NPS+32。ファン化重視のポテンシャライトが取り組んだCL(顧客ロイヤリティ)向上施策7選
こんにちは、ポテンシャライトの寳田です🙋♀️
2022年も始まり既に3ヶ月が経過しました。(早い・・・!)昨年、当社の創業事業であるHRインキュベート事業において、組織を拡大させるため「機能」別にOKRを設定しました。例えばマーケティング、セールス、クオリティー管理、ゼロイチの創出、人事関連、など様々です。
その中でも私は「Impressive quality」と呼ばれている、「クオリティ管理」をかれこれ1年弱担当させていただきました。ポテンシャライトではNPSの効果測定を定期的に行っており、HRI事業部全体で企業様の提供価値を向上させようという取り組みを行なっています。
今回は採用のノウハウではなく、ポテンシャライトで実施したNPS向上の施策について簡単にご紹介したいと思います。
1. 「NPS」とは何か
1-1. 「一般的なNPS」について
まず、そもそも「NPSって何なのか?」についての話を進めていきます。
ネット・プロモーター・スコア(英語: Net Promoter Score, NPS)とは、フレッド・ライクヘルド氏が提唱した、顧客ロイヤルティ、顧客の継続利用意向を知るための指標です。日本語では「顧客推奨度」や「正味推奨者比率」と翻訳される場合もあります。主に「顧客との接点があるシーン」において利用される指標ですが、特に「購入行動に直接的に関わるシーン」「購入後に使用したシーン」「ブランドがどのような認知なのかというシーン」における、顧客ロイヤルティの指標として用いられるケースが多いです。グローバルでは、Apple、Amazon.com、Google、Facebookなど、顧客志向を重視する企業で特に採用されるケースが多く、アメリカ合衆国のフォーチュン500のうち、約30%が既にNPSを経営指標として採用しているそうです。
- ウィキペディアより
具体的には、顧客ロイヤルティを測る指標なので、顧客に対して「あなたはこの会社の製品・サービスを友人に薦めますか?」という質問を行い、0~10までの11段階の評価をもとに、スコアを算出します。(なおNPSは、ベイン・アンド・カンパニー、フレデリック・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です。)
1-2. 「ポテンシャライトの考えるNPS」とは
ここからあくまでポテンシャライト流のNPSの考え方について説明していきます。
本来NPSは「顧客推奨度」や「正味推奨者比率」の比率を算出して検証していくものかと思うのですが、ポテンシャライトは、「お客さまからの評価」と捉えています。
10点満点でどの程度の点数をいただけたかによって、お客さまとの関係性も見える化することができるため、組織としてはこのNPSの平均点をポテンシャライトの「サービスクオリティ」の指標として使っています
(一般的には「推奨者の割合-批判者の割合」で算出するかと思うのですがぱっと見て、良いか否かの判断がしにくいと感じたため弊社では単純に10点満点で算出しております)
弊社では【3ヶ月に1回】現在お取引させていただいている全ての企業様に対しNPSアンケートを取得しております。
■ 2021年 NPS
回収企業:137
- NPS
- 一般的な表記:+32.1
- pote流表記 :平均8.2
この数値を見て感じたことは、同じような支援内容でもさまざまな状態の企業様が混在しているということ。
目標はNPS平均9点。そのため、まだまだ到達していない&NPS平均数値はさほど変化しておりませんが、組織の規模は2.5倍に拡大しました。ここ1年NPS向上に向けてのPDCAを繰り返す中で、組織規模が拡大しても平均してNPS 8点以上を担保できるような仕組みはある程度整理できてきたと思います。
2. NPS向上に向けて取り組んだこと
ではここから実際に約1年間の中で取り組んだことをかいつまんでお伝えしていきます。
2-1. 推奨者(「9点」以上)の特徴整理
そもそもNPSの点数を上げる際に何を実施すれば良いの・・・?
