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44日目 海外でもサンドリを聴いてしまっている虚無旅~ホーチミン~

海外にいるのに暇を潰している
探せばいくらでも楽しいことや場所はあるのだろうが、そういう一切のことをやろうという気概がない

昼過ぎにベッドから起き出し、安くて旨そうな飯屋に入り、暑い時間をカフェでやり過ごし、夕方ごろ目的もなく散歩し、夜宿に帰ってダラダラする
たまに夜飲みに行ったり、今日なんかはギターを弾いたりしたが、基本的なマインドの部分は流れに身を任せているだけであり、独立した自我は存在していない
頭を使わず時間という与えられた課題をこなしている感じである

ちょくちょく後がけ調味料として
味付け油みたいなのが出てくるが
それがめっちゃうまい

今日に至っては散歩中有吉のラジオ、通称サンドリの過去回なんて聴きながら歩いていた
ラジオ自体趣味なので、旅で海外に行ってからも聴いていたラジオは引き続き聴き続けているが、最新回ではなく過去回を聴いているところに危機感を覚える
何より、聴いているのがサンドリである
諦めの空気をまとった笑いの中に取り込まれてしまいそうである

ベトナムは暑くて結露が確実だからこその
受け皿提供方式

これにはベトナム、とりわけホーチミンの空気感もあると思う
一応昼はみんな働いてはいるものの基本的に接客含めダラダラとした暮らしをしており、横になってスマホを眺めているばかりだ
みんなその日を暮すことを考えており(考えているというよりはそのような生活スタイルになっている)、未来、なんなら明日を見据えた生活すら感じられない
外で楽しそうにやっている人たちは海外旅行客か現地の若者たち(カップル多め)という感じだ
近しい人と一緒にいるからこその楽しみを享受する奴らを横目に疎外感を感じながら、ベトナムに充満しているそれ以外の人から醸し出される生きる楽しみへの最低限の満足感に僕は流されてしまったようだ

ハノイは街自体に独特の楽しさを感じたし、ダナンも観光客の眩しさと若者でまだ活力があった
ホーチミンに来て全て事足りる安定した環境にぼけた感じがする
飯はうまいし、物価は安いし、散歩していれば最低限の興味を引く店はたくさんある
しかし、刺激となると何もない気がする

このまま行くと終わってしまいそうという、漠然とした不安と焦りは、お絵描きグッズやギターを買ったところで取り除けるものではないようだ

野田クリスタルの謎のショート動画を見て、笑ったついでによし昼飯でも食い行くかーってベッドを出たところが今日1番自我を持っていた瞬間だと思う

今日の自立散歩のお供
Peter Paul & Maryのベスト盤

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