『研究余録 〜全集目次総覧〜』というブログ
幸徳秋水の著作のことを調べていた。
個別の著作となると限定的である。一方で全集となると収録作品がなかなかわからない。大阪府立図書館で検索すれば全集があるにはあるんだが、収録作品まではわからない。国立国会図書館の方は一部には目次と思しきものがあるものの、一冊一冊を開いては閉じ開いては閉じを繰り返している間にどれをチェックしてどれをチェックしていないのかわからなくなってくる。
「ええい、ままよ!」と(というほど大袈裟なものでもないが)、「幸徳秋水 全集 目次」で検索してみるとトップに出てきたのがこちらである。
すごい。本巻9巻、別巻2巻、補巻1巻の、全12巻の全目次が掲載されている。作家の中には全集の巻数がもっと多い方もおられるだろう。幸徳秋水は刑死40歳と短命でもあって巻数はこの程度ではあるが、短い文章を頻繁に寄稿していて、作品数としてはかなりの数になる。それを12巻分全てを列挙してくれているのである。しかも各作品の頁番号までふってある。頭が下がる。
他にどういう記事を書いておられるのだろうとトップをたどってみた。するとブログタイトルがこのようになっていた。
研究余録 〜全集目次総覧〜
え?
ブログのタイトルが「全集目次総覧」?
それでいて、最新の記事が
『加納久宜全集』全1巻
という、よく知らない方の全集で、「さらに記事を読み込む…」をタップするとこのように列挙されていく。
『天心全集』全1巻
『沢柳全集』全6巻
『伊藤公全集』全3巻
天心は岡倉天心、伊藤公は伊藤博文か。いや、そんなことではなく(いや、それもすごいんだが)、あらゆる(は言いすぎかもしれないが)全集の目次を提示しておられるのか。末尾に
「4件/全1182件中」
などとあって、いよいよ仰天する。1182件!?
試しに本ブログで「幸徳秋水」を検索してみるとこんな結果になった。
「幸徳秋水」以外の全集も多々あるが、おそらくは「幸徳秋水」のことを書いているのでヒットするのだろう。なるほど。『他の人が語った「幸徳秋水」』についても列挙できるということになる。
それにしても、有名出版社ってあまり出てこないのな。筑摩書房が目立った感。そう言えば、筑摩書房って全集がそこそこ見かけるような気がする。
それはそうと…………なんだ、これ。
『明治文学全集』全99巻
全99巻…………。
まさか、目次、書きはったんやろか。
どへーー! すごい!😵💫
文字通り、卒倒しそうになった。右端のスクロールバーが、ほんのポチッとしか表示されない。99巻分の目次が揃っている(ようだ)。99巻揃えた筑摩書房もすごいが、その目次を書き出したこちらのブログもすごい。
さらに「夏目漱石」を検索してみると76件もヒットする。他の方の全集が多い。漱石自身の全集というと、少年少女ナントカ全集というものがこれまた意外に多い。あとは、筑摩書房と岩波書店。岩波書店の漱石全集がすごくて全17巻。長編、短編、小品はもとより「文学論」「文学評論」が入っていて、それだけでもすごいんだが、評論、初期の文章、詩歌俳句、日記、断片(!)、書簡集まである。「断片」とは何ぞや。「ちらしの裏」レベルなのかしらん。しかも17巻目は一冊丸ごと「索引」であった。附録として「漱石全集月報」もある。ふぅ〜。ため息がもれる。さらにさらに、ここに目が釘付けになる。
蔵書の余白に記入されたる 短評並に雑感
なにこれ。私の探し求めていた「ジェイン・エア」に関する書き込みが読めるとでも言うのか。いそいそと、府立図書館で「漱石全集」を検索した。すると…………。
なにこれ(そればっかり!)。
「第28巻」って、どーゆーこと?
2020年?
え!
もしかして、岩波書店は新しい漱石全集を出したのか!?
先ほどの全17巻は…………1974年!
10冊以上増えている…………。
誰か、この全28巻の目次を作ってくれまいか……orz
ところが、である。
この大阪府立図書館の検索結果をたどっていくと、こんなことになるんである。
え? 1999年?
え? 1980年?
これは、おそらく「研究余録」で紹介されている版の全集と思われる。
え? 1957年?
え? しかも第34巻?
岩波書店は、いったいどれだけ漱石の全集を出しているのだろう…………。というか、大阪府立図書館も、いったいいくつの漱石全集を所有しているのだろう…………。
話を戻して。
全集に困ったらここ「研究余録」にこようと思った次第であった。
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