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心の中の黒い犬

風呂キャンセル界隈、などと言う言葉がある昨今だが、お風呂って本当に入るのが面倒。
ほんの数歩歩けば行ける距離なのに、なぜか遠く地球の反対側に移動しちゃったような感覚になる。

ご飯作るのもめんどくさいっていうか、そもそも食事するのもめんどくさい。何を食べてもおいしい、っていう感覚があまりない。

街中を歩いていても、にぎやかな装飾を見ても心動かされないし、人との付き合いも正直めんどくさい。

仕事で人と会っている時は何とかなるけど、家に帰ると気分がふさぐ。
スマホで延々と動画を眺め、ぼんやりと過ごしているとあっという間に夜中になっている。

当然寝不足だし、朝は起きるのがつらい。
重い気分のまま通勤電車に揺られ、人の波に流されていつもの時間にいつものようにデスクに着き、パソコンを立ち上げてファイルを開き…

そんな毎日を繰り返していて、ふと、黒い犬が大きくなってきたのに気づいた。
もう君はいなくなっていたと思っていたのに、一度住み着いたらいなくなることはないんだね。

僕はそんな君とどうやったら仲良く暮らしていけるのか、今もまた時計を眺めては、お風呂までの距離を測っている。

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Ayumu Akimoto
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