NPS平均9点という目標とともにクオリティ管理担当へ任命された際にはじめて考えたことでした。これまでNPS向上に向けて、個人としての取り組みは行ったことはありましたが、恥ずかしながらなぜ点数が高いのか・低いのかということに対して追及したことはありませんでした。
そこでまずはじめに行ったこととしてはNPS9点以上の企業の洗い出し、
・企業担当者が意識的に実施していたこと
・企業様からのコメントから評価いただいていたこと
を踏まえてNPS9点以上の特徴を整理しました。
と同様に、アンケート内容も変化させました。
アンケートの内容を変化させることで具体的に点数の要因を掴めるようになっただけではなく、サービスラインナップごとに回答ができるため、アンケートを答える方の負担を最小限に抑えました。
そこで分解されたのがこちら。具体的にはNPS9点以上をいただけている共通点は7つあることが分かりました。
1. Responsibility
- 責任感・約束を守る
- サポートメンバーへの依頼方法
2. Speed
- 返信のレスや対応スピード
※経験問わず、意識で向上させることができる。
3. document
- 資料/文章の見やすさ
4. PDCA/issue/DT(デザイン思考)
- PDCAのサイクルスピード
- issueの提示・要因の分析など
5. know-how(notice)
- 顧客へのタイムリーなノウハウ提供
- 新たな「気づき」の提示
6. quality
- 総じて「品質」
※結果論に過ぎない
7. result
- 採用/転職の決定人数
※結果論に過ぎないですが、これがあれば100の期待値以上にはなる
(100の期待値に対して継続的に120で返すことができている場合、自然とNPS9点以上いくよね、ということで上記をaim120と呼んでいます。)
上記7つの共通点は整理できたのですが、これらそれぞれがやり切れている上でNPSは向上するでしょう。ただ、全てをいきなりやり切るのは難しい・・・というのが事実。そのため、STEPで分けていきました。
2-2. NPS の点数の定義設計
次にNPS9点以上の特徴(aim120)の7つとNPSの点数と照らし合わせて整理しました。それがこちら👇
上記を設定できたことによりNPS点数定義を明瞭にできたのでメンバーにもNPS9点のイメージが伝わりやすくなりました。
具体的な定義としては下記になります👇(あくまで当社の定義です)
【NPS5~6点】 ★最低限レベル
>> Responsibility & Speed が担保されている状態
・支援内容別想定されるスピードの基準を超えていないかどうか
・TODOの設定(期日設定)し、期日通りに遂行できているか
(お客様から催促をいただいていないかどうか)
【NPS7~8点】 ★普通レベル
>> document & PDCA/issue/DTがクリアされている状態
・定例のアジェンダや資料がぱっと見やすいかどうか
・課題に合わせてPDCAが回せているかどうか
(検証が毎週回せている状態かどうか)
・採用のノウハウを共有できているかどうか
【NPS9~10点】 ★aim120レベル
>> 新しいknow-howの提供・採用決定などの結果が出せている状態
・他社事例や傾向の共有+それを踏まえた提案ができているかどうか
・納品物の品質や採用実績など価値提供できているかどうか
2-3. 回収率を上げるための施策
さあ、上記のNPSの点数定義・NPS点数向上のために実施した方が良いことをそれぞれのメンバーに周知し、浸透させたところですぐ取り組みへ・・・!といきたいところですが、しっかりとNPSアンケートが回収できる体制がなければいくらデータが集まったとしても組織のNPSの数値としては正確なものではないでしょう。そこでNPSアンケートの回収率を上げるためにリマインドの体制を変更しました。
■これまで
- 初回送付1週間後 リマインド1回目:メール送付 @クオリティ管理担当
■新たな取り組み
- 初回送付1週間後 リマインド1回目:メール送付 @クオリティ管理担当
- 初回送付2週間後 リマインド2回目:定例での声かけ @各担当者
- 初回送付3週間後 リマインド3回目:Slackでのご依頼 @各担当者
【結果】
・リマインド「実施前」:回収率 45~50%
・リマインド「実施後」:回収率 70~85%
※リマインド2回目で60%ほどが回収
では、実際に行った社内の具体的な取り組みをここからご紹介していきます。
下記のaim120の項目別にさまざまなものへ取り組んでおりましたので順序を追ってご紹介していきます。
2-4. 「Responsibility」「Speed」担保・向上取り組み
まずは、Responsibility と Speed への取り組みを。行ったことは下記2つです。
① 支援別スピード基準設定
【支援開始直後のスピード基準】
Speedが一番鬼門になるのがキックオフ(支援開始直後)の設計フェーズになりますのでそのモデルスケジュールを設計。各項目ごとの目安日数も同様に設定しました。
