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192日目(12/11) マブダチ映画監督と砂漠に行くぜ🇮🇳#51 inジャイサルメール

こじんまりとした暖かさが魅力な宿に泊まってるって話を前の日記で書いたと思う
その宿で砂漠サファリツアーが提供されてた

ジャイサルメールは砂漠の街ってことで、街にはいろんな旅行会社のサファリツアーが溢れてる
だがこの宿でのサファリツアーは一味違う
宿のご主人が実際砂漠に住んでる友達に頼んでこじんまりとやってくれてるので、彼らの暮らしてる家にも寄れるし、商業化されてない生の食事と音楽を楽しめる
まぁ要するに良いツアーなのだ
せっかく砂漠に行くっていうのに、大人数でぬくぬくベッドで快適さを求めて何になるんだって話ですよ
少なくとも今の俺はこのプランがぴったりだった
昨日話を聞いて即決し、そして今日が出発の日なのだ
(ちなみに個人経営っぽい宿をめがけてサファリツアーやってる?と聞いてみると、似たような個人プランを見つけることができますよ)

さぁ出発まであと30分
宿のルーフトップで待ってたらアンシュルがやってきた
2日前同部屋になり、意気投合した同い年のあのアンシュルだ
昨夜僕が砂漠ツアーに行くという話を聞いて急遽同じ日に予定を合わせてくれたらしい
早速2人でジープに乗り込む、別の宿ではあるが同じくご主人から紹介してもらったらしいベルギーのカップルが先に乗ってて彼らと一緒に砂漠に向かった

これから砂漠ツアー開始だっていうのになんの脈略もなくガソスタによってしれっと始まった
運転してくれてる砂漠民の2人もこっちをたいして気にすることもなく現地の言葉で話してて気楽
車内ではベルギーカップルと我らが同部屋カップルで色々話した
ベルギーはフランス語らしい
フランス語が心地よかった
ゴダールの「女は女である」っていうそれはもう素晴らしい映画を観てから個人的良い響きの言語はフランス語だ
ちょっと走るとすぐに建物は見えなくなる
ただ道が続くだけ
たまにヒッチハイク待ちと見える現地の人がいる
しばらく走ると滅んだ街ゴーストシティー?だったかに着いた
かつては街だったがいつの日か急に人が消えてそのままになってるという
都市伝説みたいな話があるとのこと
どの程度の信ぴょう性とかは知らないがゴーストって言われても砂漠だとなんか怖くない気がする
砂漠が身近にない人からすると自然の脅威の方が強すぎるのだろうか
ポンコツ設計の階段
これ平気なのかって気にしてたらでっぷり太ったおっちゃんが意気揚々と降りてきて俺の代わりに試験体になってくれた
僕は皆の勇気と犠牲の上に生きているらしい
現在進行形で可愛らしいお絵描きしてた
現地の人はいつしか消えたってことはこの絵を描いてる人はこの街と無関係の人ということになる
全くの部外者がかつての遺跡にポップなお絵描きって
それってありなの?って気はするが
まぁインドの感覚はわかんないことだらけだからね

またしばらくジープを走らせてオアシスに着いた
やっぱ砂漠といったらオアシスだよね
実際サハラ砂漠みたいに砂だけって感じではなく、乾燥地帯って感じで草も木もあるので、そこまでありがたさはない
でも砂漠ってのは確か降水量によって定義されてたはずなので、やっぱり水は貴重なのだ
危ない今日数時間見ただけの自分の視覚をかいかぶってオアシス様の価値を見誤るところだった

現地のドライバーがたまにこの水飲む人もいるよと教えてくれた
そうですよね!そうこなくちゃ!
オアシスは飲み水になるからこそ砂漠にてその価値が上がるのだ
飲めないオアシスなんて意地が悪すぎる
オアシスは見るものではなく飲むものだ
これは有史以前から続く尊い人類の学びであるはずだ
この水飲まずしてどうしてオアシスに来たと言えようか
てことで飲んだ
なんの味もしない綺麗な水って感じだった
顔も洗って
勿体無かったからもう3杯飲んでお腹に溜まってる感を得た
人類に限らずどの生物だって溜めるという行為をするはずだ
砂漠にてオアシスを見つけて腹に溜めるまで水を飲まないのは生物として欠陥があるか、砂漠を感じてないかだろう
僕はどっちにもなりたくなかったからチャポチャポにした当たり前
一緒にきてたジープのみんなどころか
他のツアー客も現地の人も誰も飲んでなかった
極東からえっちらやってきた若造が優越感に浸るには十分だった
あとでこの飲水が牙を剥いてくるなんてことはこの時は頭をよぎりすらしなかった

