『なぜ「戦略」で差がつくのか』備忘録
本日はマーケティング業界では非常に有名な音部大輔氏が書かれた、『なぜ「戦略」で差がつくのか』という書籍より、備忘録的に内容をまとめます。
戦略とは
「目的」達成のための「資源」利用の指針である。
・資源を考える
③認識しにくい内部資源ー内部資源になりそうなもの
埋もれた、されど有用な資源を見出すのに有効な手法のひとつは「比較」。製品や組織構造、組織の構成要素などを過去、競合と比較します。
ここでの注意点としては、強み・弱みという評価を適用するのではなく、違いのみに注目してリスト化してみる、ということ。
そして、これらの違いが強みとして発揮されそうな状況や環境を想定する。逆に弱みに転じる状況を把握することで、、そうした事態を回避できる可能性がある。
④認識しにくい外部資源ー外部資源になりそうなもの
例えば、政府、業界団体、オピニオン・リーダー、ユーザー(ブランドのファン)など。
ユーザーが与える3つの影響
・直接的な推奨、口頭での伝播
・間接的な推奨、文字や映像などを通したレビューや評価
・使用状況の露出、使用している機会露出による伝播→「観察可能性」
「観察可能性」はロジャーズの5つの要素のひとつに含まれている。
→イノベーションが伝播するのにどのような要素を満たしていることが望ましいかを示している。
ロジャーズの5つの要素とは
「相対的優位性」「両立可能性」「複雑性」「試行可能性」「観察可能性」です。
「相対的優位性」・・・既存のものよりも良いものであると知覚される度合い
「両立可能性」・・・既存の価値観、過去の体験や、既存の生活習慣と相反しないと知覚される度合い
「複雑性」・・・それを理解したり使用したりするのに、相対的に困難であると近くされる度合い
「試行可能性」・・・小規模でもそれを体験できる度合い
「観察可能性」・・・その結果が他の人たちの目に触れる度合い→結果だけではなく、使っている様子が目に触れる度合いも含む。既にみんなが持っているという印象など。
SNSでいかに語ってもらえるか
口コミなどが広まりやすい状況、伝播力が上がる状況とは、以下4つの点を満たしていることです。
①誰もが知っているトピックについて
②まだ多くの人が知らない側面の話、つまりニュース性のある話を
③それぞれが投影した自分像と一貫性のある形で
④誰もがストーリーとして話せるような起承転結のある筋書き
戦略と再現性に固執する
基本原則として、いったんなされた意思決定を覆すのは避けるべきである。もちろん例外はあるし、柔軟性の排除は望ましいことではない。
そのためには、判断そのものではなく、判断基準となった戦略に固執する。
戦略がよりどころとする、達成すべき「目的」と投入可能な「資源」に大きな変化がない限り、当初の戦略に固執することは論理的に正しい。
目的や資源の再解釈には拡散、戦略の組み立てには収束
戦略の考え方においてもっとも大きく差が出るのは、戦略を構成する材料である「目的」と「資源」の用意の仕方の部分であって、戦略を組み立てる作業ではない。
戦略の組み立てには、論理の一貫性や思考の精緻さが必要あり、目的や資源の再解釈には、自由で想像的な視点と思考の飛躍を必要とする。
・複数の視点を獲得する
違うものを視る、違うように視る
複数の視点(POV)を獲得するために、以下4つの有効な手段がある。
①フィルターをかける
②借りる
③想像する
④概念化し一般化する
これらは、無意識のうちに自分にかかっているバイアスを、意識的に無効化する技術である。
【技術1】フィルターをかける
①他の学問領域を適応する
②時間軸を変える
③変数を探して変化させる
【技術2】借りる
①コピーをつくる
②未来あるいは過去の自分
③競合の視点
・戦略を文章化する
①全員が同一の解釈ができるものにする
組織の「摩擦」を招かないように、異なる背景をもつ数人の間で解釈に違いがでないものであるかと確認しておくこと
②士気を高める
③都合のいい話にしない
簡単でしたが、以上です。
途中少し理解が難しい箇所などもあり、比較的意識的に頭を使って理解に努めないと置いていかれるような感覚もありましたが、内容は戦略という一見するとぼやけた概念を、明確に概念化、文章化しているなと感じました。
最後までご覧いただきましてありがとうございました。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?