【エッセイ&映画レビュー】わたしは、ダニエル・ブレイクを観て
ども!
流行り病から約2週間。
未だ嗅覚は旅に出たまま戻ってきません、、、どこまで行ったんやー!
早よ戻ってこんかい!笑
一足先に流行りに乗った(お察しください🙇♀️)フォロワーさんを見ていて「後遺症にならなきゃいいな」ってちょっと思ってたけど、前に”プラシーボ効果”の話を聞いていたので、「いや、あゆさんは思い込み(プラシーボ効果)でそうはならなんぞ!」とも思っていたのですが…
実際流行り病に罹って思ったのは「後遺症、あるかもしれん」でしたね…思い込みでここまではならんだろうと🙄
あ、一応ここで補足👇
ま、ザックリと言うと”思い込み”ってやつですね☝️
この思い込みって、いいこともあれば悪い事もあると思うんです。
ま、良い方に思いこむ分にはプラスにしか働かない気がしますが、マイナスに思い込むと
これがかなり厄介😓
自分の事だけならまだしも、自分ではない”第三者”に対しての思い込みだったら😩
例えば誰かの外見だけをみて『こんな身なりしてる人はきっとまともな仕事してる人じゃない』とか”きっと”とか”多分”という曖昧な言葉を使ってあたかもそうであるかのように思ってしまった事ってありませんか?
これって本当に良くない事と思いません?
当然、外見で全て判断出来るわけありませんよね?(中には分かる人も居ますけど。。頭に"や"のつく自由業の方とか。。💦💦笑)
悲しいかなこの"思い込みと曖昧さ"は世の中に溢れ返っています。
でもその逆にその”思い込み”を捨てることで
今まで曖昧にしか見えなかったものの本来あるべき姿が見えるようになることってあると思うんです。
そしてそれがもしかしたら、人を救うことだってあるかもしれない。
”プラシーボ効果”
いい方に働かせたいものですね。
さて、今回紹介する映画は、イギリスの”格差社会”や”貧困””社会保障制度””社会福祉”などの問題が主なテーマ。
ここ日本に於いてもこの問題は対岸の火事ではありませんよね。
そして”人として持ち続けたい尊厳”とはなにか?を考えさせられるこの映画。
あ、あゆさん本日 真面目バージョンですがw意外とこんな面もあるんですよ~
そこのあなた👆😎
「あゆさんはきっとこんな人」という変な(w)思い込みはありませんか?
もちろん良い方に思い込むのは大歓迎ですがね~🙆♀️笑笑
わたしは、ダニエル・ブレイクってどんな映画?
この映画は2016年イギリス、日本では2017年に公開されました。
監督はイギリスの巨匠と言われる”ケン・ローチ”
彼の作品の多くは労働者や社会的弱者に寄り添ったものが多く、世界三大映画祭などで高い評価を受けています。
この映画では”第69回カンヌ国際映画祭”で”パルム・ドール”を始め各映画賞を獲得しています。
ちなみにこの作品はアマゾンの評価では星5つ中の4.5!このくらいの星があると ほぼ外れが無いのがあゆさんの印象!(ジャンルの好き嫌いはあると思いますけどね😅)
この映画のネットの公式サイトに
”人生は変えられる。隣の誰かを助けるだけで”
とあります。深い言葉ですよね🧐
ケン・ローチ監督は2014年に一度引退を表明していたそうですが前言を撤回!
