☆My Story☆ My special you⑯ #ナムジュニと私
【私side】
バレンタインデーの朝。Twitterはひとしきりrkiveの話題で持ちきりだった。
『ジュニおはよう。rkive、整理したの...?大丈夫?』
最近、ジュニは毎日のように投稿していたIGを少し休んだり、アイコンを少し変えたり。
他のメンバーの皆さんと同じように、2021年の暮れからRMとしてのIGを始めたと思うけれど、アミたちはRMとしての音楽活動の軌跡と同時に、ジュニが頻繁に投稿してくれる日常の風景や彼のセルカをこよなく愛している。
「一緒に生きている」感じが伝わってくる彼のIGは私も大好きだから。
カトクを送ってから、ちょっと自己嫌悪。
RMが大好きなアミであり、キム・ナムジュンの彼女である私は、自分の都合の良い立場でカトクをしてしまっているのではないかな?
今回のメッセージはだいぶアミ寄りだ。。
ジュニが気づく前に消してしまおうと、もう一度スマホを開くと同時に返信が来た。
『大丈夫。rkiveはアーカイブしてあるから。それより、今夜大丈夫そう?』
良かった。彼の素敵な投稿写真は無事だった。
アミ目線で言えば、ストーリーもハイライトで保存しておいてくれたらいいのにって思うけれど...あぁほんとに、欲はキリがない。。
ジュニがすることには必ず理由がある。
詮索しなくても必要がある時に必ず話してくれるから。
今はもうrkiveの話題からは離れよう。
『今日は誰も残業したくなさそうだから大丈夫よ。19時にバラムね。』
ジュニとのバレンタインデーのディナーは2回目。
一年前の今日は、ジュニが私に話しかけてくれて・・・初めてバラムで食事をした記念日。
話しかけられた瞬間を思い出すとちょっと鳥肌。
バレンタインデーの奇跡。
「ユナ、午後、館長とのミーティングに入ってほしいんだけど、何時が都合いい?」
イ先輩から話しかけられて、現実に引き戻される。
今日は残業になるのは困るから、ミーティングは午後一番でお願いした。
********************
美術館を出られたのは18時過ぎだった。
街はバレンタインデー当日だから、カップルが多いように感じる。
美味しいマカロンが評判なカフェに、7色のマカロンを取り置いてもらっていたから、それを受け取って、バラムへ向かう。
お昼休みが終わって、イ先輩と館長とのミーティングの直前、ジュニがrkiveに投稿した。feedを一掃してから、半日。
投稿上限の10枚の写真は、展覧会やここ数日にupしていたお友達やHYBEカフェでの写真が入っていた。いつもどおり1枚目の写真をストーリーにも上げてくれて。
心配いらないよ、アミにそう言ってくれているようで、ホッとした。
それでも、これまでrkiveに投稿されていた1年以上の彼の軌跡の殆どは仕舞われており、残っているのはINDIGO関連の投稿とMCで参加した人間雑学、そしてヒヨンさんとの写真。
彼がこれからの活動のために整理したのかしら・・・それとも・・・
こんなことを考え始めたら、彼女なのか、アミなのか、わからない思考に陥る。とはいっても、そのどちらも私だから、抗えないのだけど。
これは心の中にしまっておこう。
今夜、バレンタインデーのディナーができることを楽しまないと。
そして、午後のミーティングでイ先輩から託されたタスクにも、わたしは全力で応えなくてはならない。私も、仕事がさらに忙しくなる。
バラムに着くと、ジュニの幼なじみのマスターさんがいつものように、上の個室だよと笑顔で合図してくれる。
バックヤードを通らせていただく時に、少し遅くなったけれど、クリスマスのご馳走のお礼も兼ねてマスターにもマカロンをお渡しした。
「やぁ感激だなぁ。ユナさんからバレンタインデーをいただけるなんて!腕をふるってたくさんご馳走を作るからね、楽しみにしていて。」
ジュニが素敵だからお友達も素敵なのか、はたまた、その逆なのか。
どちらもだな。本当に、彼のお友達やお仲間は素敵な人ばかり。
マスターのお料理は、身体に優しくて美味しくて、盛り付けも素敵で目も楽しい。今夜も楽しみ。
個室に着くと、ジュニはもう待っていた。
「ごめんなさい、お待たせしちゃって。」
そういう私に、この上なく嬉しそうな笑顔で迎えてくれるジュニ。
「1年前の今日も、僕がここでユナを待ってた。今夜も一緒だ。」
この人は、、、確信犯なのか、あざといのか、まったく意図していないのか。毎回こうやって、出会って数秒で私をKOしてしまう。
