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春疾風(はるはやて)

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受験に失敗して文学部に入った女の子と、本が好きだけど将来の夢がなくて仕方なく文学部に入学した男の子のお話。
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#春

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〜♪♪
ギターとベースが効いた着信音で目が覚める。朝か。そして電話か。寝ぼけたまま目を擦り、電話の向こうが誰なのか確認しないまま、無意識に緑の着信ボタンを押す。

「もしもしー。あんた昨日どうだったー?初めての大学。やっぱり私大は綺麗なの?広いの?」

こっちは寝起きだと言うのに、電話の向こうは容赦なくハイテンションな声で質問してきた。高校の時仲が良かった友達の紗月だった。

「あー。おはよ。さつ

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「残念ながら、不合格です。」
これで4度目だった。絵を描きたくて、私だけの絵を作りたくて、美大を目指して、必死に絵を描いてきたのに。美術部の活動時間の他にも、朝学校が開く時間と同じ時刻に登校し、ホームルームが始まるギリギリまで美術室に立てこもって、キャンバスにむかっていた。各休み時間に早弁までして、昼休みもずっと絵を描いた。美術部の活動が終わったら、入試の時に持っていって試験官に見せるためのスケッ

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