イギリスの福祉制度、そして世界中の格差や貧困のにあえぐ人々の実情を伝えたいと再びメガホンを手に取ったと言われています。
長編映画の監督デビューから50年。
彼の"最高傑作"そして"集大成"と絶賛されるこの映画。
社会問題だけではなく、人としてどうあるべきかを改めて考えさせられる作品です。
あらすじ
主人公ダニエルブレイクは59歳。
イギリス北東部ニューカッスルで長年大工として働いていました。
彼は心臓を悪くし、医者から仕事を止められていました。
働けなくなったダニエルは”失業給付金”を申請する為役所に出向き、給付審査の為、政府から委託を受けた担当者と面談をします。
しかし、担当者が読み上げる質問内容のバカらしさに呆れたダニエルは悪態をついてしまいます。
担当者はそんな彼に悪印象を持ったようでした。
後日、検査で病院を訪れ、再び「仕事はまだ無理」と医者に言われますが、その翌日役所から”給付金の受給資格なし”と書かれた書類が届きます。
ダニエルは再び役所を訪れ、「これは不当な審査だ!」と訴えますが担当者はまともに取り合わず、新たな求職者手当の手続きを”PCからのオンライン申請でのみ受け付ける”と告げますがパソコンが使えないダニエルは途方にくれていました。
出会い
その時、若い女性が職員と言い争っている現場に遭遇します。
彼女の名は”ケイティ”2人の子供がいるシングルマザーでした。
一家は数日前ロンドンから引っ越してきたばかりでバスを乗り間違い 生活保護審査の面談の時間に遅れてしまったようでした。
ケイティは融通の利かない役所の担当者の対応で、すでに生活が困窮しているにも関わらず「後日再審査」と告げられ給付金が4週間降りない事が決まってしまいます。
「少しは融通利かせてやれ!」見かねたダニエルは職員を怒鳴りつけ、結局二人は一緒に役所から追い出されてしまいます。
彼女はダニエルに感謝し、お礼にと自宅へ誘います。
ケイティ一母子はロンドンで2年間 ホームレスの宿泊施設で3人一部屋で暮らしていましが 劣悪な環境に限界を感じ 役所に紹介されたこの土地へ引っ越してきました。
しかしその家はボロボロ。
お金がないため電気も引けず悲惨な暮らしをしていました。
見かねたダニエルは家の修理を引き受け わずかなお金と電話番号をケイティに渡しました。
助け
ダニエルはアパートで独り暮らし。
以前は精神を病んでいた妻の介護をしながら質素に暮らしていましが 妻が亡くなってからは安いアパートで暮らし、隣人には黒人の青年チャイナが日雇い労働をしながら暮らしていました。
ダニエルは役所に言われていた”求職者手当”の書類作成をにチャイナに手伝ってもらいました。
貧しさから抜け出そうと中国製のスニーカーを売って儲けようとしていたチャイナですが、役所の人間よりずっと親切に協力してくれました。
ダニエルは手伝ってもらって作成した書類をやっと提出しますが役所からは何の連絡もありません。
ダニエルの苛立ちは募る一方でした。
ようやく役所から連絡があり今度は「求職手当をもらう為には週35時間以上求職活動をしている証拠が必要だ」と言われます。
役所の担当者に「まずは履歴書の書き方講座を受けること」「拒んだ場合は処罰される」と言われます。
彼は仕方なく言われた通りに講座を受け、「履歴書はパソコンで作成し、オンラインのデジタル版も作るように」と言われますが、ダニエルは手書きの履歴書を持ってあちこち歩き「仕事はないか」と聞いて回ります。そしてある園芸店が履歴書を受け取ってくれました。
一方、手当てがもらえずケイティ一家の生活はますます困窮していきます。
食べることにも困る様子を見るに見かねたダニエルはフードバンクへケイト一家を連れて行きます。
長い列に並び ようやく食料を支給してもらう為品物を選んでいるとケイティは突然空腹のあまりその場で缶詰を空けて食べてしまいます。
そんな自分のあまりの惨めさに泣き出すケイティ。ダニエルは『君は何も悪くない』そう言って彼女を慰めました。
怒りと落胆
医者から仕事を止められているダニエルでしたが、役所には”労働可能”とみなされ受給は認めてもらえません。
それどころか彼自身が電気代を支払う事すらもままならなくなっていきます。
しかし、ダニエルは自分の窮状を隠し ケイティ一家を支え続けていました。
ある日ケイティはスーパーで”生理用品”を万引きして警備員に捕まってしまいます。
スーパーの店長はケイティの事情を見かねてそっと生理用品をカバンに戻し"見なかったこと"にして見逃してくれました。
帰り際、ケイティを捕まえた警備員が「困っているなら仕事を紹介する」と電話番号が書かれたメモをケイティに渡しました。
一方、ダニエルは求職活動の報告へ再び役所へ出向きますが、担当者は”職を探したという証拠"が不十分と指摘します。
ダニエルの手書きの履歴書を見た担当者は"講座を受けていない"と思い込んで決めてかかり 手当の"支給停止"を告げます。
もう言い返す気力すら無くなったダニエルは役所を立ち去ります。
お金に困ったダニエル。
仕方なく妻との思い出の詰まった家財道具を売り払い急場を凌ぎました。
その様子を見て心配した隣人のチャイナは『なんでも言ってくれ』と声をかけましたがダニエルはただ力なく微笑むだけでした。
一方 ケイティは娘のデイジーが家が貧しいことでいじめられていることを知ります。
ケイティは意を決して警備員の男に電話をしました。
何となく察してはいましたが、紹介された仕事は”売春”