バレンタインデーの7色のマカロンを渡すと、少年のような笑顔で喜ぶ。
ジンさんは、バレンタインデーの12:04に「2月のソッチニ」を配信してくれた。7色のマカロンに「ア・ミ・サ・ラン・ヘ・ヨ・♡」と書いて愛を伝えてくれたジンさん。
The AstronautのMVで観た素敵な黒いスーツだった。
ジンさんはこうやって18か月分の動画を置いてってくれたんだろうか。
どこまでもアミ思いのWWHさん。
ジュニも同じことを思い出して、今日さ、ジンニョン、マカロンにチョコペンでアミサランヘヨ♡って書いてたよね~、全世界のアミに방탄소년단代表して伝えてくれちゃったよなぁ~と昼間のジンさんの配信を思い出し、いたずらっ子のように笑う。
本当にこの人達は、방탄소년단はどこまでもアミを愛している。純粋に。
私の脳裏に、7人がアミのために歌ってくれたFor Youthが蘇った。
「あのさ、今夜、遅くなっても平気?」 ジュニがささやく。
今日うちに泊まりに来るかな?と思って、ベッドリネンも取り換えて来た。
私とジュニの間に、もはや門限はないから。
「うん、お食事のあと、うちに来てくれても大丈夫よ。」 そう答えると
「あ、いや、大勢だし、それにいきなりユナのうちっていうのも・・・」
と首を傾げてブツブツ呟くジュニ。
大勢?なんのこと?? きょとんとしている私。
「あのね、ユナ。今夜、メンバー達を、ここに誘ってみたんだ。バレンタインデーだから、みんなも先約あるかもだし、昼間ダメ元でグループトークに書いたんだ。そしたら、仕事終わりに来るって返事が多くて。ばらばらの仕事だから、揃うのは遅い時間になっちゃうかもしれないけど、オーナーには了解してもらってるんだけどね・・・」
途中からジュニの声が遠のいていく・・・
血の気が引くということは正にこのことだった。
「え?メンバーって、방탄소년단の方達のこと? え??」
「僕がメンバーって言ったら、それ以外いないでしょ~ユナ(笑)」
屈託なく笑うジュニ。
いやいや。笑い事じゃないです。
방탄소년단のリーダーのRMさん、本気で言っているんですか??
「ユナ、来る前に言わなくてゴメン。かえって気を遣わせるかと思って・・・」 おろおろする私に気づいて、申し訳なさそうなジュニ。
「だって。バレンタインデーなのに皆さんに何も用意していないし・・・」
自分の服装とか髪型とか、もっと気にすることがあるのに、頭が動転してメンバーの皆さんに渡すチョコレートがないことが気になってしまって。
「ユナがバレンタインデーくれるのは僕だけで良いんだよ!まぁ、この美味しそうなマカロンをみんなにシェアしてあげてもいいけど。」
ジュニは私が渡したマカロンの紙袋を嬉しそうに抱きしめる。
「僕もマカロンいただいたよ~悪いな、ナムジュン(笑)」
ユナさんがクリスマスのお礼にってくださったんだよ、安心して!
と、料理をテーブルに運びながらジュニをちょっとからかうマスター。
そうだったんだね、ユナありがとう、ほんとによく気がつくなぁってニコニコ嬉しそうなジュニ。よかった。ヤキモチやいていない(笑)
「メンバーのみんなが揃う頃には、バレンタインデーの特製デザートを持ってくるから、お楽しみに。さ、お二人は召し上がれ。」
マスターが、私達二人のために美味しそうなディナーを並べてくれた。
「ジンニョンも、逢いたがってたんだけどね・・・」
と話し始めるジュニ。 胸の奥がツンと痛くなる。
「ジンニョン、ユナが収蔵品展のインタビューでテレビに出た時、知的な美人だって。インタビューの受け答えもとても上手だって褒めてくれたんだ。入隊前に逢ってもらいたかったけど、とても忙しかったから、次に機会があるときは必ず、ね。」
あの時、テレビに放送されたインタビュー、見てくださったんだ。
嬉しいけど、そんな風に褒めていただくと実際に逢える時にハードルが上がってしまうな(笑)
「ほら!ユンギヒョンは初めてじゃないし。ホビは本当に優しい奴だし、ジミ二は男らしくて可愛いし、テヒョンアはホンワカして温かいし、ジョングギは食いしん坊だから大丈夫だよ!」
私を安心させようと話すジュニのメンバー評、最後に思わず吹き出した。
「食いしん坊だから大丈夫って、なに(笑)」
「美味しい料理を前にした時のキラキラな瞳が可愛いんだよ!」
そういって、嬉しそうに笑うジュニ。
