見出し画像

展覧会の感想をInstagramで発信してきた功罪

最近思ったのだ。
なんか、Instagramが、疲れる。

2年前から、展覧会巡りの記録をInstagramに投稿してきました。訪れた展覧会が記録として積み上がっていく感覚が心地よく、日本地図にピンを刺すような充実感がありました。その時は産後で仕事を休んでいたので、いつかアート業界に復帰したときに、浦島太郎にならないよう情報を取り入れておこうという目的もありました。

感想を書いているうちに、作品のことを考える時間も楽しくなってきて、それを言葉にすることにも少しずつ慣れてきた。以前に仕事でご一緒した人と再び繋がることができたり、新しいアート好きの人々と交流が生まれたりしたことも大きな喜びとなった。投稿を動画にしてみたり、写真の撮り方を工夫してみたりして、徐々にフォロワーが増えていくことも、ゲームのように楽しかった。

その後、引っ越しや子どもの成長、自身の体調不良が重なり、投稿から離れる時間が増えました。そして最近、久しぶりに投稿を再開してみたものの、どこか違和感を抱えている自分に気づいたのです。

展覧会に行けば、Instagramに投稿するために写真を撮る。投稿の統一感を意識して編集。写真が歪んでいれば修正し、明るさも調整して……

あれ!?アップした写真が勝手に暗くなってる!

これインスタのバグだな〜。いや、その前にサムネイルで作品が見切れてるのも失礼だし、もう少し大きくトリミングしなきゃ。あとは感想を書いて……んー、このアーティストさん、こういう感想嫌がるタイプかな?書いて大丈夫かな?とりあえず展覧会の詳細は丁寧に書いておこう……って、この展示、どこが運営してたっけ?仕事で関わることあるかな。いやいや、それより感想が薄っぺらくない?

ていうか気付いたら最近のInstagramのアップデートでサムネイルが縦長になってるぞ!?

これまで心を込めてトリミングしてきた写真、作品の端が見切れちゃってるじゃーーーん(泣)



いやー、いつの間にこんなに考えることが増えてしまったのでしょう。


昨年からアート関係の仕事を新たに始めたことが、大きなきっかけかもしれません。Instagramの中の情報を仕事として意識する場面が増えたことで、「ただのアート好き」や「純粋な鑑賞者」として楽しむ余裕がなくなってしまったのだと思います。

さらに、Instagramの仕様やフォーマットに振り回されることの多さも気になり始めました。産後1年くらい、息子をお腹の上(もしくは抱っこ紐の中)で寝かせながら片手で投稿していた頃とは違い、今では自由な時間も増えています。スマホより椅子に座ってパソコンに向かう日が多くなり、一人で外出する余裕もできました。

そう考えると、Instagramの投稿のためにスマホを触っている時間が惜しく感じてきます。

外の空気を吸いたい。息子と遊びたい。ていうか、友達と、お茶したい!

Instagramを通して得たものは確かに大きい。でも、それは社会から少し距離を置いていた産後という特別な時間だったからなのかもしれません。じゃあやめればいいじゃんって言われそうですが、それでも展覧会に行けば感想をシェアしたくなる。素敵な作品やアーティストに出会えば誰かに教えたくなる。その性分は変わらないので、何かしら発信することはこれからも続けていきたいのです。

ペースを変えてInstagramで続けるのがいいのか?それとも、文章だけをnoteに移行するのがいいのか?しばらく試行錯誤しながら、自分にとって心地のよいSNSの形を探してみたいと思います。


いいなと思ったら応援しよう!