ダニエルはケイティが落としたメモから偶然その事実を知り、彼女の働く"売春宿"へ行きました。
『こんなことをするな』
と売春をやめるよう説得するダニエルに ケイティが
『こんな所であなたに会いたくなかった私に かまわないで!』
『300ポンド稼いだわ、これで子供達に果物が買える』
『止めるならもう会わないあなたとは これきりよ』
『やさしく しないで、心が折れるから…』
そう言ってダニエルを追い返します。
ケイティは2人の子供を育てるためにどうしてもお金が必要だったのです。
叫び
※ここからネタバレを含みます
ダニエルは再び役所を訪れ、唯一親切に接してくれていた役所の職員アンに『求職者手当はもうやめる。不服申し立て日時だけ教えてくれ、』と告げます。
アンは今まで何人もダニエルのような正直者がホームレスになっていったのを見て来ました。心配したアンは『短気を起こさず手当の申請を続けた方がいい』と言いますがダニエルはもう限界でした。
外へ出るとダニエルは役所の壁にスプレー塗料で
『俺はダニエル・ブレイクだ。飢える前に申し立て日を決めろ。電話のクソなBGMも変えろ!』
と殴り書きをします。
その行動を見ていた多くの市民がダニエルに賛同し、大きな拍手を送りました。
程なく警察官が駆け付け、彼は器物損壊で逮捕されてしまいます。
しかし初犯であったため口頭注意ですぐに釈放されますがそれがきっかけとなりダニエルは深く落ちこみ家から出なくなってしまいました。
ダニエルと連絡が途絶えてしまい心配していたデイジーは食べ物を持って彼の家を訪れました。
何度も何度もドアを叩きダニエルに呼びかけるデイジー。
ようやく顔を出した彼でしたがもう誰にも会いたくない様子でした。
『ひとつ聞いていい?』
『前 助けてくれた?』
とデイジーが聞きます
『多分ね』
ダニエルが言います。
『じゃぁ(今度は)助けさせて』
デイジーが言いました。その言葉聞いたダニエルは
『ごめんよデイジー、許してくれ』
そう言って彼女を抱きしめました。
事情を知ったケイティは、"支援手当回復の申し立て"の為に書類を揃え、支援してくれる代理人も見つけてくれました。
絶望に打ちひしがれていたダニエルでしたが少しだけ希望の光が見えてきました。
そして申し立ての日。
ダニエルは酷く緊張していました。
申し立てが始まる前にトイレへ立ちそこで
心臓発作を起こし倒れてしまいます。
『誰か救急車を呼んでくれ!!トイレで人が倒れてる!!』
異変に気付いたケイティはトイレに駆け込みますがダニエルは既に息をしていません。
ケイティは泣き崩れます。
『何とかして、お願い…』
ダニエルはそのまま亡くなってしまいました。
私は、ダニエル・ブレイク
葬儀の日。
『朝9時はもっとも安いので"貧者の葬儀"と呼ばれています』
『でも、彼は貧しくなかった。お金で買えないものを与えてくれました。』
ケイティはダニエルが申し立ての時に読むはずだった鉛筆書きの文章手にとり
『彼はとても愛情深く 心の広い人でした。国の制度が早い死へと追いやったのです』
そう言って文章を読み始めます。
『私は依頼人でも顧客でもユーザーでもない。怠け者でもたかり屋でも物乞いでも泥棒でもない。国民保険番号でもなく、エラー音でもない。きちんと税金も払ってきた。それを誇りに思っている。地位の高いものには媚びないが、隣人には手を貸す。施しは要らない。私は、ダニエル・ブレイク。人間だ、いぬではない。当たり前の権利を要求する。敬意ある態度というものを。私はダニエル・ブレイク、1人の市民だ。それ以上でもそれ以下でもない』
自分が窮地に立たされても人としての尊厳を失わず、困っている隣人には手を差し伸べる。
ダニエルらしい言葉がそこに綴られていました。
感想
この話は取材の中で実際起きた話を元に脚本が作られたそうですが、これはイギリスだけではなく、日本にも当てはまるお話ですよね。
昔から”お役所仕事”なんて言い方されますよね。
杓子定規に”こうでなければならない!”と融通が利かないことも多く、時には「同じ人間として見ているのか?」とすら思うようなことも見聞きしたりします。
ダニエルは曲がったことが嫌いで、それ故に役所で意味のない質問をされ続けその担当者に腹を立て つい悪態をついてしまいますが、担当者はそれだけで申請に取り合わなかったり、審査も落としてしまいます。
この映画で役所の人間は”冷酷非道”のように描かれています。
しかし実際はどうでしょう?皆がそうかと言うとそれは違うと思うんです。中には親身になってくれる人も居る。でも…そうじゃない人も居る。
ただ、役所の人間は決められたことの中で毎日案件を処理していく中で感覚が麻痺し事務的になってしまっていると思うんですね。
慣れてしまってるってやつです。
本当は慣れちゃいけないんですけどね。
それに日本でも問題になっている”不正受給”などの問題。
担当者に落ち度が無くてもそれが担当者の”見落とし”とみなされ自分の評価を落としかねない=保身に走る、ことが往々にあるのかなと。
そんな中でいかに生活困窮者を自立させるかに重きを置きがちだと思うんです。(日本の生活保護制度は特にそうです)本来は”救う”と言う事が優先されるべきはずなのに。
それは社会保障制度の仕組みの問題ですよね。
それと、日本でも流行り病(お察し下さい🙇♀️)をきっかけに一気にデジタル化が進みましたよね。と言うか、世界的に見れば日本は逆に遅れているくらいです。
”ものづくり”が得意なはずの日本ですよ?