そうだった、ジョングクさんはジュニのラップに惚れてBighitに入ることを決めた人。自分を心から尊敬してくれているマンネ君は、どんなにスーパーアイドルになっても可愛くてしょうがないんだろうなぁ。
さ、とりあえず僕らの夕飯は食べ終わっておこう、と私を促すジュニ。
ユンギヒョンだけずるいって、僕らも早く逢わせて、とリクエストされていたから・・・バレンタインデーが賑やかでごめんねと言うジュニ。
いやいや、なんて贅沢なことだろう。私、アミなんですよ、ジュニ。
正直、ユンギさんだって2回目とは言え、めちゃめちゃ緊張する。
とても物腰が柔らかくて、素敵な方ではあるけれどもオーラが凄いんだもの・・・緊張する。
そして、とうとう、방탄소년단の皆さんが、今夜この部屋に来る。。。
あの釜山コンの3階のスタンドから豆粒のような7人を見ただけでも、胸のときめきがとまらなかったのに・・・食事の手を止めて、胸に手を当てる。鼓動が早まるのを抑えるため、深呼吸してみる。
「ユナ。ごめんね。緊張させて。アミだもんね、ユナは。でも本当に逢えばわかるよ。みんな飾り気のない、素敵な仲間たちだから。」
そう言って、ジュニが食事の手をとめて、私をそっとハグしてくれる。
本当にこの人のハグは安心する。大きくて温かい。
そしてこうして、心の底から私の彼氏として安心させてくれる。
私の彼氏であるジュニは、방탄소년단のRMというペルソナを会社に置いてきてくれているのだ。
「だいじょうぶ。緊張しないおまじない、あげる。」
そう言って、そっと頬を近づけると、優しいキスをひとつくれた。
これ以上のおまじないは、ない。
心の緊張が、すっと解けていくのがわかった。
「え~・・・お邪魔だと思いますけど・・・こんばんは。」
優しく私達に声をかけた言葉に振り返ると、VIBEで一世を風靡しているジミンさんが、それは美しい立ち姿から深々とお辞儀をされた。
その後ろにはホソクさん。キラキラな笑顔で微笑んでいる。
「ユンギヒョン、仕事に戻ったよ。テヒョンアとジョングギは、会社からマネヒョンが一緒に送ってきてくれるらしい。ユナさん、こんばんは。」
ホソクさんは、私の想像よりも落ち着いた少し低いトーンの声で話す。
「ふたりとも忙しいのにありがとう。僕の大切な彼女、ミン・ユナさんです。」 ジュニが私の肩に手をおいて、紹介してくれる。
「こんばんは。ミン・ユナです。初めてお目にかかります。お仕事がとてもお忙しいのにお越しくださって本当にありがとうございます。」
ジミンさんに負けじと、深々とお辞儀をする。
なにしろ、ホソクさんとジミンさんが余りにも素敵でキラキラしていて直視できないのだ・・・
ヌナ、顔上げてください、緊張しすぎです~ほら、僕らこんな普段着できてしまってすみません、とジミンさんがこの上ない可愛らしい笑顔で話しかけてくれる。 いやいや・・・めっちゃオシャレです。。
そうだ!ジミンさんに逢えたら伝えると決めていたお礼があった。
「ジミンさん。その節は、釜山の旅行をお手配くださりありがとうございました。お父様にまで、ナムジュンさんを送ってくださったりお世話をおかけして・・・本当に大切な思い出になりました。」
また深々とお辞儀をする私。いえいえ、と深々とお辞儀を返すジミンさん。
「ヒョンとヌナが初めての旅行を釜山にしてくださって、僕も父もお手伝いできて嬉しかったんですよ~。」
顔をくしゃっとして笑うジミンさん。か、か、かわいい。。。
「え?ナムジュンさんって呼ばれてんの?」 ホソクさんがジュニに聞く。
「あ~もう!ユナ、緊張しすぎ!いつもどおりジュニって呼んで!!」
駄々をこねるように可愛くおどけるジュニに、思わずみんな笑い出す。
はい、お前たちも座って!とジュニがお2人に椅子を進めていると、
「いつもどおりジュニって呼んで~♬」
メロディを付けて、ハモりながら入ってくるキラキラアイドルお2人。
「や~まじでこんなナムジュニヒョン見たことないんだけど、僕!
ユナさん、初めまして。キム・テヒョンです。」
深々と英国紳士のようにお辞儀をするテヒョンさん。
わ、ほんとにほんとに、彫刻のようなハンサム、そして笑顔が柔らかい・・・危険すぎる。
「もうユナヌナにメロメロだから~ナムジュニヒョンをこんなに幸せにしてくださって、ヌナほんと凄いです~!あ、ジョングクです。初めまして!」
か、か、か、可愛い・・・どんなバンビより可愛い!!
こんな大きな瞳で見つめられたら、数秒後に心臓がとまってしまう・・・
と思いきや、わぁ美味しそう!めっちゃお腹すいてるよ僕!!
