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夏、浴衣ライフ


いつからだったか、祖父の形見の旅館浴衣を譲り受けて、寝巻にしている。祖父は2つの骨壷がみっちりになるくらい、どっしりしっかりした骨格の持ち主だったけれど、縦はそこまで長くなかったのでぴったり。

綿100の、一重と二重が一枚ずつあって、交互に使っている。洗濯機で乾燥までかけているのでそれなりにこなれ感が出てきているのだけど、見た目は置いておいて。
手ぬぐいと一緒で、生地がどんどん柔らかく、着やすくなっていてとても良い。

酔っ払ってお風呂から上がって体を適当に拭いても、濡れた体を包み込んでくれるので湯冷めしないし。
この時期お風呂上がり汗だくでも、すぐ乾くし。
夜は冷房つけっぱなしだけど、冷えないし。

帯は付属していた共布のものを使っていたのだけど、最近ニットの帯を買った。
結びやすく解けにくく、なかなか具合が良い。色を緑にしたのも、白紺の浴衣に馴染みながら映えて、とても良い。

綿100という素材と、浴衣という形に惚れ込んでいるこの頃である。

連日の猛暑、外に出れば汗だくで、中に入れば冷房地獄である。
私は露出は多ければ多い方がいい、と袖なしばかり持っているのだけど、今年はなかなか冷える。あと焼ける。
しかし袖ありにしたらしたで、脇と呼ばれるエリアを超えてぴったり吸い付いてしまう。

脳裏にチラつくのは浴衣である。夏用の、寝巻でない浴衣は2枚持っている。
素材は分からないけれど、一般的に浴衣は綿100らしい。見た目も手触りも、ポリエステルは入ってないような。

久しぶりに着てみると、しっとり馴染む。
着付けは中高の時古文の先生に教えてもらった。腰紐の使い方がプリーツスカートを綺麗にたくし上げるのに非常に役に立っていた。
細かいところは忘れて自己流になっているので、改めてYouTubeで基本を見る。

衿を抜く。背中の皺をとる。おはしょりを整える。
袖から衿から、熱が抜ける。太陽光も照り返しも直接当たらない。
なかなか涼しい。

と、いうことで休日は浴衣を着て出掛けている。
全国のどこかで花火大会がやっているだろうし、まあ、変な目では見られない。お会計が女性だと素敵ですねと声をかけられるくらい。

花火資料館の前で「おい、浴衣かい!良いねえ!でも暑いだろう!」と絡まれた時はびびったけれど、それがそのまま資料館の案内をしてくれて、普通に係のおっちゃんだったというオチ。
ふふ、おっちゃんよ、多分その記念ポロシャツよりも、こちらの方が快適なのだ。

綿100なら家で洗える説を見て、試しに新しく安いやつを買って、やってみた。
畳んでネットに入れて洗濯をまわし、脱水をかけないでそのまま干す。
今のところ、特に問題はなさそうである。

家で洗えるとなると着用頻度は自由自在である。よそ行きではなく、普段着として。
夏、浴衣ライフが捗る。

それにしても浴衣、安い。
既存の浴衣がラベンダー色と藤色なので、青いのほしいな〜と思って楽天で探してみたら、ベースライン6000円くらい。
もちろん上を見れば10倍、20倍の価格まであるけれど、仕立て上がりで素材や染め・つくりにこだわらなければ十分好きな柄が選べる。

ということで6000円の浴衣と、3000円の浴衣(!)の2枚を追加購入し、合計4枚の浴衣をがしがし洗いながら着まわしている、最近の休日。



おわり。

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