ユグチスト的【2022年ベスト湯口5選】
ここ数年は年間200湯ペースで温泉に入り続けており、昨年2022年も数えてみると224か所の温泉をめぐっていました。幸せ者ですね。こんな話をするとよく聞かれるが、ほぼ毎日温泉に入っているのですか? ということ。会社員の私はそんなこともなく、温泉に出向くのは月に1回程度です。月イチの1泊2日の温泉旅行で、日帰り入浴をからめ10~20湯(5~10/日ペース)入り、年間で計算すると200湯くらいになる、という感じですね。
前置きが長くなりましたが、2022年もたくさんの素敵な温泉、そして素敵な「湯口さん」との出会いがありました。どの湯口さんが良かったかなんてとても絞り切ることはできませんが、今回は無理矢理「ベスト5選」を考えてみました。「絶景」であり「アート」な湯口さんたちをご堪能ください。
【析出物モンスター湯口】温泉津温泉 薬師湯(島根県)
こちらの湯口さんは、先日出演させていただいた「マツコの知らない世界」にて、「世界遺産に登録したい湯口」として紹介しました。島根県の温泉津温泉・薬師湯の別館にある貸切湯にいらっしゃいます。
強く重く分厚く、ゴリゴリガビガビに析出物で覆われたモンスター系湯口さん。ゆったりとお湯につかりながら湯口へ近づき、斜め下からのぞき込むのがおすすめのアングル。この色気、美しさ、威圧感などなど、もう圧巻です。お口の中は神秘的な小宇宙が広がっています。
温泉津温泉は、石見銀山エリアということで「世界遺産」に認定されていますが、単独で「世界遺産」に登録してほしい、とても貴重な湯口さんです。
【温泉津温泉 薬師湯】
・住所:島根県大田市温泉津町温泉津7
・電話:0855-65-4894
・泉質:ナトリウム・カルシウム-塩化物泉(低張性 中性 高温泉)
・源泉温度:45.3℃
・pH:6.3
・湧出量:?ℓ/分(自噴)
・加水:なし
・加温:なし
・消毒:なし
・利用状況:完全かけ流し
【滝の湯式「ホワイト鍾乳洞」析出湯口】さんない温泉 三内ヘルスセンター(青森県)
青森市内にあるレトロな温泉施設。こちらは新青森駅から至近距離にあり、アクセスのよい温泉です。広い体育館のような空間に、100人入っても大丈夫そうな湯船がドーンと存在しています。
そこにいらっしゃる湯口さんからは、垂直落下の滝のように上から源泉がドバドバ。そこはこんもりとホワイト析出物がモリモリ成長する、鍾乳洞的な絶景が広がっています。感動です。
【さんない温泉 三内ヘルスセンター】
・住所:青森県青森市三内沢部306-1
・電話:017-766-0185
・泉質:含硫黄-ナトリウム-塩化物泉(高張性 中性 高温泉)
・源泉温度:45.6℃
・pH:7.16
・湧出量:?ℓ/分(?)
・加水:なし
・加温:なし
・消毒:なし
・利用状況:完全かけ流し
【素朴な昭和レトロ少年湯口】瀬波温泉 大和屋旅館(新潟県)
こちらは100年以上の歴史を誇る、新潟県の瀬波温泉「開湯の宿」。男性用大浴場は、レトロなタイルが鮮やかな空間が広がっています。
そんな浴室には、これまたレトロで素朴な少年の湯口さんがいらっしゃいます。昭和の郷愁を感じる和顔坊主の坊やが、水がめを抱えてけな気に源泉を投入。小津安二郎の白黒映画に出てきそうな、お行儀の良い日本の少年的な風情ですね。
石油掘削の際に湧きだしたという源泉は、石油のような「アブラ臭」ただよい、舐めるとほどよいうま塩ダシ味に、硫黄とアブラのコクが足され、ブルーチーズのような味わいでした。
【瀬波温泉 大和屋旅館】
・住所:新潟県村上市瀬波温泉2-5-28
・電話:0254-53-2175
・泉質:ナトリウム-塩化物泉(低張性 アルカリ性 高温泉)
・源泉温度:90.1℃
・pH:8.5
・湧出量:?ℓ/分(動力)
・加水:あり
・加温:なし
・消毒:なし
・利用状況:かけ流し
【モコモコプードル系湯口】薬研温泉 民宿あすなろ(青森県)
昨年は下北半島の温泉にも足を運びました。その中で印象に残ったのがこちらのお宿の湯口さんです。
蛇口タイプの湯口には純白の析出物がモコモコに成長し、いわゆる「プードル系」に仕上がっています。そのモフモフ感は血統書を発行したいレベルのエリート感。プードル、ビションフリーゼ、ゾウさん、羊さんをミックスしたようなフォルムが愛くるしいです。新種なのかな? このモフモフに顔をうずめて、全身全霊で撫でまわしたい。
【薬研温泉 民宿あすなろ】
・住所:青森県むつ市大畑町薬研2-10
・電話:0175-34-3951
・泉質:単純温泉
・源泉温度:?℃
・pH:?
・湧出量:?ℓ/分(?)
・加水:なし
・加温:なし
・消毒:なし
・利用状況:完全かけ流し
【タイル&塩ビ管に析出ブレンド湯口】川湯温泉 ホテル開絋(北海道)
大学時代を過ごした北海道網走市。そこから車で1時間弱のところにある川湯温泉は、私が学生のころから大好きな温泉地です。昨年は久しぶりに網走へ。大学時代の友人と合流し、こちらの「ホテル開絋」へ入湯しました。
湯治場風情を残す浴室には、モザイクタイルに太め塩ビ管が両サイドにせり出した湯口さんがいらっしゃいます。「工場萌え」に通じる、システマティックな美しさにうっとりしてしまいます。タイルの目地に生い茂るようなディープグリーン析出や、宝石のように輝く塩ビ管のイエローホワイト析出が素敵ですね。激渋萌え。
胃液並みのpHを誇る強酸性のお湯は、強烈に酸っぱい味わい。源泉を飲み切ると、無添加で大粒な梅干しを一つ丸ごと食べきった時のような、爽快感と唾液分泌を味わうことができますよ。
【川湯温泉 ホテル開絋】
・住所:北海道川上郡弟子屈町川湯温泉2-6-30
・電話:015-483-2318
・泉質:酸性・含硫黄・鉄(Ⅱ)-ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉[硫化水素型](低張性 酸性 高温泉)
・源泉温度:49.1℃
・pH:1.7
・湧出量:100ℓ/分(自然湧出)
・加水:なし
・加温:なし
・消毒:なし
・利用状況:完全かけ流し
ぜひ「湯口」視点で温泉めぐりを♨
以上、2022年度ユグチスト的【ベスト湯口5選】でした。昨年も素敵な湯口さんにお会いしすぎて、明日はまた変わっているかもしれないブレブレな5選ですけれど、すべておすすめな湯口さんたちですよ。温泉めぐりの参考にしていただければ幸いです。
お湯や雰囲気だけではなく、これからはぜひ「湯口の魅力」にも注目して温泉選びをしてもらえると、ユグチストは嬉しいです。
<お仕事依頼先・お問い合わせ先>
ijirsnfde@gmail.com
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