ドキュメンタリー映画 スズさん〜昭和の家事と家族の物語〜
ドキュメンタリー映画 スズさん〜昭和の家事と家族の物語〜 観てきました。とりとめのない感想です。
https://kirokueiga-hozon.jp/movie/movie-suzusan
明治に生まれ、大正、昭和を生きた女性、スズさんが主人公です。第1章は生い立ちから関東大震災、第二次世界大戦と、辛い記録が続きます。昭和を語る上で外せないのはわかっていましたが、やっぱり観ていてしんどいです。
第2章、第3章は昭和の生活の記録です。この時代の専業主婦は本当にやることが多いなぁとため息が出ます。読書する暇もゲームする暇もありません。三食昼寝つきとか言った奴は誰じゃと思う。どこに昼寝する暇があるんじゃ。
スズさんが日々の細々としたことを淡々とこなす姿は頼もしくもあり、もっとさぼってもええんやでと声をかけたくもあり……。ちょっと祖母の姿を重ねたりして、うるっとしてしまったり。
いやでも実際は、もっとサボる人いたと思うのですよねぇ。スズさんが働き者なだけで。本当のところどうなんでしょう。
わたしは昭和生まれではありますが、さすがにこの映画に出てくるような道具や風景を懐かしいと思う世代ではありません。しかし母や、祖母が生きた時代なんだと思うと身近に感じられます。
定期的に訪れるレトロブームですが、それはだいぶ美化されていて、本当はたいへんだし衛生面でも不安だし、何より女性にとっては今よりずっと生きづらい時代。
そんなにいい時代ではないよね……と思う。自分の子どもの頃を思い出しても、道路や駅、電車は今のほうがずっときれいで清潔だ。
だから簡単に「昔はよかった」という年配の人の言葉は、ふーんと聞き流すことにしている。よかったことだけじゃない。もちろん、今の時代だっていいこととわるいことが混沌と交じり合っている。それは、いつだってそうなんじゃないだろうか。
そういうことも感じつつ、昭和初期〜中期の文化や暮らしを、なんとなく愛おしいと感じてしまう。
母に見せたら懐かしいと喜ぶだろうか。それとも、こんな時代思い出したくもない、辛気くさいと言うだろうか。
まぁ、なんか後者のような気がしてる。娘としては「昔はよかった」と言われるよりも、ちゃんと今を生きてくれている感じがして頼もしい。
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