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漱石の愛した画家・津田青楓の、「青楓美術館」
行って参りました。
自転車で10キロくらい。
暑かった〜しんどかった〜…。良い運動になりました。
青楓美術館
津田青楓をご存知でしょうか。私は存じ上げませんでした。
一昨年山梨に移り住んで参りまして、チラッチラッとそのお名前を拝見する機会はあったのですが、芸術に疎い私はあまり興味そそられず。
なのですが、フォローさせていただいている方の青楓美術館存続危機の記事を読ませていただきまして、
あら素敵な外観、一度行ってみよう。と思い、お天気の日曜行って参りました。
詳細はこちら。
立地
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最寄り駅は中央線山梨市・東山梨・勝沼ぶどう郷。…等しく遠い。
えっ笛吹市?山梨市でも甲州市でもなく?
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周りは勝沼醸造、グレイスワイン、ロリアンワインと一定の人に馴染みのあるところ。
同じくえっ笛吹市?なルミエールワイナリーとも程近く。
外観
可愛い〜!のですよ!
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こんな素敵な建物がぶどう畑のなかにぽつんと!
色合いがたまらないです。この石造り、永遠に見ていられるな。
インターホンを鳴らすと、上品な女性が応対して下さいました。
津田青楓の図案
華道の家元を実家に持ち、画家・文筆家・書家と多才な津田青楓は、年代によって図案→洋画→日本画→書、と表現方法を変遷しているそうです。
特に図案については夏目漱石、与謝野晶子、田山花袋と名だたる文豪の装丁をしていたり。去年渋谷区松濤美術館でも特集されたそうで、超有名なようで…。
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可愛い〜!
これ、手ぬぐいにしてくれませんかね。
調べてみたのですがあまりグッズの展開は無いようで…
図案はこちらの本に収録されているようです。ぽちろうかな。
また、青楓美術館には「うづら衣」という、津田青楓自身が出版した画集の写しがあり、他にも沢山素敵な図案を見ることができました。
「うづら衣」自体は国立図書館に収蔵されていて、電子版でも見れるようです。和風なんだけど今風の、素敵な図案ばかり。逆に時代が早すぎて絶版になってしまったそう。
エピソード
1階にかかっている巨大な油絵「疾風怒涛」は津田青楓の代表作ですが、戦前は法政大学に飾られていたところを空襲激化に伴い返却されたのだそう。
返却後津田青楓は絵を額から外して丸めて倉庫に入れており、そのまま忘れ去られていたのを本美術館設立の際に設立者が見つけ、
だいぶ傷んでいたのを修復して再び陽の目を見ることになったとのこと。
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元々この美術館の絵も、津田青楓から「これを売ってお金の足しにしなさい」と寄越されたのをそのまま収蔵している、であったり、
ほとんど津田青楓の作品なので青楓美術館にしようとお願いしたら「ああ、いいよ」と言われたのでこの名前になったとか、
なかなか人間味溢れる成り立ちというかなんというか。面白いお話を伺うことができました。
なかなか一癖あったんではないかということが伺える津田青楓ですが、館内には写真もずらり。背もあって、洋風に髭も蓄えていて、男前!
アインシュタインに激似ショットがあったのですが、これは意識してなのでしょうか…?
ここでワインが飲めたらいいのにな🍷
とついつい思ってしまうような素敵な建物と立地と気候でした。
建物が老朽化しているという話もあるようですが、外観は残して欲しいなあ。
中、展示はありつつ古民家風にリノベしてコーヒーとワイン飲めるようにして…
内装デザインに津田青楓の図案を使って…
デザインのあるグッズを売って…
ワインツーリズムのマップに混ぜてもらって…
などと好き勝手に妄想を膨らませるのでした。
やはり立地的にこれだけのために行くのは、美術に興味がある人でない限りなかなかハードルが高いと思うのですが、
外観だけでも一見の価値ありなのでワイナリー巡りの間にお散歩がてら行ってみてはいかがでしょうか。
おわり。