【創作】寝台列車
白いベッドが並んでいる
満席の車両。私は二度寝する
瞬きしたとき、外はまだ明るかった。
ベッドには一人。連れがいたはずである
黄色い汗をかく。見失っていた。
急行に変わる。
ひゅうひゅうと喉笛を鳴らし、
拘束具(ベルト)をはずすと、身体は宙に浮いて頭を打った。
列車は走る。景色は色濃く変わる
春の日差しに目が眩む。
私はベッドから飛び降り、後方車両を目指した
重心がよじれ、視界は左に傾く
聞こえる。
私が何か言っている
会えないと言っている
ベッドを譲ったから、と言っている。
22.0721
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