こっからは運転手の人たちが実際住んでるところにお邪魔する

家の中でもなんでも好きに見てくれていいよとのこと
見ようとしたら彼らの子供たちがわーってやってきて色々話かけてきてそれどころじゃなかったけど
子供たちにクッキーをあげたらお返しに謎の実をもらった
砂漠に生えてる果物?らしい
名前は忘れた
ほんのり甘みがある
学校の帰り道のツツジの蜜を思い出す
映画監督を目指すアンシュル
イカしたカメラを片手に大活躍
村の長みたいなおじいちゃんがなんか言うと
子供達が自分たちのヤギの子供を抱えて見せてくれた

彼らの村を後にして少し行くといよいよラクダ登場
ラルーとロキとアルパチーノが僕らを乗っけてくれた
アルパチーノが浮いてる気がしてならなかったが、映画好きの僕らとしては嬉しい限りだ
アルパチーノに乗るのはどっちだと思ってたが、俺らのラクダはラルーとロキだった
ここでベルギーカップルとはお別れ

まったりとした快適な旅を予想してたら
ラクダが思ったよりも揺れて疲れる
俺の愛ラクダ、ロキ
乗り手に似てイケメン
飼い主が指示すると口開けてくれるお利口さん
絵になる
1時間弱のラクダ旅の末砂漠到着
砂漠といってもちょっと木と草が少なめのちょっとした砂の空間って感じ
もちろんそれで十分
砂漠にもいろんな種類があって、それぞれの良さがある
イカしたジャケットにハットを被ったアンシュルがボブディランみたい
エルトポ構図
キツネ、犬、牛、ヤギ、鳥5種類
夏には蛇とか色々増えるらしい
野生のラクダもたくさん

ジプシー民たちが夕飯の準備をしてくれてる間、アンシュルと砂漠をぶらぶら

あっちゅう間に日が暮れた
クソ寒
いよいよ調理スタート
ジプシー民がまさかの半袖で流石だなーって感心して見てたら震えてた
なんで毎日砂漠に住んでていまだに上着を持ってくるという発想がないのか不思議でならない
結局俺の予備ジャンバーを貸した
三つの粉で簡単にできる
赤い辛いの入れすぎ
やめろっていってんのに悪ふざけが止まらん
さっき年齢老けて見えるっていじったせいかもしれない
野菜炒めとダルカレーと辛いやつを作ったら次はチャパティー作り
俺も初挑戦
薄く伸ばすのが難しくて歪な形のゴツいチャパティになった
俺作のは厚ぼったくて美味しくなさそうだった、実際美味しくなかった
野菜炒めと米がダントツで美味い
辛いトッピング以外全部まるまるおかわりした
特に野菜と米に関しては2回以上おかわりした
米って塩混ぜて水入れてぐつぐつするだけでこんなうまくなるの最強の食べ物すぎる
食器とか鍋とか全て水でぴちゃぴちゃ洗うだけなんだけど、
周りがこんだけ乾燥した自然だと汚いみたいな感情は全くなくなる
インドにきて相当汚さ耐性ができてしまってはいるが、それを抜いたとしても本当に汚いって微塵も思わない
みんなで食べるぜ
色々話すぜ

一緒に砂漠に寝泊まりしてくれるジプシー民の彼らは21歳だったんだけど、2人とも今年結婚したらしい
すごい誇らしげに教えてくれた、おめでとう
結婚相手は親族が決めるらしい、結婚するまで妻の顔も見たことないってやつもいた
ラジャスタンはまだ伝統が強く残ってるらしく、特に砂漠とか地方になると、自由恋愛とかはありえないってレベルらしい
日本の感覚からするとかなり衝撃だが、そういう結婚でもこんなに幸せそうだし、こんなに奥さんのこと自慢げに話すんだなーってのも同時に衝撃だった
当たり前にスマホがあるので、他の文化も知っているが、悪いことばっかじゃないよとのこと
それが聞けてすごい嬉しくなった
たったそれだけの言葉で、しかも出会った数人から聞いただけだっていうのに

調子に乗って赤いの入れまくったスパイストッピングは案の定俺には辛すぎた
アンシュルは辛い辛い言いながらも平らげててさすがインド人だと感服した
俺のはそいつにあげた

食い終わった後は伝統のラジャスタンソングを歌う
楽器も何もないけど、水のタンクとその辺の木の枝で演奏
お世辞にも上手いとは思わない演奏だが、めちゃめちゃ楽しい
これでいいんすよ

火のそばにいないととてもじゃないけど寒すぎる

長くなりそうなので寝るまでの話は明日の日記で

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