って嬉しそうにキラキラした瞳でテーブルを眺めるジョングクさん。
マスターーー!!
ジョングクさんに、温かいお食事をどっさり持ってきてください!!!
「ユンギヒョンは、ほら、あの発表があるから。」テヒョンさん
「いやまじで大騒ぎになるよな。大喜びか。」ジュニ
「W-LIVEを日付またいでするって。会社に戻ったそうです。」ジミンさん
「全員集まったらジンニョンが電話してって言ってたよ。」ホソクさん
「ヌナ、ちゃんと食べてますか?これ美味しいですね!」ジョングクさん
す、すごい、、、5人がいっぺんに喋っている(笑)
そして5人とも完全に会話が成立している。
これが10年目の방탄소년단なのね・・・
私が感心して5人をしばし見つめていると
「ジンニョンとユンギヒョンが入ったら、もっと凄いですよ。」
とテヒョンさんが微笑んで話しかけてくれる。すごいなぁ。。
5人で話していると思ったのに、私が考えていること、わかっちゃうんだ。
やっぱりテヒョンさんにはテレパシーがあるのかしら。。
「さ、ジンニョンが待っているから、電話、掛けるよ。
スピーカーフォンにするから、みんな喋れよ。」
ホソクさんが掛ける電話のコール音に、みんなが耳を澄ます。
「ジェイホーーープ!!おっそいじゃん。ヒョンもう眠いのに!!」
元気なジンさんの声がスマホから飛び出した途端、どっと笑いが起こる。
「やージンニョン元気でしたか? 元気そうだね(笑)」 ジュニ
「そっちすごく寒い? 風邪ひいてない?」 テヒョンさん
「ダンスでチームが賞を取ったんだって聞きましたよ。」 ホソクさん
「試験勉強進んでいますか??」 ジミンさん
「じゃがいものメニュー多いけど、だいじょうぶ?」 ジョングクさん
またもや一斉に話だし、ジンさんは変幻自在にお返事をして6人の会話が成立している。す、す、すごすぎる。。
「やー、お前たち、ちょっと静かにして!」
ジンさんの掛け声に、弟たちが一斉に黙る。これも凄い。。
「ナムジュナ! ヒョンにユナさんを紹介して。」 はっ!私の番だ!!
ジュニが私のそばに電話をおいて、ユナ、自己紹介して、と促す。
「こんばんは。ジンさん。ミン・ユナです。初めまして。」
「ユナさんこんばんは、ジンです。WWHなのに声だけでごめんね。」
ハハハッと笑いながら、ジンさんらしく、緊張をほぐしてくれる。
「ナムジュニは本当にたくさん苦労してリーダーをしてくれていて、辛いことも全部引き受けてくれているんだ。こんないい男、他にいないから!どうか仲良く。ヒョンは、遠くから2人を応援しているからね。」
ジンさんの言葉に、私は「はい」と返事をして涙が出そうになった。
仲良すぎるくらいだから、心配いらないよ~
ユナヌナ、ほんとに素敵な方ですよ~
ジンニョン少し髪の毛のびたんですか?
またまたみなさんが一斉に喋りだす。
ほんとに、いつもこうなのね(笑)
私はジンさんに、どうかお身体を大事に、ご苦労も多いと思いますけど、みんながお帰りになる日を待っていますから…と精一杯お伝えした。
「うん、ありがとう。ナムジュニも入隊が遠くないと思うけど、たくさん仲良くして幸せでいるんだよ。2人とも、わかった?」
ジンさんは、まるで本当のお兄さんのように優しい。
ナムジュニと私が「はい」返事をすると、ジンさんは安心した様子。
短くも賑やかなジンさんとの電話は、メンバーたちとアンニョンの挨拶をして終わった。
自由の少ない生活の中で、携帯電話を使える限られた時間でお話してくださったのだと思うと、とても尊くて、ジンさんが방탄소년단との長男としてアミだけじゃなくメンバーからも敬愛されている理由がわかった気がした。
そしてメンバーの皆さんは、ジュニの言うとおり、本当に気さくに優しく私に接してくださって、テーブルの上の食事が瞬く間に消えていく(笑)
「ヌナも僕らの仲間ですからね!これから僕らとも仲良くしてください!」
彼らは、世界を輝かせる방탄소년단であるけれども、ジュニの彼女である私と逢えて喜んでくれる、とても素敵な仲間たちだった。
私のインタビューをテレビで見た話や、釜山コンをどんなふうに観たのか、Rolling hallどうたった? 等々、彼らの質問に応えながら、いつしか楽しいお喋りのなかで、私もすっかり緊張がほぐれていった。
2023年のバレンタインデーの夜は、私とジュニ、そして彼の素敵な仲間たちとの掛け替えのない時間になった。
【つづく】
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