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アーユルヴェーダの雑談〜鳩の糞
本日は、ちょっとびっくりなアーユルヴェーダの雑談をしたいと思います!
去年、インドのアーユルヴェーダの大学の卒業生たちに向けた勉強会のようなものに参加した際に、 血栓についてのコメントが先生からあり、その中で印象に残ったのが、『Paravat Shakrt』です。
パーラワトゥ=鳩
シャクリト=糞
びっくりですが、ズバリ、血栓には、鳩の糞の内服が良いだろうとのことでした。 古典書には、鳩の糞は抗凝固剤になるとあるので、塞栓症に良いと理解できます。 具体的にどのように摂取するかというと、鳩の糞の真ん中の白い部分(もちろん新鮮な糞)250ミリグラムから1グラムの量を蜂蜜と混ぜて食べるというものです。
血栓に良いと分かっても、実際に鳩の糞を食べてみたいかと聞かれたら、ちょっと無理という人も多いかと思います。私でも抵抗があります。
では、なぜ鳩の糞が有効なのかを考えて、ユクティ(理論)を使って鳩の糞の代替になるもっと口にしやすいものはないかと自分なりに考えてみたいと思います。
動物の糞の多くは温性です。牛糞、山羊やロバの糞、どれも温性です。 鳩の肉や鳩の卵も温性ですので、鳩の糞も温性のはずです。鳩の糞に混ぜて食べる蜂蜜も温性です。 だから、温性の薬草であれば、塞栓症に良いので、
例えば、グッグル(Commiphora mukul)や、チットラカ(セイロンマツリ)、カンチャナール(Bauhinia variegata)、ニンニクや生姜といったものがお奨めです。
こういったように、アーユルヴェーダでは柔軟性を持ってユクティを使って応用していくスキルがとても大切です。 温性の質はなぜ塞栓症に良いかと言うと、塞栓のような血管の滞りはカファの増加の乱れが原因だからです。カファは温性の質で鎮静されます。そして塞栓症の原因の一つであるコレステロールは、乱れたメーダ(脂肪)やアーマと考えられ、メーダやアーマも温性の質で緩和されます。 そうやって考えていくと、身体に熱(アグニ)を作ってくれる運動や断食や発汗も塞栓のような滞りには有効であると理解できます。 つまり、温性のもの、カファを減らすもの、メーダダートゥやアーマを減らすものを探して取り入れていけば、塞栓症の予防やケアに役に立つということです。
単純な雑談のはずが、少し真面目な話になってしまいました。
鳩の糞、皆さんどうですか?
鳩の糞だけでなく、アーユルヴェーダでは、牛糞、牛の尿、山羊の尿などが時々、薬としてアーユルヴェーダでは使用されることがあります。
一度、受講生から、では昆虫はどうか?と聞かれたことがありますが、昆虫はメスのラックカイガラムシ(Laccifer lacca)が分泌する分泌物を精製して得た樹脂状の物質シェラック(成分的には樹脂酸エステル)は使うことがありますし、アリに傷口を縫わせるという記述は古典書の中で読んだことはあります。
世界では昆虫食が流行り始めようとしていますが、アーユルヴェーダ専門家として私はお奨めできません。
アーユルヴェーダの古典書の中で昆虫を食や薬として内服するのを見たことがないからです。 色々なブームがありますが、特に健康に関することであれば、一度、俯瞰して冷静に見る必要がありますね。
そんな時『アーユルヴェーダの冷静さ』が私にはとても役に立っています。
アーユルヴェーダにおける、昆虫の内服についての記事は、こちら。
ホームページ
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