼女の好きなパンを作り続ける透

自分の名前の片割れを探すジュリエット

小説家を目指し状況したニシ

上司の紹介でお見合いをした真樹

久しぶりに再会した同期との共通点を見つけた歩

彼女、彼の、運命の人との物語。

【収録作品】
飛鳥井千砂『神様たちのいるところ』
綾瀬まる『かなしい食べもの』
瀬尾まいこ『運命の湯』
西加奈子『宇田川のマリア』
南綾子『インドはむりめ』
柚木麻子『残業バケーション』

感想

あらすじがざっくりとなってしまいました(笑)
短編小説なので、あまり書きすぎるとネタバレになってしまいます。

冒頭にも書いたとおり、読みはじめるのにはすごく時間がかかりましたが、読みはじめるとあっという間に読み終わることができました。
これがオムニバスのいいところです。

収録作品の中で気に入った作品は、

飛鳥井千砂「神様たちのいるところ」
瀬尾まいこ「運命の湯」
西加奈子「宇田川のマリア」

この3作品でした。

飛鳥井千砂さんの「神様たちのいるところ」は、「冷静と情熱のあいだ」を彷彿とさせる作品でしたが、里奈が直面した事実、そして、現実はどうかわかりませんが、旅行会社あるあるが印象的で、とても面白い作品でした。
舞台はギリシャ。
パルテノン神殿を思い浮かべながら読んでいたせいか、旅行気分にもなれました。

瀬尾まいこさんの「運命の湯」はほっこりとした作品でした。
瀬尾まいこさんの他の作品は読んだことがありませんが、きっと他の作品も温かく優しい感じがするのではないかと、瀬尾まいこさんの人柄を想像しながら読んでいました。

西加奈子さんの「宇田川のマリア」は、はじまりから印象的でした。
この作品の主人公となる女性は「ニシ」。
他の作品と違い、名前らしい名前の表記がありません。
しかも、片仮名。
ある場面でニシが叫ぶ一言は、思わず声を出して笑ってしまうほど。
そして、オチにびっくり!
さすが西加奈子さんだな~と思いました。

私の印象に残ったの3作品でしたが、他の3作品も心を動かされる作品でした。

運命の人――、女性ならみんな会いたいと思うのではないでしょうか。
運命の人と出会うために避けられない出会い、それもまた運命なのだとふとそんなことを読み終わったあとに感じる1冊になりました。

『運命の人はどこですか?』は、祥伝社文庫の恋愛アンソロジー・シリーズの1冊のようです。
アンソロジー・シリーズの作品の中には、私の好きな江國香織さんや唯川恵さん、市川拓司さんも名前を連ねているので、いつか他の作品も買ってみよう思います。


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あゆたま
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