市民の提言を紡いで10周年『塩尻市市民交流センター えんぱーく』
先日、ツアーを組んで、初めて訪問してきた『塩尻』
そのツアーの中で訪れた場所について、書いていきたいと思います。
まずは『塩尻市市民交流センター えんぱーく』。
こちらの建物は『塩尻市立図書館』と『塩尻市子育て支援センター』などを中心とした市民の交流総合施設になっています。
施設の方に、建設の経緯を教えていただいたところ、
まずこの施設がある『大門商店街』の賑わいが昭和57年の塩尻駅移転などに伴い、賑わいが失われたことを受けて、市民公募メンバーによる『中心市街地の活性化ワーキンググループ』が『中心街活性化の玉手箱』を提言。
(市街地活性化につながる42のアイデアが盛り込まれている。)
さらに、もう1つ元々あった『市立図書館』の施設が狭く、図書館機能が十分に発揮できていないという課題から、こちらも市民公募メンバーによる『市立図書館の在り方ワーキンググループ』が『市立図書館の在り方ワーキンググループ提言書』を提言。
その2つの提言を参考に、『市民交流センター』の計画を具体化させ、10年前に完成したのが、『塩尻市市民交流センター えんぱーく』とのことでした。
さて、それでは『えんぱーく』の中を見ていきたいと思います。
(施設内の撮影は許可証が必要とのことで、お借りしました。)
まず、入り口を入った雰囲気はこのような感じです。
(白くて明るい印象です)
『えんぱーく』の建築の特徴は『壁柱(かべばしら)』。
具体的には、厚さ20cm、高さは11.4mにおよぶプレキャストコンクリートの板を97本立てることで建物の主要な構造とし、適切な密度感をつくることとした。一般的な柱や梁で出来た骨組みはなく、「壁柱」と呼ぶこの板が3階まで貫いている。これが縦横無尽に配されることで、建物を支えながら、いろいろな大きさの“たまり”や“抜け”をつくっている。
『壁柱』には施設や市からの情報や
市民のワークショップされたものなどなど、多様な用途で使われています。
『えんぱーく』施設内にある『塩尻市立図書館』を見ていきます。
こちらも、とても明るい図書館と言うのが特徴的。
さらに交流センターの中の図書館ということで、所謂『私語禁止』というようなところではなく、図書館の中でイベントが行われることもある賑やかな図書館ということもお話されていました。
また図書館の棚の作りもユニークで、ただ本が並んでいるだけでなく、ワイン関連の本の棚には塩尻ワインの空きボトルやワイナリーの地図があったり
クラシックコーナーには、本とCDが並んでいたり
と、本をベースにした知識の交流も意識されているように感じました。
さらに、3階スペースの壁柱に、新しい受け入れた本の背表紙を並べて撮影された写真のような紙が印刷されて掲示されていたりと、壁柱を使った工夫も面白かったです。
ほかには至る所に『えんぱーく』のロゴ型の椅子やカーテンがあったり。
WiFiの案内まで、えんぱーくマーク。
1・2階は図書館を中心としている作りですが、3階はフリースペースや会議室や音楽練習室、多目的ホールなどの部屋がたくさんありました。
そのほか資料上で説明頂きましたが、この施設では『おはなし会』『コンサート』『こどもしおじり』などなど多様なイベントが企画されているとのことでした。
『塩尻市子育て支援センター』は撮影NGとのことでしたので、割愛させていただきます。
「大門商店街」の賑わいや図書館の在り方についての市民公募メンバーからの提言を受けて、このような『市民交流センター えんぱーく』として建築されていることから、図書館もフリースペースも賑わいのあるイベントなどの交流がベースになっている。市の施設ではあるものの、なんだか暖かみを感じることができました。