あるある!しくじりITサービス導入—ITサービス導入の落とし穴とは?
最近は梅雨入り前だというのに、晴れた日はかなりの暑さが続きますね。
皆さまの体調はいかがですか?この調子で行くと、、今年の夏も思いやられます。
さて、過去エントリ
「プロジェクト推進を学ぶオンデマンドプログラム【Project Design Camp】とは。」
ご紹介の中でも少し触れましたが「プロジェクト失敗あるある」として、「良かれと思って導入したITサービスがうまく機能しない例」を挙げさせていただきました。
業務効率を上げるために導入されたはずのシステムなのに、結局はうまく活用できず、ただ契約期間が過ぎるのを待っている…まさに「あるある」なお話ではないでしょうか。
今回は、この「ITサービス導入の落とし穴」についてと、落とし穴の回避方法についてお話させていただきます。
なぜITサービスを導入するのか
まずはIT サービスを導入するその理由をあらためて確認していきましょう。
身近なITサービスを思い浮かべてみてください。
在庫管理システムや顧客データ管理、電子カルテや勤怠管理、給与や人材評価システムなど、皆様もどこかで触れたことがあるのではないでしょうか。
これらのサービスですが、ITの発達する昭和の時代にも同じ業務をこなしており、在庫管理も医療カルテも、紙で管理することは可能なはずです。
ではITサービスを導入することで、一体何が変わったのでしょうか。
これまた当たり前の話ですが、業務効率を向上させることができますよね。
要するに、ITサービス導入の目的は「業務効率の向上」でなければならないということ。
しかし、せっかく費用をかけて導入したITサービスが、かえって業務の足を引っ張るケースが発生してしまうことがあります。
失敗事例あるある
現場の人間ではない担当者がいきなり「来月からこれを使ってください」とITサービスの導入を決めてしまい、結果、現場にマッチせず、誰も利用しない、かえって作業効率が下がってしまう…あるある!!なお話ではないでしょうか。
では、どのような失敗例があるのか、私の聞いた限りではありますが、少しご紹介いたします。
ケース1
介護の現場において、電子カルテを導入したものの、手入力のたびに手洗いの必要があり、かえって作業効率が悪化してしまった。
現場の実情にそぐわない導入が失敗の理由でしょうか。机の上でだけITサービスを考えると起こりそうな事案です。
ケース2
ITサービスを導入したものの、あまり使い勝手が良くなく、現場では誰しも不便を感じつつ、「使わなければならない」と、そのまま導入を続けている
これもありそうな話ですね。お金をかけて開発し、自分達でも意見を出して導入したITサービス、「使うのをやめましょう」とはなかなか言い出せないのも理解できます。結果、「ITサービスを使うこと」が目的となってしまっているのです。
ケース3
上司から「このITサービスを導入することになったから担当をよろしく」と言われたプロジェクトマネージャー。「導入」がミッションでありゴールととなってしまい、「使える」かどうかが置き去りになってしまう…
これも聞いたことがある話のような気がします。これはITサービスの質というより、組織の問題かもしれません。組織というのは、時にこのような本末転倒なことが起こります。
ケース4
業界的にはとても評判が良く、使い勝手も良いはずの営業管理ツール。しかし、使い方が浸透せず、人によって利用頻度が異なり、不完全なデータしか得られず、結果、本来のポテンシャルが発揮されていない…
同じ業種、職種でも「その現場」によって状況は違います。良かれと思ったITサービスでも、実際の使い方、利用のタイミングなどが噛み合ないと無意味なものになってしまうことがあるということですね。入力されたデータを参照しやすくするためのITサービスも、データの入力がされなければ本来の力を発揮することはできなくなります。
問題の本質とは
このようなITサービス導入の失敗例、実は同じ問題を抱えていることにお気づきでしょうか。それは
「ITサービスが実際に利用される現場の状況にマッチしていない」ということです。
『現場の人間ではない担当者がいきなり「来月からこれを使ってください」とITサービスの導入を決めてしまい、結果、現場にマッチせず、誰も利用しない、かえって作業効率が下がってしまう』と、先の冒頭で書きましたが、これなどはまさにアンマッチが起こる典型的なケースではないでしょうか。
IT導入の担当者が現場の人間ではなく、頭でだけ考えて「良かれ」と思い導入したものの、
現場の実情とはほど遠いもので、結果、誰も使わない、業務効率が下がる…
今まさに、少なくない企業、各社で起こっているであろう悲劇ですね(笑)
本来のITサービスとは
何度でも書きますが、ITサービスを導入する理由は、
「業務の効率化」にあるはずなのです。
しかし、「これって本当に『効率的』なんだろうか」と疑問に思うものも多くあるように思います。
例えば、もっとも代表的なITサービスとして、勤怠管理システムがあります。交通系カードと一体化したものやスマートフォンで打刻が完了、など無数のアプリが存在します。
タイムカード打刻をイントラやクラウド上で行い、勤怠を管理できます!