ただ、設計のフェーズが終了し、運用フェーズになった際にスピードが落ちてしまうと元も子もありませんね。そこで運用後に行われる大まかな支援内容ごとの目安日数を設定することで支援開始後の「設計フェーズ」「運用フェーズ」双方のスピードが早いのか・遅いのかを振り返れる仕組みを作りました。
② 進捗相談・確認(週2)
週2で朝礼後30分、代表山根へ進捗の相談や確認をする時間を設定しました。現在はa)のスピードはメンバー全員が対応できるようになってきたため、採用決定人数やスケジュールの進捗ごとの割合を記載の上、相談をする場を設けております。
メンバーから上がる企業様の課題に対して山根からだけではなく、他のメンバーからも解決方法が上がるため有意義な時間となっていると感じています。
2-5. 「document」「PDCA」向上取り組み
③ aim120dayの開催〜ペアチェックの体制〜
昨年10月より【毎週金曜日 16:00~16:20】をaim120dayとし、aim120できるようなワークを実施するようにしました。
直近は、2人組のペアになり、
・ドキュメントの見やすさ
・課題・要因・施策の一貫性
をフィードバックしあう場にしています。互いにフィードバックしあうことで自分は見えなかった点に気づくことで、最低でも週に1つ改善点が見つかるようになりました。HRI事業部においては各々のメンバーが各企業様を担当しているため隣のメンバーがどんな支援を実施しているのか、という点を知れるきっかけにもなったようです。(aim120dayでこれはすごいな〜と思ったメンバーの事例はnotionに別途取りまとめております)
④ 月1MTGチェック ※トライアルで1回だけ実施※
③でメンバー同士のチェックを、④では年次が古いメンバーからのチェックを行うようにしました。HRI事業部全体での課題感を理解し、優先度に合わせて施策に取り組んだ方が良いという背景から取締役の小原と私で各メンバーのMTGの録画データをチェックするようにしました。現在は課題が特定でき、施策を走らせるタイミングに差し掛かったため、一旦この施策は停止しております。
2-6. 「know-how」共有の取り組み
⑤Potentialight Thursday
「やはり、隣の人が何に困っているか、どんな施策が良かったのか、意見交換がしたい」という声をもらい始まった施策、Potentialight Thursday(略称:ポテサー)です。その名の通り隔週木曜に実施しております。マンネリしないような仕組みとしては「1 issue or 1ノウハウ」持ち寄って開催するようにしています!
⑥Tresure Box
何か企業様で課題が発生した時に、ポテンシャライトの中ある既存のノウハウで解決できるものだけではありません。弊社では何か課題が見つかったとき、このタイミングがゼロイチが生まれる瞬間です。つまり、課題(issue)=Tresure なのです。そこで企業様の課題でTresure Boxに格納、ゼロイチの発信(noteでのアウトプット)をしております。
⑦ esa・ノウハウch
ポテンシャライトではshare the allというカルチャーが浸透しており、自身の担当企業で知り得たノウハウをesaやノウハウchというSlackchで投稿するような体制にしていることから、何かわからないことが出た時はesa検索→ノウハウ検索→Slackで他者に質問する というような流れで課題を解決するヒントが眠っているケースがほとんどです。
ノウハウchの一部👇
2-7. 番外編
兎にも角にも、組織が一丸となり、何かに取り組む際には楽しんで実施してもらえること、自発的に取り組んでもらえることが結果的にグロースしやすいですし、そうでなければ続かないなと考えていました。
そのために、何があれば良いのか?
ちょうど半年くらい上記施策を取り組む中でマンネリ化してしまったのです。そこで、NPSが上がった時の顧客の声をダイレクトに届けよう・・・!ということで(かつ12月というちょうどクリスマスプレゼントという程にもできる)担当者別にこれまでNPSアンケートの中でいただいた企業様のコメントを取りまとめてプレゼントとして贈ってみました💐
この手の取り組みは個人的には苦手分野だったのですが(笑)なんとか成功して良かったです!
そのほか、ご契約終了時には各媒体の運用マニュアルや、取引期間中の取り組みをまとめた「Off Boarding資料」の展開を最近始めました。
3. 最後に
いかがでしたでしょうか。今回は採用ノウハウではなく、ポテンシャライトHRI事業部で取り組んだNPS向上への取り組みについてお伝えしました。NPS9点の壁はまだまだ険しい道のりではありますが、弊社としてはさらに企業様の採用や組織の課題に対して適切な価値提供ができればと思っております!
※当社の採用/人事組織系支援にご興味がある方はお気軽にお声掛けください。
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