「ゼ」、そして「ジェ」
「ゼ」と「ジェ」を巡って紆余曲折。
原点に帰りましょう。
日本語でわからないことがあれば、日本語の専門書にたずねましょう。
そう。これです。
(でかい・・・)
その中でも特に、これ。
付録。
読まれたことはあるでしょうか。
面白いです。
目次。
『仮名遣いについて』
『現代仮名遣い』
あたりでしょうか。
早速、『仮名遣いについて』を開いてみましょう。
仮名遣いについて
『文字が無く』?
どういう意味だろう。
古く、というのはいつ頃のことだろう。
それは横へ置いて先に進む。
漢字は意味を伝えることには長けていたが、固有名詞や助詞を表現するのは難しい。
そこで万葉仮名が編み出される。
例)
山→也麻
川→加波
かも(助詞)→鴨
漢字の意味を捨てて音訓だけを利用した。
その万葉仮名を経て、さらに表記が簡略化されて出来たのが「平仮名」である。
というようなことが説明されている。
これはこれで面白い。
だが。
「ジェ」については記載がない。
現代仮名遣い
「拗音」を確認してみる。
ん?
これだけ?
「シェ」はどこ?
「ジェ」はどこ?
広辞苑第七版 付録 裏面
この付録は後ろからも読める。
こうなっている。
左側は奥付。
さてはここにおるのか、「ジェ」は。
では、早速。
日本語における外来語
外来語とは何か。
ということはすっとばして。
そこから!?
突然に句読点を「,」や「.」にしているが、これは私の気分の問題。ということではなくて、広辞苑がそうなっている。横書きにするとそうなるということのようだ。律儀だ。
明治頃の外来語の増加には面白い特徴がある。
分野によって参考にする国が異なり、流入した外来語もそれぞれの国となったようだ。
そして。
というような歴史をたどる。
外来語の表記
ようやくここで出てくる。
『シェ』と『ジェ』である。
ということであるそうだ。
ここまで来たのに随分あっけないではないか。という思いは横におく。なんだか当たり前のことを言われているだけのようだが、おそらくは「外来語に対応する」というのがポイントなのだろう。もちろん、これ以外に使ってはならないなどとは言っていない。もしかしたら将来は「外来語を表現するもの」ではなくなるかもしれない。「ぜんぜん」が「じぇんじぇん」などと表されることも遠い未来ではないかもしれない。さすればめでたく、「外来語を表現するカナ」から「平仮名」に格上げ(?)されるだろう。
何の話だったか忘れそうになるが、「ランゼリー」である。昔は、そもそも「ジェ」の表記がなかったわけだ。だから、「ミケランゼロ」であり、「ランゼリー」だった。
「シェ」や「ジェ」は、いつ頃使われるようになったんだろう。
案外、新しいのかなぁ。
それは、また、おいおい。
・・・多分(笑)。