…というのは、リモートワークを行っている企業にとってはとても便利です。、もちろん作業の効率化ではありますが、毎日出勤がマストである企業にとっては、入力する社員は本質的にタイムカードを押すこととあまり変わりがありません。
むしろ、タイムカードを押すために、パソコンを立ち上げ、パスワードを入力し…といった、かえって面倒な作業が発生してしまうというようなケースも考えられます。
もちろん勤怠データが一元化され、出勤日数計算などを上司がしっかりと把握し、一元管理できるメリットがあることは理解していますが、その一方でこの「メリット」が、社員の手間を上回るかどうか、併せて考える必要があるのではないのかな…と思ったりします。
ネット上でタイムカードが押せます!というのがITサービスなのではなく、それで得たデータをどう生かすのか、どう効率化されていくのか、そこが「ITサービス」の本質なのではないでしょうか。
失敗しないITサービス導入とは?
それでは失敗しないITサービス導入に向けて、どのような対策が考えられるでしょうか。
・現場の声を聞く
本当に当たり前の話なのですが、使うのは現場の人間です。現場の声をしっかりと聞く!もうこれだけで多くのITサービス導入の失敗を防げると言っても過言ではありません。
使う人が日々、業務に組み込んで効率の良いものなど、いくら理詰めで考えても現場の声に勝るものはありません。
・「ITサービス導入ありき」で進めない
組織で仕事をするというのは難しいものです。それぞれに事情があり、職責も、使える権限も時間も違います。
責任者にとって「ITサービスを活用し、業務の効率化を図る」ことがミッションとなれば、「導入すること」自体がゴールとなってしまい、スケジュール優先で事が運ばれてしまいます。
「ITサービス」は、活用することが目的です。導入ありきという考え方に陥らないことが大切なのです。
・試用期間を十分に設ける
現場の声を聞く、と書きましたが、いくら現場の人があれこれ考えても、使ってみなければわからないことがあります。
ITサービス導入の際にはトライアル版などで試用することも多いかと思いますが、よくあるトライアル期間、1ヶ月やそこらで決められない、という現場も多くあるのです。
本当の意味で「使える」ITサービスが馴染むまで、様子を見ることができれば失敗も少なくなります。
・本来の目的を忘れない
どんなに現場の声を聞いても、じっくり時間をかけて導入しても、「使いにくいな」「かえって不便だな」と感じつつ、それでも使い続けることが目的となってしまったITサービスがあったとします。これをしっかりと「現場のためになっていない」と判断できることが大切だと思います。本来の目的、「業務効率のための導入」を忘れないようにしたいですね。
【Project Design Camp】ITサービス導入の考え方のご紹介
私も数々のITサービス導入の失敗例を見てきましたが、このようなことが最初からわかっていれば避けられた失敗もあったのでは…と思うのです。
そこで、今回は失敗しない、ITサービス導入の強い味方、
ITサービス導入やDXについて学ぶ【Project Design Camp】ITサービス導入の考え方をご紹介させていただきます。
過去エントリ
「プロジェクト推進を学ぶオンデマンドプログラム【Project Design Camp】とは。」
でもお伝えしたこちらのプログラム。
新しく弊社のホームページやメルマガでも「【Project Design Camp】ITサービス導入の考え方」を配信しております。
こちらをゴールと設定し、失敗しないITサービスの導入の仕方、を学ぶことができます。
本当に必要なものは何なのか、フローを使い言語化、可視化し、ゴールを明確にすることで、失敗しないITサービス導入を目指します。
「ITサービス導入失敗」、社会人経験のある方であれば誰しも思い当たることがあるのではないでしょうか。
ITサービス導入の落とし穴に落ちることなく、本当の意味での「使える」サービス導入を【Project Design Camp】ITサービス導入の考え方で学んでいただければ幸いです。
ご相談会も受付中ですので、まずはお気軽にお問合せください。
本当のゴールは業務の効率化!Tenmaruは、本来の目的を忘れず、現場の声を聞き、「本当に役に立つ」ITツール導入を応援します。