アプリ開発だってもっと進んでていいと思うんです。
しかしデジタル化が進まなかったのは、まさに”お役所仕事”からなかなか抜け出せない体質や国の政策の在り方、制度に大きな原因がある思います。
だってペーパーレス化だって進んだとはいえまだまだだし、いまだに印鑑も必要な事多いですしね。(不要論が出て来ると各方面の方達が騒ぎ出しますしね。そんな事も大きく影響してるんでしょうね🙄)
ダニエルのように、パソコンがやスマホが上手く扱えない人も未だ多くいますよね。
特に高齢者。
あゆさんの母なんてクレジットカードなんて恐ろしくて使えないって今でも言ってるし、スマホだって『個人情報やデータが抜き取られる』と恐怖に慄いていますよw
ま、使い方によっちゃ、あながち間違っちゃいませんがね。
その辺りどういった事に気を付けてどんな対策すればいいかもわかってないんですよ。
お年寄りに優しく分かりやすく作られていないですよね。
知ってました?
某ゆ〇ちょなんてどんだけの数のアプリが用途別にあるのかって!
あゆさんだって戸惑うちゅーねん!爆🔥
マイ〇ナンバーカードだって、ここまで普及率低いのはそれによってどんなメリットがあるのかもイマイチわかっていないから。
てかメリット少なかったですよね🙄無くても困らなかった。
ま、あゆさんは個人事業主なので確定申告をe-Taxでするので以前から持っていましたけど、それは便利だと思うからで。
まぁあまりにも普及しないのでとうとう義務化になるそうですが😅
あ!マイナポイントは年内なのでお早めに✋
・・・おっと話が逸れた💦😂
ケイトがフードバンクで空腹のあまりその場で缶詰を空けて泣きながら頬張るシーン。
これが実際あった話だと思うと見ていて胸が苦しくてつぶれる思いでした。
本当に必要な人が必要な支援を受けられない社会制度ってどうなんですか!爆🔥なんか書いてて腹立ってきたぞ😤
真面目に誠実に生きて来たダニエルのような人が救われない社会って…。
一見豊かに見える日本だって格差は確実に広がり、今日食べるに困ってる人がどれだけいて、それをどれだけの人が知っているのでしょう…😔
”人生は変えられる。
隣の誰かを助けるだけで”
ダニエルは自分が窮地に立たされていても、困ってる人に手を差し伸べ続けました。
彼は”ケイティ一家を助け、人生を変えた”と言えるでしょう。
そして、頑固だった彼自身がもう少し早くケイティに頼ることが出来ていたら…。
これからの人生を変えられたかもしれない。死なずに済んだかもしれない。
もう少し早ければ…。
そう思うと本当に悔やまれます。
彼が最後に残した言葉。
”当たり前の権利を要求する”
”私はダニエル・ブレイク、一人の市民だ。
それ以上でもそれ以下でもない”
多くの事を望んだわけでもない。
当たり前の権利を当たり前に主張しただけ、ただそれだけ。
ダニエルのような人が報われず、一市民を救えずして何を救うための社会保障制度だろう。
ケイティのような社会的弱者が制度から漏れるような福祉制度って一体?
解決されない格差や貧困問題が社会的弱者を
更に増やすことになり根っこにはいつもその問題が影を落としてますね。
疑問や憤りを感じつつ、自分が出来ることは一体何なのだろうと、あゆさんこの作品を見て深く考えましたね。
考え過ぎて脳ミソが沸騰しそうなくらい🤯
そして無い脳ミソフル回転で考えたこと。
それはありきたりだけど問題に関心を持つことそして持ち続けること。目を向け、向け続けること。だと思うんですね。
そしてこれは決して他人ごとではないということ。
自分が、ダニエルやケイティのような立場に
ならないという保証はどこにもないし、起きてしまうかもしれない問題はこの日本に於いても同じだと思うんです。
最後に
困っている人には手を差し伸べられるダニエルのような人間でありたい。
そして人は気づかぬところで助け助けられ生かされ生きているという事も同時に忘れてはいけない。
”私はダニエル・ブレイク。
1人の市民だ。
それ以上でもそれ以下でもない”
彼の遺した言葉は今もあゆさんの心の中で響き続けています。